ヘタリア大帝国
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TURN87 再編成の合間その十
「兄妹の関係はさ」
「亡命したってことになっててもだよね」
「不問っていうかね」
それどころではなかった。
「どうでもいいって考えてるね」
「イタリンはだね」
「何かね、あたし達は何処も気にしてないね」
「いいんじゃない?それで」
イタリア妹はワインを飲みつつロマーノ妹に返す。
「それならそれで」
「国は守れるからね」
「うん、それでいいじゃない」
こう返すイタリア妹だった。
「どっちにしてもあたし達は兄貴達が戻るまでの留守番でね」
「国を守ることが仕事だからね」
「戦いにも参加しないでいいっていうし」
その理由は簡単だ、弱いからだ。
「だったらね」
「このままいていいね」
「そうそう、それでいいよ」
こう言ってワインを飲むイタリア妹だった、その彼女に。
ポルコ族の面々が生ハムを出してきて言う。
「さあ、どんどん食べるぶーーーー」
「お気楽にいくぶーーーー」
「兄貴達も元気にやってるし」
「あたし達もね」
イタリンは平和だった、連合の誰もこの国を意識してはいないがかえってそれが彼らを助けているのだった。
だが、だ。イタリア妹は生ハムを楽しみながらこうも言った。
「兄貴達がいない間はね」
「ちゃんと国を守らないとな」
ロマーノ妹も応える。
「今のドクツの総統さんは信用出来ないよ」
「ああ、間違いないね」
二人共このことを肌で感じ取っていた、信用出来ない人間だと。
それでだった、二人で密かに話す。
「じゃあ時が来ればね」
「ああ、動かないとね」
こう二人で話すのだった、二人はただ楽しんでいるだけはなく見て時も待っていた。そしてその時がやがて来ることも確信していた。
TURN87 完
2013・2・8
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