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その男はインフィニット・ストラトスマン

作者:一方逃避
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『ふつう』である少年

 彼には四人の幼馴染みがいた。

 一人、それは世界最強の女。

 彼女は、彼が知っているなかで、誰よりも強かった。剣を構える姿は凛として、侍のような風格があった。そんな彼女は、本当に最強にまで勝ち上がった。

 彼女には、弟がいた。両親のいない状況で、時に厳しく、時に優しく接し、立派に育てあげた。

 唯一の家族だったからかもしれない。とても、大切にしていた。それゆえなのか、若干のブラコンだった。

 一つ、欠点を挙げるとすれば……掃除、洗濯等ができないところか。

 彼女の名前は、織斑千冬。

 世界最強のIS操縦者にして、ブリュンヒルデ。

 二人、なぜか女性を惹き付ける少年。

 彼はとにかく鈍感だった。誰が彼に好意を寄せても、それを気づかず、相手をやきもきさせていく。

 そして、家事が上手かった。姉が出来ないからなのか、料理等の腕をめきめきと上達させていく。

 彼は、姉と仲が良かった。姉と同じように、若干シスコンであるのかもしれない。

 彼の名前は、織斑一夏。

 世界で唯一の、男性IS操縦者にして、世界最強の姉を持つ弟。――そして、世界最強のフラグメーカー。

 彼が、一人の女性を決める日は、はたして来るのだろうか。

 三人、世界を震撼させた、希代の天才。

 彼女は、周囲に関心を持っていなかった。持っているのは、幼馴染みだけ。それ以外は、父親も、母親も周囲とまったく区別がつかなかった。

 ある日、彼女は世界を驚かせる。

 女性にしか扱うことのできないパワードスーツ、インフィニット・ストラトス、通称ISを開発したのだ。

 その日を境に、世界は一新し、女尊男卑の世界となった。

 そして、彼女は姿を消す。その行方を知る者はいない。たった三人を除いては。

 彼女の名前は、篠ノ之束。頭脳だけの天才ではなく、細胞からの天才。何を考えているのかよくわからない、扱いに困る人間。

 そして、彼と一番仲の良い人間。

 四人、長き想い人にやっと会えた少女。

 彼女はあまり、素直になれない。想いを伝えるよりも、先に手が出てしまう。想いを伝えられず、すでに恋のライバルは四人。

 文武両道の武士道少女。彼女の作る、料理は絶品。剣道の腕は全国優勝レベル。

 姉とは疎遠だが、分かりあえる日はきっと来る。

 彼女の名前は、篠ノ之箒。天才の姉を持つ少女、素直になれない、ツンデレ少女。織斑一夏に恋する少女。

 彼女の想いが届く日は、はたして……。

 そんな四人を幼馴染みに持つ、一人の男がいる。

 千冬と束と同い年。

 千冬と比べれば、とても弱い。
 
 束と比べれば、頭は悪い。

 一夏と比べれば、料理はできない。

 箒と比べれば、剣道なんてできっこない。

 そんな『ふつう』の青年だ。

 彼は、自分を『ふつう』と言う。

 テストをすれば、平均点。五十メートルを走れば、平均タイム。身長、体重、平均記録。

 周りから見てみれば、確かに『ふつう』だった。

 だが、彼の『ふつう』は時として、『異常』だった。

 『ふつう』を行うためなら、常識を逸し、それを『ふつう』と感じるなら、何がなんでもやりとげる。

 織斑千冬は彼を、『異常』な『ふつう』と言う。

 織斑一夏は彼を、『ふつう』に優しい人と評価する。

 篠ノ之箒は彼を、『ふつう』によくわからない人と印象づける。

 篠ノ之束は彼を、『ふつう』に大好きと感じとる。

 彼の名前は、細田(ほそだ)(れん)。独特の『ふつう』の基準を持つ男。才能を感じていたから、誰よりも『ふつう』を感じとる男。『ふつう』のことを『異常』にやる男。

 そして現在、篠ノ之束と共にいる男。

 『ふつう』に幼馴染みとして接し、『ふつう』に生活している男。

「れんくーん。箒ちゃんに、専用機届けに行きたいんだけど、手伝ってくれる?」

「もちろん手伝うよ、束。幼馴染みが困ってたら、手伝うのが『ふつう』だろ?」

「ありがと~。愛してるぅ!」

「ははっ、それは『ふつう』に嬉しいよ」

 ――そして、世界で唯一のIS人間。 
 

 
後書き
リハビリ的な感じなので、続くかは未定です。
アドバイス、感想などよろしくおねがいします。 
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