魔法少女リリカルなのはSCARLET ~紅い狼の伝説~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第4話 父親がそうなら、母親も・・・ねえ?
前書き
PCぶっ壊れました。
ハードディスク取っ替えました。
orz・・・・・・・・・・
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「え、ええと・・・」
俺は無言。桃子さんも無言(+笑顔)。なのははオロオロ。
・・・何?このカオス・・・
「・・・・・・ああ。おかえり、なのは」
「あ、うん。ただいま・・・ってそうじゃなくて!」
返事を返したなのはは、俺の方に詰め寄ってきた。って近い近い!
「どうして司君がここにいるの?今日は朝から一日中、病院で検査って聞いたのに・・・」
納得。なのはは、検査で出かけていたはずの俺がここにいることに疑問を持っているらしい。
ああ、だから俺が平日なのに学校に行ってないことを、桃子さんたちが疑問に思わないわけか。
と言っても、実際に検査なんてあるわけがないし・・・ふむ。
「午前中に検査は全部終わったんだよ。それでやることもなくて暇だったから、とりあえず家に帰ったところを士郎さんに拾われて、そのまま翠屋で恭也さんとを稽古をしてたってわけ。OK?」
必殺、自然な顔で嘘を平然という攻撃!
「う、うん。なんとなくわかったの」
うそつけ、ほとんどわかってないだろ。
「とにかく、検査自体は直ぐに終わって暇だったから、翠屋にいるんだよ。今日から恭也さんに稽古つけてもらう予定だったし」
「そうだったんだ・・・」
「おや?なのは、帰ってきてたのか」
そんなやり取りをしているうちに士郎さんと恭也さん登場。
「お兄ちゃん、パパ、ただいまなの!」
「おかえり、なのは」
笑顔で返す士郎さん。だがそれもつかの間、士郎さんは恭也さんと揃って俺の方に歩み寄ってきた・・・ってああ、さっきの稽古のことか。
「司くん、いきなりで悪いけどいいかな?」
「ええ。何ですか士郎さん?」
「では早速・・・さっきの戦い方だが、司くんはあれをどこで習ったんだい?」
やっぱりそのことか。
まああんな戦い方ができる九歳児なんて、世界中どこを探してもそうはいないもんな。
何のことなのか知らない桃子さんとなのはさんは頭に?マークを浮かべている。
「えっと、パパ?戦い方って?」
「ああ、なのははさっき帰ってきたばかりだったから知らなかったね。いや、さっきの恭也との稽古での司くんの戦い方がね、少しばかり・・・・・・危なっかしいものだったから注意しようと思っていたんだ」
士郎さんはそう言っているが、本当に知りたいのは、どうして俺が錬鉄の弓兵もどきの戦い方ができたのか、だろう。
「それで司君、結局どうなんだい?」
「ああ、あれですか。別にたいしたことないですよ。マンガのキャラの戦い方を真似てみただけですし」
うん、俺は間違ったことは言っていないぞ。
確かにあの戦い方はFateをじっくりと見て、俺が練習して完成させたものだし。
「マンガのキャラクター?」
「ええ。バトルが多いアニメとかマンガとか読んで、それの動きを真似てみただけなんです。体捌きとかも、アニメを見ながら練習したりして、それっぽく動いてみただけですよ」
「・・・・・・」
うん、信憑性ゼロだね!
ただアニメの真似をしただけで恭也さんとまともに戦えるわけないものね!
でも本当だよ?これが俺が転生する前から出来た自慢できることの一つだから!
「まあ司君が言うなら、そうなのだろう。いやぁ、見事だったよ。少し見ない間に、よく成長したものだ」
あら?疑わないの?まあ、それならそれで好都合だけど・・・
「いえいえ、それほどでも」
「しかし、だ」
俺が謙遜すると、士郎さんは何か納得できない様子で言った。
「あんな無茶をする戦い方は、あまり勧められないな。君はまだ子供なんだから、あんな風にわざと隙を作ったりすれば、それが大怪我にもつながる。体が出来上がるまでは、あんな戦い方は二度としないように。わかったね?」
やはりさっきの戦い方は見逃せなかったらしい。
まあ実際、俺もあんな戦い方、滅多にしないんだけどな。
「わかりました。次からは気をつけます」
「ん、ならいいんだ」
俺の言葉を聞いて、士郎さんはようやく納得したようだ。
恭也さんも納得したらしく、うんうんと頷いてるけど・・・本当に信用してるの?
「それにしても、あんな無茶をするようになるとは・・・・・・司君も、夕華さんに似てきたのかな?」
「夕華さん・・・・・・」
そんな名前は聞いたことがないけど・・・いや待てよ、確か、家で俺の親について調べてる時に、そんな名前を見たような・・・あっ!
