転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
魔法先生ネギま!
0402話
混沌精霊へと生まれ変わり、目が覚めた翌日。俺の姿は飛行魚が修理をしている場所から1km程離れた岩山にあった。そして少し離れた所では、あやか、千鶴、円、美砂、茶々丸といういつもの5人にここで合流した……と言うか、見つけてしまった古菲の合計6人の姿がある。
一応俺の混沌精霊としての能力を確認するというのが目的なので、念の為に全員が千鶴の守護領域の中に入ってもらっている。
「さて、まずはこの姿だな」
昨日起きた時は色々とあって気が付かなかったのだが、基本的に年齢詐称薬は何日も効果は保たない。それなのに、俺が眠ってから2週間経つというのに大人の姿のままだった。これが何を意味するのか。
俺の予想が正しければ……
そう思いつつ、既にこの数ヶ月で見慣れてしまった幼児姿の自分の姿を思い浮かべてその姿になるように念じる。
すると俺の足下から炎が現れ、それが足を伝い、太股、腰、胴体、首、顔、頭へと燃え広がり……次の瞬間には予想通りに麻帆良で過ごした10歳児の姿へと変わっていた。
「なるほど、こういう感じか」
ご丁寧な事に服まで子供用に縮まっているというのを考えると、恐らくこの服もまた魔力で構成されているものなのだろう。
……何やら見学組の方からあやかの黄色い悲鳴が聞こえてくるが、それは取りあえず無視して……
「なら、これはどうだ?」
10歳の姿と20代の姿にはなれた。ならその中間をイメージして……
再度足下から現れた炎が俺の身体を伝わり、次の瞬間には俺の身体は10歳程に小さくはなく、20代程に大きくはないといった感じになっていた。
空間倉庫から鏡を出して確認してみた限りでは、大体15歳。それこそあやか達と同じくらいの年齢だろうか。
「後は……」
呟き、他の能力を確認していく。
呪文も無しにノーモーションで影を操り、炎を操る。影のゲートを潜り抜けて100m程離れた所へと姿を現し、口に魔力を溜めて永久石化光線を吐き出して倒木を石へと変える。
混沌精霊という今の俺は、どうやら異形化の上位互換のような存在らしい。本来は額から生えていた深紅の角を使って操っていた炎は異形化の時よりも早く、より熱量の高い炎を操れるようになっており、側頭部の角で操っていた影はより多く、鋭く、強靱に操れるようになっている。影のゲートに関しても、感覚的にだが転移出来る距離が異形化の時よりも伸びているような気がする。
そして次の検証をするべく誰もいない岩へと人差し指を向けて呟く。
「生命ノ宴」
その瞬間、岩に向けて指さしていた人差し指が炎と化し、その炎が数匹の蜂の形を取って岩へと向かっていき……その岩を貫通した。同時に、指をパチンッと鳴らすと蜂は炎となって消滅する。
そう、今のは炎獣だ。本来であれば闇の魔法の術式兵装白炎ノ宴で使えるようになる特殊能力なのだが、何故か混沌精霊の俺は闇の魔法無しでこれを使える。
恐らくだが、闇の魔法が暴走した時に俺が白炎ノ宴を使っていた事から混沌精霊の能力として統合されたのだろう。
つまり。
『紅き焔』
たった今炎獣の蜂によって貫かれた岩へと向かって呪文を詠唱しないままに魔法を発動させる。すると次の瞬間には数mはあろうかという炎が岩を包み込み、次第にその岩を溶かして溶岩のような物へと変えていく。
どうやら焔ノ宴も使用可能か。
そう判断し、ふと気が付く。今、俺は間違い無く魔法を使った。だが魔神と化した時に俺の腕に嵌っていた魔法発動体は消滅しているのだ。それなのに何故魔法が使える?
暫く考えて、思いついたのは1つの可能性だった。即ち闇の魔法が暴走したあの状態から混沌精霊へと至る時にエヴァから貰ったあの魔法発動体を自分の身の内に吸収してしまったのではないかというものだ。それが正しいのかどうかは分からないが、魔法発動体無しで魔法を使っている以上はそう間違ってはいないのだろうと思う。
「……さて、次だ」
現時点でのある意味では最大の問題。それは即ち、異形化の状態ではないという事だ。現状では、少なくてもナギ・スプリングフィールド杯にキズクモの代表であるアクセル・アルマーとして参加するというのは不可能だろう。
それに何だかんだ言っても、ギルムの街に辿り着いてからずっと異形化の状態でいたのだからあの姿に愛着もある。
故に、想像する。額から伸びた深紅の角を。側頭部と後頭部から伸びた漆黒の角を。背から生えた魔力によって構成された羽を。想像し、創造する!
