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麦わら海賊団を支えた神(仮)

作者:空手KING
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誓い

ある無人島の森の中。
そこには1匹1匹が2mほどの大きさの十数匹の狼達とその狼達に囲まれている齢15にも満たない少年がいた。
狼達はその少年に獲物を見るかのようなギラついた視線を送り、ヨダレを垂らしながら1歩、また1歩と少しずつ距離を縮めていく。
一方、囲まれている少年は狼達に囲まれているのにも関わらず、意にも介した様子を見せず、手を口にあて欠伸をしていた。
少年が欠伸をし終えた直後、少年の右斜め後ろにいた狼が少年に飛びかかった。
その狼は少年の死角をついたはずだった…いや、確かに死角はついた、死角をついたのだが少年は狼が飛びかかってくるのを分かっていたかのようにその場から大きく1歩下がり、狼を避けた。
しかも避けただけでは留まらず、少年は自分が先程まで立っていた場所を通り過ぎて行く狼の腹を右足で蹴り上げた。
その時の少年の右足の膝から下は黒く変色していた。
ゴキゴキッと生々しく骨が折れる音が響きわたった。
常人の脚力、ましてや齢15にも満たない少年の脚力では普通2mを越す狼を蹴り飛ばすことはできない。
少年の体格は極一般的だ…強いていうならば少し痩せ気味だ。
しかしその少年はやり遂げた。
蹴り飛ばすだけではなく、骨まで折った…。
他の狼達は仲間を殺られたからか、先程まで見せていた獰猛さが一段と増し、一斉に少年に飛びかかる。
しかし少年は口角を釣り上げるだけで今度は動こうとはしない…。
狼達が少年に届く間際、少年を中心にビリビリと大気が震えたかと思うと狼達がバタバタと泡を吹きながら倒れていく。
少年は「ふぅ…。」と小さく息を吐くと、親指と中指を使いパチンッと綺麗な音を鳴らし、歩き始める。
すると倒れている狼達は気を失ったまま宙に浮き、歩き出した少年の後ろをついて行った。







僕がこの森に漂流してからもうすぐ1ヶ月が経つ。
僕は現在、この無人島の丘にある昔誰かが住んでいたであろう家に住んでいる。
この家にはいろいろな物が揃っていた。
キッチンにベッド、暖炉もあれば、鍋やマッチ、包丁などの小物まであった。
食事は狩猟や採取をして、健康的な食事をとっている。
当初は採取ばかりをしていたのだけど、僕の身体の異変に気が付き、それからはその能力を活かせるように修行をしながら狩りをしている。
僕は身体の異変の理由に心当たりがある。
その心当たりは僕が漂流して意識を失う前に食べた黄金色の不味い実だ。
それは悪魔の実と呼ばれるものだ。
昔、父さんから聞いた。
悪魔の実…別名、「海の悪魔の化身」と言われる果実で、食べた者に特殊な能力を授ける実である。
悪魔の実の図鑑を見たところ僕の食べた悪魔の実は動物系に含まれるものだと分かった。
ヒトヒトの実…僕は最初落胆した。
人がヒトヒトの実を食べてどうするんだ‼︎と……だけど僕が食べた実は動物系の中でも珍しい幻獣種であり、モデルが神であった。
ヒトヒトの実・幻獣種・モデル‘‘神”は動物系でありながら、自然系の能力と同じように体を原形を留めない自然物に変えることで、通常の物理攻撃を受け流し無効化することができ、広範囲に及ぶ自然現象に近しい攻撃を放つことができる。
神の扱える自然現象…それはこの世界に存在するすべての自然だ。
しかも僕は獣化、獣人化になることで空だって飛ぶことができる。
それにヒトヒトの実・幻獣種・モデル‘‘神”を食べた者にはあらゆる才能が宿るらしい。
実際、僕はこの無人島に漂流してから1ヶ月で武装色と見聞色という覇気と言われるものと、この家に住んでいた人が残したであろう剣術と武術の研究書を見て奥義以外は全てマスターした。
僕には覇王色の覇気と言われるものもあるらしいのだが、自分自身の力がまだまだなため制御はできるものの力が弱い。
奥義はもう1ヶ月があれば習得できるだろう。
実を食べてショックだったのは自分は10年に1歳しか歳をとることのできない身体になったことと、昔から泳ぐのが大好きだった僕がカナヅチになってしまったこと、そして食べる量が尋常じゃないほどの量なこと。
実際に今大量の狼を狩ってきた。
ヒトヒトの実・幻獣種・モデル‘‘神”が珍しいとされる理由は実を食べたものが長寿になるため、手に入ることがほとんどないこと。
伝説とまで言われた実らしい。
僕はこの能力を使って自分の家に帰るんだ‼︎
でも今はまだダメだ。
家に帰れるほど獣人化、獣化を保つことができないし、家に帰ってもまだ父さんと母さんを守ってやることができない。
だから待っててね…父さん、母さん。
僕は強くなって帰るから‼︎





 
 

 
後書き
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