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中二病が主人公になったら?

作者:アガセ
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第3話

「もう一度言うぞ?オレは...切れたナイフだよ!!」

雲隠れの忍の頭の中↓

切れたナイフ→折れたナイフ→・・・ゴミ?

「要するに、使えないってことだよな?」

・・・・・・。

「うるせぇ!醤油で溺れて死ね!!!
(Σ( ゚∀)ゲッ!!ノリで出○哲郎っぽいこと言っちまった!(汗)何とか誤魔化さねば...!)」
「(なんだコイツ。そうとう頭イカれてやがんな・・・)」

どうやら、もう手遅れのようだ・・・。

「フ、フンッ!!貴様が抱えているその子を返して貰おう!!!」
「テメェみてぇなガキがオレに敵う訳なかろう。」
「オレはガキじゃねえ!精神的には18歳!!」
「アレが18歳の吐くセリフなのか?」

・・・・・・.orz

「ヒョヒョッwwめっちゃ落ち込んでやがんのwww」
「黙れぇ、羽蛾ぁ!!!」
「・・・って誰だ?」
「・・・・・・ま、まあいい。
この世界でこのネタが通じないのはしょうがない。
気を取り直して・・・その子を返してもらうぞ!!!」

そう言うとナルトは駆け出し相手を蹴り上げようとするも、
男はバックステップでそれを躱しクナイを投げる。
ナルトは蹴り上げた足の勢いを利用してそのまま蜻蛉返りしてクナイを躱し、
右足が地に着くのとほぼ同時に地を蹴り、再び相手に殴りかかった。

・・・しばらく体術の応酬が続く。
具体的に言えば、相手の突きを内受けし、蹴りを入れる。
しかし、それに対し男は右に半歩移動して躱し、回し蹴りを放つ。
そこで、左払い受けから踏み込んで上段突き・・・というカウンターの応酬である。
しかし、長く続くと思われたそれは意外と早く終わりを迎えた。

ナルトが相手の中段目掛けて左に捻りを入れた渾身の右ストレートを放ったが、
男はナルトの右手首を掴み、その捻りを利用して関節を極めつつそのまま背負い投げをし、
ナルトを地面に思いっきり叩きつけた。
その瞬間、ナルトの腕から鈍い嫌な音がした。

「ギャアアア!腕がぁぁぁ!」

ナルトは痛みのあまりに突風にあおられて木の枝が悲鳴をあげるような悲鳴をあげた。
男はあらぬ方向に曲がっているナルトの腕を見たあと、
気味の悪い笑みを浮かべながらナルトに顔を向けた。

「どうした?この程度か?それで終ぉわぁりぃ?ヒョヒョヒョッwww」

ナルトとしてはこういった展開になることを半分は予想出来ていた。
予想出来なかった部分は思ったより早くピンチになってしまったことである。
当初の予定では『少なくとも日向家の者が到着するまで時間稼ぎをする』はずだった。
しかし、片腕、しかも利き腕がやられてはこれ以上足止めすることは
ほぼ不可能になってしまったのである。
ちなみにだが、『輪廻眼はデザインがカッコ良くない』という理由から
全く使う練習をしてこなかったため、使えないのである。
まったく・・・ホント救えないバカである。

「さぁて、どうしようかなぁ。
コイツの首を切り落として里に持って帰ってもいいんだぜぇ。
ほらほらぁ~お前が頑張らないと、この子の頭が体から離れちゃうぜぇ~?ヒョヒョヒョwww」

そう言って男は笑みを浮かべながらヒナタの首にクナイを突きつけた。
ヒナタの首からうっすらと血が流れ出す。

男は先程から挑発をし余裕をこいているが、
一方、ナルトは腕どころか脚すら思ったように動かすことが出来ないでいた。
それもそのはず。
スタミナが切れているのもそうだが、
何より腕を折られたことによるショックが
ナルトの体に一時的なイップスを引き起こしてしまったのである。
しかし、ナルトは前世で極度のイジメを受けても幾度と無く立ち直ってきた人である。
(もちろん、イジメの原因は『中二病』である。)
ナルトは、その培ってきた精神力でイップスの打破を試みる。

"頼むから動いてくれよ、オレの体!
オレは『ダークフレイムマスター』なんだろう?
『ダークフレイムマスター』ともあろう者が最低限の仕事すら出来ないでどうする!"