「夕華さん・・・俺の母親に、ですか?」
「そうそう。司君に似て夕華さんも、仕事場じゃあよく無茶をしていたからなぁ」
『紅神夕華』、俺の母親で、紅神達也と結婚した、と神様が設定している俺の家族。
だがあのじいさんのことだ。
きっと俺の母親も、なにかとんでもない仕事をしていたに違いない!
「あの・・・母さんは、どんな仕事をしてたんですか?」
「いや、夕華さん自身はあまり仕事で動かないんだけどね・・・その・・・」
うん?動かないんだったら、そんなに隠すようなことじゃないんじゃないのか?
「なんて言ったらいいのかな・・・ええっと・・・夕華さんは、ねえ・・・」
・・・・・・なんとなーくだが、ヤバイ事をしてたというのは伝わってきた。
「もしかして・・・人には言えない仕事をしてたんですか?」
「い、いや!そんなことはないんだが・・・・・・う~ん・・・・・・・・・土木関連で働く人たちをまとめる役割をしていた、と言ったら察してくれるかな?」
・・・・・・ああ、なるほど、893な人たちのボスですね、わかります。
「大体わかりました・・・もう大丈夫です」
「そ、そうか。それならよかったんだ」
いや、よくはないですよ?
一応あなたの目の前にいるの、893な人たちをまとめてたボスの息子ですからね?
あ、もしかしたら、跡取りとかの問題も、そのままにしてるんじゃ・・・
「マジかぁ・・・」
さて、今日一日でわかったこと(人間関係編)を、みなさんに分かりやすく説明してみよう。
其の一、俺は情報屋な父と893な人たちのボスな母の間に生まれた息子である。
其のニ、俺の両親は半年前に他界、俺自身もそのショックで記憶を失っている『設定』になっている。
其の三、両親が他界してから、俺の面倒はかの戦闘民族『高町』の皆さんが見てくださっている。
と、まあこんなところだが・・・
「(俺、転生しても平和に暮らせないのかな・・・)」
士郎さんに会ったあたりから薄々気がついていたけど・・・俺、どんなに頑張ったところで平和に暮らせそうにないです。
いや、だってそうでしょ?両親と親戚、どっちもブラックな世界の住人で、尚且つそこの娘さんがこれから『魔法』なんてとんでもないものに関わっていくんだよ?
そんな人たちの近くにいる俺に、何も起きないなんていう奇跡、あるわけないよね?
「俺、なんで記憶を失っちゃったんだろうな・・・」
「あははは・・・・・・」
桃子さんの苦笑いが、今だけはとても重~く感じた。・・・いざって時は、この人たちに頼れば、いいよな?
最早自分一人でどうにかして生きることを諦めた俺は新たに、周りの人達を頼りながら生きていく決意を固めたのであった。
それは、転生してわずか六時間後のできごとであったそうな。
✽
まあそれから後は、特に変わったこともなかったので、なのはが学校であった出来事を報告し終えたのを確認してから、俺は自宅に帰ることにした。
―自宅にて―
家に帰ってきた俺は、もう夕方になっていることもあり、すぐに晩飯の準備を始めた。
意外だと思われるかもしれないが、これでも転生前は自炊をしていたんだ。某正義の味方以上に、料理には自信がある!。
幸いにも、冷蔵庫にはある程度材料が入っていた。
これならレシピに困ることなく料理をすることができるだろう。
「(肉じゃがに・・・あとは簡単なサラダかな・・・)」
本当はもっと凝った料理もできなくはないけど、今日だけでいろいろあって疲れたから、簡単に作れるもので済ませるつもりだ。
・・・よし、早速取り掛かるか!
✽―二時間後―
「・・・ごちそうさまでした」
うむ、我ながらいい出来であった。
たとえ転生しても、料理の腕は落ちないものなんだな。
『♪~~♪~~』
「うん?」
料理の後片付けをしていると、机の上に置いた携帯電話から、着信音が聞こえた。
「・・・電話?一体誰から・・・・・・」
転生してから、俺はまだ誰にも番号を教えてはいない。
まあ、高町家の皆さんなら番号を知っていてもおかしくないけど・・・・・・・・・非通知設定か・・・・・・
「・・・・・・」
間違い電話、それくらいしか考えられないが、なんとなく、電話に出ないといけないような気がしたので、通話ボタンを押した。
「・・・・・・もしもし」
『ああ、やっと繋がったか!ワシじゃワシ、お主を転生させた神じゃ!』
神?んなバカな。
「・・・・・・神様なら、俺の家族構成を余さず言ってみろ」
『半年前に死んだ情報屋な父、893のボスな母、そして現在は高町一家に厄介になっている、で、それがどうかしたのかのう?』
「はい本物ですね、すみませんでした!」
電話で話しているのに、俺はその場で頭を下げた。
いや本っ当にすみませんでしたぁ!
