ヘタリア大帝国
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TURN92 パルプナ=カラードその四
「安心してね」
「そうなの」
「提督として戦ってもらうけれどね」
このことは申し訳なさそうに言うマリーだった。
「それでも大丈夫だからね」
「私が戦う」
「枢軸軍が来るからね」
だからだというのだ。
「戦ってね」
「無論私達も一緒です」
イギリス妹も言う。
「共に戦いましょう」
「一人じゃないし、嫌だったらいいから」
マリーのこの言葉は独断である、しかしあえて言ったのである。
「無理もしなくていいから」
「レディ、どうされますか?」
モンゴメリーは騎士らしく毅然とした礼節を以てパルプナに優しく言った。
「貴女の望むままに」
「私が戦ったら何が」
「南アフリカ臣民の権利を保障します」
モンゴメリーは確かな声で答えた。
「女王陛下の命により」
「女王?」
「はい、そうです」
「まず俺が今保障するからな」
国家であるイギリスの言葉だ。
「だから安心してくれよ」
「私だけじゃなくて」
「ああ、ここの皆もだからな」
まずイギリスが保障したのだった。
「安心していいぜ」
「私が戦えばさらに」
「ああ、さらにだよ」
今度はセーラも保障するというのだ。
「だから安心してくれよ」
「皆を大事にしてくれるのなら」
パルプなのその言葉が動いた、感情がそこにあった。
「私、皆の為に」
「戦ってくれるのですね」
「はい・・・・・・」
イギリス妹の問いに小さくこくりと頷いて返す。
「私が役に立てるのなら」
「よし、じゃあ頼んだぜ」
イギリスは微笑んでパルプナに話した。
「じゃあ今から一緒にティータイムにするか」
「お茶?」
「ああ、紅茶にお菓子な」
そういったものを一緒に飲んで食べようというのだ。
「一緒にどうだよ」
「祖国さんと一緒に」
「当たり前だろ、これからは一緒に戦うんだからな」
イギリスは今度は気さくな笑みだった。
「だったら当然のことだよ」
「私達は戦友になるのだよ」
モンゴメリーの笑みは優しい、彼も貴族、しかも門閥貴族の出だがそれでもその権門はかなりのものだ。
だがやはり彼は騎士だ、しかも心正しい。それ故にパルプナを公平に見てそのうえで彼女に言ったのである。
「だから当然だよ」
「じゃあ」
「どうするのかな、それで」
「お願い・・・・・・します」
パルプナは小さな声で答えた。
「それで」
「よし、じゃあ決まりだな」
「今からお茶を淹れますので」
イギリス兄妹が笑顔で応える。
「お菓子は俺が作ってるからな」
「えっ、祖国さんのなの?」
マリーはあえて嫌そうな笑みを作ってイギリスに返した。
「祖国さんのスコーンもサンドイッチもまずいからね」
「おい、マリーさんまでそう言うのかよ」
「だって本当にまずいんだもん」
「では私が作ったものを出します」
イギリス妹がすかさず言う。
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