しかし、そう簡単に克服出来るものではなかったようだ。

"チクショウ、『邪王真眼』さえ使えれば。ち、チクショウ・・・。チクショウ・・・!"

「チクショォォォウ!!!」
「ヒョヒョヒョ~~~死ねぇ!!!」

そう言いながら男はクナイを逆手に持って襲い掛かってきた。
ナルトはもうダメだと思い、目をより見開いて絶叫する。
振り下ろされたクナイがナルトの頭に刺さろうとした瞬間、
見えているもの全ての光景が止まった。



「・・・は?」

しばらくナルトは目を開けたまま気絶していたようだ。
気がつくと、目の前で襲ってきた男がまるで一時停止したかのように固まっていた。
この理解出来ない状況に、思わず首を傾ける。
とりあえず状況把握をしようと思い、周りを見渡す。
するとどうだろうか。
2人の所作により舞い上がっていた落ち葉が空中で静止しているのである。
この状況、ますます理解出来ない。


あれから30分が経過した。
そしてついに、この現象の原因がわかったのである。
それは、ナルトの忍具ポーチに入っていた手鏡で自分の顔を見たときに発覚した。
ナルトの目がいつもの碧眼でも輪廻眼でもなく、
黒と赤で雪の結晶のようなものが描かれている眼になっていた。

「こ、これは・・・邪王真眼!?」

違う。万華鏡写輪眼である。

「もしかして、時間が止まっているのは『月詠』を発動したから・・・か?
・・・オレTUEEEEE!邪王真眼TUEEEEE!」

だから、万華鏡写輪眼である。

「ということは、この幻術世界においてオレは何でも思い通り、ということだな。
それじゃあ、まず右腕を治して・・・と。」

右腕が治るイメージをすると、ものの見事に治ってしまった。
飛び出していた骨が"シュコン!"という音を立てて元の位置に戻り、
傷がみるみる治っていくのである。
傍目から見れば、めっちゃキモい。

「んじゃ、右腕も治ったんで、いっちょやりますか!」

そういうとナルトは目の前でフリーズしている男を磔にして、

「そして、時は動き出す。」

と言うと、男の意識が戻った。

「・・・ヒョッ?何が起きてんだ?」
「目が覚めたか、愚民よ。」
「あ゛あ゛!?テメェ、何で動ける!?しかもオレ動けねぇし。」
「フン。貴様何ぞに答える気は毛頭ない。
今までやられた分、やりかえしさせて貰うぞ!」

そう言うと、ナルトはどこからか遊○王にしばしば登場する『デュエルディスク』を取り出し、

「『速攻の黒い忍者』を召喚!」

と叫ぶと、目の前に煙が立ち、中から黒い忍者が現れた。

「お呼びでゴザルか?ご主人。」
「・・・シャベッタァ!?」

ナルトはつい奇声を上げてしまった。
しかし、ナルトにとってそれは無理もないことだった。
なぜなら、本来モンスターとは喋らないものだからである。

「拙者の名は、イ○ロー・モリタ。
ネオサイタマシティーから来た『NINJA』だ。」
「・・・よりによってニ○ジャスレイヤーのキャラじゃねえか(汗)
まあいい。とりあえず、あの男に攻撃してくれ。」