『別に頭を下げんでもいいじゃろ、まあ・・・ワシを尊敬するのは感心なことじゃが、そういう誠意はワシの目の前でやってこそ意味をなすものじゃぞ?』
「今すぐお前の目の前に行って俺を転生させたことを後悔させてやろうか、糞ジジイ!」
今までの発言を全部撤回する!
コイツに頭なんて下げるべきじゃなかった!
てか、見てんのか!?見てんのか!?クソッ、どこから見てやがる!
『じょ、冗談じゃよ冗談。お主もいちいち本気にするでない!』
「煽ってんのはそっちだろうが!」
『じゃからそれにお主もいちいち反応するでないと・・・・・・スマン、そんなことを言っとる場合ではなかったわい』
いきなり調子に乗ったと思ったら、今度は急に冷静になりやがった。
「何だ?悪いけど、俺は転生したこの世界で強く生きていくって決めたんだ。もうこれ以上おr『そう決心したところ悪いのじゃが、お主はこのままでは日常はおろか、まともに生きることすらできんぞ?』・・・何?」
まともに生きることができないって・・・んな馬鹿な。
「おい、じいさん。どういうことだよ?」
「・・・はぁ~やっと聞く気になったか。いいか?よ~く聞いておくんじゃぞ?」
そう言ってじいさんは電話越しに一呼吸置いて話し始めた。
「何だよ?勿体ぶらずに早く教えてくれよ」
『・・・・・・本当ならお主が転生してすぐに伝えておくべきじゃったんじゃがな・・・・・・・・・・・・・・・『ビースト』が、お主の世界に侵入しておる』
・・・は?ビースト?なんだそれ・・・・・・って!
「・・・・・・ッ!!!」
じいさんの言葉の意味を考えたその瞬間、俺の頭の中に『ナニか』が流れ込んできた。
いや、俺の頭の中に隠れていた『ナニか』が頭中に一気に溢れ出した。
「これは・・・何だ?・・・俺の・・・・・・・・・」
頭の中に流れてきたそれは、断片的な、映像だった。
✽
「離せ・・・・・・・・・■■■を、■■■を離せぇッ!」
「はっ、貴様は何を言っているんだ?裏切り者、そしてその仲間を抹殺するのは当然のこと、だろう?」
「この・・・・・・クソビーストがぁああああああああああああああ!!」
「フン、貴様もその『ビースト』だろうが・・・・・・いや、違うな。貴様はビーストでありながら人間如きのために力を使った『劣悪品』、貴様はビースト以下だよ『スカーレット・ウルフ』」
「う、ウァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
✽
「これが『思念具象化システム』。通称『H.E.A.R.T.(S)』システム、俺たち人間が『ビースト』に対抗できる、唯一の力だ」
「こいつが・・・・・・・・・」
「・・・・・・フッ、何だ?まさか、自分と同じ『ビースト』を殺すのに抵抗があるのか?」
「そんな感情はとうの昔に捨てた。もう決めたんだ・・・・・・ビーストは、俺の手で全員ぶっ殺す!」
「・・・いきがるのはいいがな、勝手に死んだりするんじゃねえぞ?お前はもう、俺たちの『仲間』なんだからな」
✽
「・・・・・・・・・・・・ッはぁ!」
「・・・・・・『フィルター』が少し外れたようじゃの。気分はどうじゃ?『スカーレット・ウルフ』」
「・・・・・・ああ。ったく、胸糞ワリイものを思い出させやがって」
・・・・・・思い出した。思い出してしまった。
俺が転生する前に経験したあの出来事を。
そして・・・理解してしまった。
あの忌々しい『ビースト』がこの世界にいれば、どんなことが起きてしまうのか。
だが、何故なんだ?
「なんで・・・なんでビーストがこの世界にいるんだよ!アイツらは、俺が全員殺したはずだ!」
「確かに、『あの世界に残っていたビースト』は、お主の手によって全滅した。じゃが、お主が全滅させる以前に生きていたビーストの一部は、お主の手の届かぬところへ逃げたんじゃよ。・・・どこだと思う?」
「・・・・・・・・・」
「この世界、つまり『平行世界』じゃよ」
後書き
お、おわったぁ・・・・・・・・・
修理に出してるPCが帰ってくるまでは、投稿間隔もこれぐらいになりそうですが、ご容赦ください
ページ上へ戻る