転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0395話
キズクモの予選で優勝して代表に選ばれてから1週間。……俺達は未だにキズクモにいた。ただし、以前とは違う宿だが。何しろ、あんなに俺が泊まっている宿の情報が流出してしまったのだから、あのままあそこに泊まり続けていればどう考えても営業妨害だろうという事で、女将に謝罪の意味も込めて少し多めに宿泊料金を渡してさっさと影のゲートで脱出したのだ。
その後は、闘技場でリュボースに連絡を取って新しい宿を紹介して貰って現在はその宿にいる。
ちなみに、宿を紹介して貰ったという関係もあってリュボースは既にあやか達と顔を合わせている。当初は色々と……と言うか、俺との関係を警戒されたリュボースだったが、幸いその目的はあくまでもキズクモ代表の拳闘士がナギ・スプリングフィールド杯で優勝をするという事だと理解したのだろう。今ではあやか達との関係もそれなりに良好だ。同時にそれは、リュボースが俺のマネージャーとして雇われる事を意味していた。まぁ、返事を先延ばしにしていたのはあくまでもあやか達との関係を心配したからであって、その関係が良好な以上は特に問題無しという結果になった訳だ。
尚、何で宿屋に缶詰状態のままで未だにキズクモにいるのかと言われれば、理由は簡単。まだレイジングに預けた時の指輪の解析が終わっていないからだ。まさかレイジングをオスティアに連れていく訳にもいかないので、その解析が終わるのを待っていた訳だが……つい昨日リュボースを通して連絡があって、今日の夜、店が閉店した後に来て欲しいとの事だった。
それを聞いて、明日の早朝にはオスティアに出発の予定となっている。
あ、それと俺が優勝を決めた後にも1度ネギのインタビュー放送が流れていた。明石と佐々木に対して呼びかけている放送で、オスティアで集合しようという内容だった。同時に、キズクモにいる俺へのメッセージもあり、自分達もオスティアで待つ、と告げていた。
どうやらネギ達も順調に戦いを勝ち抜いているらしい。
「さて、じゃあ俺はそろそろ行ってくるな」
周囲も暗くなり、レイジングとの約束の時間。部屋の中にいる6人へと声を掛ける。
……そう、6人だ。いつの間にかリュボースもまたこの宿に部屋を取って俺の部屋へと顔を出すようになっていたのだ。
「ええ、では私達は明日の準備を整えておきますわね」
「魔法球に関してはどうするの? まだここに置いておく?」
円の声に、テーブルの上へと置かれている魔法球へと視線を向けるが……
「まぁ、まだ使うかも知れないからな。一応置いておく。どうせ収納はすぐに出来るんだし」
高額だっただけあり、エヴァの魔法球と違って別個に台座の設置が必要無いというのは非常に大きい。魔法球その物で完全に機能が完結しているので、本当にこの魔法球だけがあればその全ての効果を発揮出来るのだ。
「では、行ってらっしゃいませ」
ペコリと頭を下げて送り出す茶々丸に小さく頷き、影のゲートを作ってズブズブと沈み込んでいく。
一応宿を移ったのだから普通に出入り口から出て行っても見つかる心配は殆ど無い筈だが、それでも一応念には念を入れた形だ。前の宿に関してもそうだが、どこからバレたのか全く不明だからな。
と言うか、魔法世界の面々は俺なんかのファンになってどうするつもりなのやら。
より厄介なのは、俺を追っかけてくる中にはナギ信者とまで言われる者達が存在しており、そいつ等の目的は自分達の憧れのナギ、あるいはナギの生まれ変わりであると目されているネギの敵である俺を前もって排除する事らしい。まぁ、ナギのファンクラブはかなりの人数が入っているらしいのでどうしてもおかしな奴は混ざってくるんだろう。……そう考えると、キズクモにいる俺よりもグラニクスにいるネギの方が大変かも知れないな。
そんな風に思いつつゲートで宿屋の外に出て街を抜け、やがて見慣れた店が見えてくる。レイジング魔法店だ。
CLOSEDの看板がドアノブに掛かっていたが、それを無視して店の中へと入っていく。
「レイジング、いるか?」
「おう、アクセルか。良く来てくれたな、待ってたぞ。早速だがこっちに来てくれ」
カウンターの向こうでレイジングが手招きし、店の奥へと入っていくのでその後を追う。
そう言えば店には何回も来てるが、カウンターの奥にある部屋に行くのは初めてだな。
「ちょっと待ってろ」
店の奥は普通の住居となっていたのだが、その途中でなにやら操作をするレイジング。すると……
「おいおい、マジか」
床の一部が動き、地下への階段が姿を現したのだ。