男に向かって指を指してそう言うと、

「御意。貴様には悪いが、我が愛刀『ベッピン』の錆になってもらう!」
「や、やめろ!オレなんか切ったっt『黙れぃ!イヤー!』アイエー!」

男は左肩から右脇腹にかけてバッサリと斬られ、大量の血を流し始めた。
そこですかさずナルトは、

「まだオレのバトルフェイズは終了してないぜ!
速攻魔法!『狂戦士の魂(バーサーカーソウル)』!
手札を全て捨て、効果発動!
コイツはモンスターカード以外のカードが出るまで何枚でもドローし、墓地に捨てるカード。
そしてその数だけ、攻撃力1500以下のモンスターは追加攻撃ができる!」

そう言うと、ナルトはデッキに手をかけた。

「さあいくぜ!まず1枚目、ドロー!モンs・・・」

(チラッ 『強欲な壺』)

「・・・・・・・・・。」
杏○「もうやめて!遊○ぃ!」
「HA☆NA☆SE!オレはまだ何もやってない!つうか、どこから湧いてきた、オマエ!?」
「・・・さらばだ御主人!」
「ま、待てぇー!!」

すると、目の前にいた黒い忍者は煙玉を使い、煙と共に消えてしまった。
それと同時に、ガラスが崩れるような音と共にこの幻術世界が崩壊し、
元の世界に戻ってしまった。

「ど、ドリームタイムが終わってしまった・・・orz」

しかし、ガッカリしている暇はない。
雲隠れの男が起きあg「と思っていたのか?」・・・って来なかった。
どうやら、あの黒い忍者の1斬りで十分だったらしい。
という訳で、意外な形で終わってしまったが、とりあえず一息。


あれから少し休憩して息を整え終えたので、
ナルトはヒナタを抱えて木の葉の里へ向かうことにした。
満身創痍でありながらもそうする理由は、
敵方の増援が来ないとも限らないからである。
今、原作には詳しく載っていない部分を生きているので、
不確定要素しかないこの場面ではそうするのが最善だと考えたのである。

ナルトはすっくと立ち上がり、
地面に寝転がっているヒナタを左腕で抱えて走り出した。


しばらく走り続けていると、こちらに白い目をした者が向かってきているのが見えた。
白目の男に声をかけられる。

「君は・・・」
「オレの名前は、うずまきナルト。
たった今、日向ヒナタの救出を無事終えました。」
「(こんな小さな子に助けられるとは・・・。)
私は日向家当主、日向ヒアシだ。
この度は私の娘を助けてくれてありがとう。」
「いや~、散歩してたら偶然見かけただけなんで別に。
(いや、ホントは知ってたしww)」
「こんな小さな子がこんな時間に散歩するのか?」

・・・・・・。
しばし二人の間に沈黙が流れる。

「い、いや~ホントのこと言うと、この同盟はどこか怪しい感じがしたので
ちょっと探ってみたらこんな感じに(汗)」
「・・・フム。」
「まあ、日向家の人が絶対来ると予想していたので、
オレでも一応時間稼ぎくらいなら何とか出来ると思いまして。
そ、それより、提案ですけど攫おうとした雲隠れの忍は殺さないほうがいいと思いますよ?
恐らく殺しちゃうと雷影が難癖つけてきて木の葉と戦争になるかもしれませんから。」
「なるほど。
わかった、一先ずそやつを火影様に突き出すことにする。
その後については他の者と要相談することにする。
・・・ところで君、見たところ満身創痍のようだが、大丈夫かね?」
「いや、大丈夫じゃないっす。
正直、立っているのもキツいので、図々しくて申し訳ないんですけど
木の葉病院まで連れて行って貰えませんか?」
「それぐらい容易い御用だ。
こちらには助けて貰った恩があるからな。」
「ホントすみませんm(_ _)m」

こうして、ナルトはヒアシに抱えられ、病院に運ばれていったのであった。 
 

 
後書き
※『醤油で溺れて死ね!!!』は『デ○ジャラスじーさん』のネタですwww
いや~読んでいた頃が懐かしいwww 
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