ヘタリア大帝国
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TURN88 うぽぽ菌その十一
「最近韓国さんはどうだ」
「御覧になられた通りですが」
「いや、そういじゃなくてな」
「といいますと」
「起源の主張はどうだ」
「そのことですが」
平良は難しい声で述べるのだった。
「どうも」
「相変わらずか」
「私も謹言しているのですが」
それでもだというのだ。
「中々なおして頂けません」
「あの人の癖だからな」
「困ったものです」
「仕方ないな、人も国家も一瞬では変わらない」
そうそうおいそれと何でも変わるものではないというのだ。
「だからな」
「根気よくですね」
「そちらは任せる、韓国さんのことはな」
「さすれば」
「台湾さんの方はかなり順調みたいだがな」
福原が軍事顧問を務めているそちらはというと。
「政治も経済もな」
「日増しに発展しているとか」
韓国もそうだが台湾はそれ以上にだというのだ。
「台湾人も頑張っている様です」
「元々高砂人が強かった」
台湾の元々の現地民である。台湾は他には中帝国からの移住者も多い。
「そして根気よく生真面目だからな」
「その国民性が大きく影響していますね」
「そういうことだな。太平洋は全体的によくなってきている」
それも飛躍的にだ。
「特にあの総統さんが入ってからな」
「レーティア=アドルフ総統ですね」
「伊達に人類史上最高の天才だった訳じゃない」
そこまで言われている訳ではないというのだ、ただ単に。
「政策も発明も全く違う」
「兵器も第八世代にまで発展し」
「コストもかなり軽減された」
開発及び製造システムの合理化、兵器製造施設の発展によりだ。
「全く別になった」
「それもまた大きいですね」
「日本の資源も発見された」
そのせいで日本の国力もあがったのだ。
「何もかもがな、だが」
「だが、ですか」
「あの総統さんはやがてドクツに戻る」
枢軸側が勝てばだというのだ。
「その時のドクツは再び雄飛する」
「間違いなくそうなりますね」
「戦後の欧州はドクツが軸になる」
ヒムラーと同じ見立てではある、だがヒムラーのそれが自分自身の願望であり主観的に考え行動しているのではなく東郷は外から客観的に見て述べている。
それでだ、東郷はこう言えたのだ。
「我々にとって重大な脅威になるかもな」
「太平洋にとって」
「出来れば融和したい」
東郷は戦後のことも平良に話した。
「対立をすれば厄介だ」
「戦争はしないに越したことはない」
平良は帽子の奥で呟いた。
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