思わず驚きの表情でレイジングへと視線を向けると、そこではどこか得意そうな表情を浮かべながら笑みを浮かべている。
「魔法店を経営している以上は貴重なマジックアイテムが結構な数あるからな。その保管場所や今回みたいに効果不明のマジックアイテムの解析やら研究やらをする場所が必要なんだよ。まぁ、キズクモの街でここまでの規模の保管場所兼研究室を持っている魔法店は俺の所だけだろうがな」
趣味人ここに極まれり……とでもいうような感じだな。
「ほら、行くぞ」
階段を下りていくレイジングの後を付いていくと、やがて数分で地下室へと辿り着く。だが、地下にあったのは階段と繋がっている以外は壁に覆われている数m程度の部屋だった。
「レイジング?」
「落ち着け、ここからだ」
再びニヤリとした笑みを浮かべると、右側の壁へと手を付き何らかの呪文を唱え始める。すると次の瞬間、壁に魔法陣らしき物が浮かび上がったかと思うとそこに壁があったのがまるで幻か何かのように消え去っていた。
「俺の研究所にご案内ってな」
呟きながら部屋に入っていったレイジングに続くと、確かにその部屋は研究所と言われて頷けそうな様子を見せていた。部屋の大きさとしては12畳程度といった所か。ただし、多数の机やら実験器具やらで部屋の殆どが埋まっており自由に動けるようなスペースはあまり無い。
「ほら、こっちだこっち。あー、そうだな。取りあえずちょっとその辺の物を適当にどかして場所を作って座ってくれ」
「少しは片付けたらどうだ?」
「一応、ここは研究室だからこそこうなってるんであって、倉庫とか他の部屋は綺麗に片付いているぞ」
嘘か本当かは分からないが、取りあえず自分の座る場所を作る為にレイジングに言われたように片付けて座る場所を作る。同様に、レイジングもまた俺の向かいで自分の座るスペースを作っていた。
「よし、で、早速だがこれだ」
テーブルの上に置かれたのは正方形のケースに収められた時の指輪だった。
「解析は出来たのか?」
「単刀直入だな。……ああ。解析は出来た。これは、相当に凄い代物だぞ。と言うか、こんなのを20個も作った魔法使いがいるのなら是非直接会ってみたいくらいだ」
「だろうな。俺も会えるんなら会ってみたいよ。で、使い方は?」
「使い方自体は簡単だ。その指輪に魔力を流せばいいだけだ。……ただし」
「ただし?」
「俺の解析が正しいとすれば、普通の魔法使いに時の指輪を使う事は出来無いな」
ふむ、この辺はあのリッチの言ってた通りな訳か。
そう思いつつ、話の先を促す。
「理由は?」
「この指輪を起動させる為に必要な魔力がちょっと俺には想像もつかないくらい莫大な量だからだ。しかも、複数の魔法使いが協力して魔力を指輪に込めても起動しないだろう。あくまでも1人の魔法使いが起動に必要な莫大な魔力を込めないと無意味だ。……正直、確かにこの指輪を起動するだけの魔力があれば不老になる程度の事は出来そうだと思える量の魔力が必要な訳だ」
「なるほど。で、欠点らしき物はあったか?」
取りあえずの問題は、俺の魔力、SPで時の指輪を起動出来るかどうか……だな。
「ああ。その指輪の内側に刻まれている紋様があるだろう? それを解析してみたが欠点と言うか……もし莫大な魔力を使ってこの指輪を起動したとする。で、その指輪を1度誰かが嵌めてしまうと、指輪自体がその人物を自らの所有者として認識してしまうから、以後他の誰が指輪を嵌めても最初に指輪を嵌めた人物が生きてる限り不老の効果は発揮しない」
「……ちなみにだが、その指輪を起動させるのと嵌めるのは別人でも構わないのか?」
「ああ、それは大丈夫だ」
「他には?」
「いや、他には特にないな。しいて欠点を探すとすれば、指輪を起動する時の魔力である程度頑丈にはなるが、それはあくまでもある程度でしかないから想定外の衝撃が加われば破壊される可能性もあるって事と、指輪をどの指でもいいからきちんと指に嵌めていないと効果が出ないって事か」
「つまり……例えば、紐か何かに通してネックレスのようにしたら効果は発揮しない?」
「そうなる」
ホワイトスターに戻れば生身で実戦をするという事は殆ど無い筈だから余り問題は無さそうだが……一応注意しておいた方がいいだろうな。
「この指輪を1度起動させたら、以後は魔力は必要無いのか?」
「ああ、起動さえさせてしまえばその後は使用者から微量に漏れる魔力で十分維持が可能だ。正直、この時の指輪は発動に必要な莫大な魔力を抜かせばこれ以上ない1品なんだよな」
「ん? じゃあ、例えば時の指輪を起動させたとしてそのままずっと誰も嵌めないで放っておけば維持する魔力が補充出来ないからいずれ効果がなくなるのか?」