次の瞬間、先程子供の姿になった時のように全身が炎で包まれたかと思うと、俺の姿は見慣れた異形化のものへと変わっていた。ただ1つ違う所があるとすれば……
「尻尾、だと?」
腰にある違和感。それを確認してみようと後ろを見ると、そこからはまるで竜の尻尾のようなものが生えていた。
「いや、ちょっと待て」
俺が吸収したのは鬼神と悪魔だ。100歩譲って尻尾が生えるとしてもそれはヘルマンから生えていた悪魔の尻尾じゃないのか?
どこからドラゴンの要素なんて入ったんだ? 美砂に食べさせて貰った黒竜の串焼き肉が原因だったりしないだろうな。……まさかな。考えられる可能性としては、召喚魔法の契約を結んでいるグリからドラゴンの因子が流れ込んできたとかそういう所なんだと思うが。
そんな風に考えつつ、既に慣れた様子で羽を動かして空中へと浮かび上がる。同時に尻尾を動かしてみるが、どうやら俺の思い通りに動くらしい。
そのまま先程もやったように深紅の角で炎を操り、漆黒の角で影を操る。
だが……
「威力そのものは変わらないな」
異形化の状態になったとしても、操る炎の威力や影の数は混沌精霊の時と殆ど同じものだった。だが、いかにも魔族という姿に変身しても戦闘能力自体は変わらないというのはどうなんだろうな。敢えて言うなら混沌精霊に比べて角や尻尾が増えた分攻撃手段が増えたくらいか?
そんな風に思いつつ、羽ばたきながら守護領域を展開しているあやか達の方へと近付いていく。
「待たせたな」
「能力の確認はもう終わりましたの?」
「ああ。どうやら俺は人間からより上位の生物に一種の進化をしてしまったらしいな」
「……そう、ですの」
「驚かないのか?」
てっきり大騒ぎをするとばかり思っていたんだが。
だが、そんな俺の疑問にあやかは首を振って微笑む。
「あれだけの大事だったのですもの。最悪、アクセル君という存在が消えてしまう可能性があったのを思えば、例え人間以外に生まれ変わったとしても私にとっては文句無いですわ」
「そうね、確かにあの時の事を考えるとあやかの言ってる通りだと私も思う」
千鶴があやかの言葉に同意すると、他の面々も同様に同意する。
……古菲のみ何がなんだか分かっていない状況で場に流されているようにも見えるのだが。
「それにほら、どんなに姿が変わってもアクセル君はアクセル君だしね」
そう言いつつ、俺の右腕を抱きしめてくる円。
「あ、円ずるい。私も」
それに負けじと美砂もまた左腕に抱きついてくる。
両腕に感じる柔らかい感触に思わず笑みを浮かべながらも、飛行魚の方へと戻るのだった。
「お帰りなさい。……その姿を見た所では、どうやらナギ・スプリングフィールド杯に出場出来そうですね」
「ああ、何とかな。そっちにも色々と迷惑を掛けたみたいだが……」
そんな俺の言葉に、小さく首を振るリュボース。
「元々貴方達が賞金首であるというのを承知の上で契約を持ちかけたのですから、多少のトラブルは覚悟の上です。……まぁ、あんな数の精霊に襲われるとは思ってませんでしたが」
いつもの無表情な顔に珍しく苦笑を浮かべると、こっちの面々もまた同様に苦笑を浮かべる。
「それでリュボースさん、飛行魚の修理の方はどうなったのでしょうか?」
そんなあやかの質問に、リュボースは浮かべていた苦笑を消して頷く。
「その件で私がここで待っていました。修理は無事完了。船長はすぐにでも出発したいとの事ですが、構いませんか?」
「俺は特に問題無い。そっちは」
あやか達の方へと視線を向けるが、そちらでも特に問題は無いのか小さく頷く。
「あー、出来ればもうちょっと修行しておきたかったアルが……」
多少不満そうな古菲を除いては、だが。
「古菲さん。私達がこれから向かう場所はオスティアといって拳闘士の大会が開かれる場所です。それこそ、この魔法世界中から強い人達が集まってきますわよ?」
「本当アルか! ならすぐ行くアル!」