「あー、その辺はちょっと分からないな。ただ、最初に必要な魔力の量を考えるとちょっとやそっと置いておいたとしてもどうにかなるような代物じゃないと思うんだがな」
レイジングの話を聞きながら、テーブルの上に置かれている指輪を手に取る。
「大体分かった。なら試してみるか。レイジング、ここはマジックアイテムの研究室だという事は魔力を遮断するような処理は施されているな?」
「あ? ああ。当然その辺は問題無いが。って、おい。まさかお前」
「解析して貰った礼だ。この伝説級とも言える指輪が起動する所を見ておけ」
「おい! あぁっ、魔力を込めるのが早いんだよ畜生!」
レイジングが壁際まで移動して何やら操作しているのを見ながら時の指輪へと魔力を込めていく。
同時に俺のステータスを表示してそのSPの量を確認しているのだが、凄い勢いでSPの現在の値が減っている。一応SPブーストの効果で多少は回復しているのだが、それも焼け石に水とばかりに消費するSPの量は莫大だ。
だが、そのおかげだろう。俺の持っていた時の指輪は次第に青い光を発し始める。
現在の残りSPは200を切っているが、それでもまだ時の指輪の起動は完了しない。
150、130、100、80、50、30、10……
「……来た!」
残りSPが10を切り、1桁になったその瞬間。俺の手にあった時の指輪がこれまでに無い程に眩く青い光を周囲へと放つ。
そして次の瞬間には、まるで光を放っていたのが嘘だったかのように研究室の中は元の薄暗い明かりのみが唯一の光源となっていた。……いや、単純に指輪から発せられた光が眩しかったから研究所の明かりが薄暗く感じられるのか。
だが、俺の手にある時の指輪は間違い無く起動していると理解が出来る。
一見すると特に何も魔力を感じはしないのだが、俺の魔力で起動させた為だろう。こうして触れていると起動しているというのがはっきりと感じられるのだ。
最後にチラリと俺のステータス画面へと視線を向ける。そこにはSP3と表示されており、本当に時の指輪を起動させたのはギリギリだったらしい。
エヴァにナギ以上の魔力があると太鼓判を押された俺のSPでも、その殆どを使い切ってようやく起動するか。これを誰が作ったのかは知らないが、過去に起動した事があったのかどうか微妙な所だな。
「……嘘だろ? 起動、させたのか?」
俺の持っている指輪へと恐る恐る視線を向けながらレイジングが呟く。
その瞳に映っているのは驚愕か、畏怖か、あるいは羨望か。
「さすがに起動させてしまった以上は、もう迂闊に手渡す訳にはいかないが……確かに起動してる。あとはこの指輪を嵌めればそいつは不老になれるだろうさ」
その言葉に、我に返ったかのように視線を俺に合わせる。
「お前が嵌めるんじゃないのか?」
「あのなぁ。お前は俺の本当の年齢を知ってるだろう? 人間で言えば10歳かそこらだぞ? その時点で不老になってどうするんだよ。時の指輪を嵌めるにしても、せめて20歳近くまでは成長してからだ」
「……あぁ! そうか。そう言えば確かにそうだったな。時の指輪の件ですっかり忘れてた。そうだよな、お前はまだ10歳程度のガキなんだよな。……とてもそうは見えないが」
「放っとけ」
幼児化する前の年齢が20代で、そもそもそれ以前に転生者なんだから自分でも何歳と表現すればいいのか分からないというのが正直な所だ。
「まぁ、それはともかくだ。……今回はいい物を見せて貰った。ありがとう」
テーブルに額を擦りつけるかのように頭を下げてくるレイジング。
「おい、らしくないぞ。と言うか、時の指輪の解析に必要な料金は幾らだ?」
「そう言ってもな、お前の持ってきた時の指輪。これは正真正銘超が付く程の1級品のマジックアイテムだぞ。魔法屋をやってる以上はそんなレア物を見せて貰ったんだから逆にこっちから払いたいくらいだ。無料でいいよ。……もう、行くんだな?」
「ああ。明日の早朝にはオスティアに向かう予定になっている」
「そうか。ナギ・スプリングフィールド杯の映像はこのキズクモでも見られる筈だからな。応援してやるよ」
「ぬかせ。大体俺に賭けて幾ら儲けたんだ?」
そういう下らない言い合いをしながら、キズクモで過ごす最後の夜は過ぎていくのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:715
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
異形化
撃墜数:392
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