さすがあの問題児クラスの3-Aで委員長を務めているだけはあるというべきか、あるいは古菲の単純さに呆れるべきか。ともかくあやかの説得のおかげで飛行魚は無事出発する事が出来たのだった。
精霊の襲撃場所から出発して3日。オスティアまで残り僅かという場所まで来た時に突然茶々丸が反応する。
尚、茶々丸を含めてこの部屋にいる全員は年齢詐称薬を飲んでいつもの見慣れた幼女姿になっている。
「アクセルさん、皆さん。前方に高魔力反応を確認しました」
茶々丸のその言葉と同時に、俺も混沌精霊としての能力なのか飛行魚の前方でかなり高い魔力が発せられているのを察知する。
「オスティア祭が始まる寸前のこの時期に感じるこの魔力。嫌な予感しかしないな」
何しろ、俺やネギの放送で麻帆良から来たネギの仲間達がオスティアに集まっている筈だ。そしてその殆どが賞金首として手配されてる訳で……
「ですが、オスティア祭なだけにナギ・スプリングフィールド杯に参加する拳闘士や観客達の場外試合や乱闘という可能性もありますが」
そろそろオスティアに到着するという事で準備をするようにと俺の部屋へ来ていたリュボースが俺の言葉にそう返す。
「とにかく、甲板に行ってみましょうよ。そこからなら少しは様子を見れるでしょうし」
という円の言葉に従い、甲板へと向かう。
「あれ、くーちゃん?」
甲板へと出た俺達が一番最初に見た光景。それは甲板で驚いたようにオスティア方面へと視線を向けている古菲だった。尚、古菲は年齢詐称薬を飲むとリーチに違和感があるとかで普通に素のままだったりする。……それで見つかって困るのは俺達なんだが。
暇を持て余した古菲が甲板で身体を動かしているのはそう珍しい光景ではない。
飛行魚の修理が完了して出発してから3日。狭い船内にいるのはバカイエローの古菲にとっては苦痛らしく暇さえあれば甲板で型の稽古等をしている姿が見られたのだから。
その方向へと俺達も視線を向けると、そこにあったのは天から降り注ぐ巨大な雷。
「ちょっと、何よあの雷」
「データ検索……ヒット。恐らく大戦期に使用された対軍用魔法地雷の一種だと思われます」
「ちょっ、対軍って! なんでそんな物騒なのがこんな所に仕掛けられているのよ!」
茶々丸の声に、美砂が反応する。
それに答えたのはあやかだった。
「確かに普通の喧嘩でこんな大袈裟な代物を持ち出すとは思えませんわ。となると、リュボースさんの仰った喧嘩云々の可能性は低いでしょう」
「だからと言って、貴方達のお仲間が関わっているとは限りませんが」
リュボースの言葉に、確かに、と頷くあやか。
「ですのでアクセル君と円さん。2人で飛んでちょっと様子を見てきて貰えませんか?」
「え? 私も!?」
「当然です。もしアクセル君に何かあったらどうするつもりですか」
「私にアクセル君の盾になれっての!?」
「……コホン。まぁ、冗談はともかくとしていざという時に手が足りないと困るでしょう」
「ちょっ、今の絶対本気だったでしょ! ……あーもう。分かったわよ! 行ってくればいいんでしょ!」
くしゃっと頭を掻き、一端船内へと戻り1分もしないうちに現れた時には幼女ではなく元の円へと姿を変えていた。その四肢にもアーティファクトの純炎の涙を付けており、服装もまた、いつもの扇情的な踊り子風のものだ。
「ほら、アクセル君。さっさと行くわよ!」
「あ、ああ」
円が純炎の涙の効果で空中へと浮き上がり、同時に俺もまた羽を使って空へとその身を委ねる。
「取りあえず行ってくるが、一応可能性としてあっちが何らかの囮って事も考えられるから警戒はしておいてくれ」
「ええ、もちろんですわ。……アクセル君、ご武運を」
あやかの声に見送られながら、俺と円は降り注ぐ雷の下へと向かうのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:15
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
撃墜数:392
ページ上へ戻る