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ヘタリア大帝国

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TURN87 再編成の合間その一

                 TURN87  再編成の合間
 枢軸軍の今の動きは連合側にも伝わっていた、ヒムラーはベルリンにおいて現在の彼等のことを聞きまずはこう言った。
「彼等が戸惑っているのは好都合だよ」
「はい、実にですね」
「今は」
「連合側は戦力の再編成が遅れているからね」
 各国の受けたダメージの大きさ故にだ。
「ソビエトもエイリスもやっと艦艇が揃ってきたところで我が国も」
「やっとです」
「艦艇が揃ってきました」
「捕虜も返してもらったし人は何とか揃って」
「それにあれですね」
「あれの建造もようやくです」
 表向き、彼等は自覚しないがそうである側近達がヒムラーに述べた。
「軌道に乗ってきました」
「貴重な時間ができていますね」
「全くだよ、アステカ様様だよ」
 連合から見ればまさにそうだった、ヒムラーにしてみても同じである。
「出来ればもう一年程度足止めしてもらいたいけれどね」
「流石にそれは無理かと」
「もって数ヶ月です」
 一年は流石にだというのだ。
「我々が再編成を終えるぎりぎりまでです」
「それ位持ち堪えられるかと」
「そんなところか。まあそれで充分か」
 ヒムラーは己の中で妥協した。
「そういうことだね」
「はい、そうですね」
「アステカとの戦いは」
「枢軸の足止めは何か手があれば打つとして」
 そしてだった。
「あれの建造は進めていこう」
「我が国の主力として」
「艦隊に配備させていきますか」
「前総統閣下の置き土産だ」
 表向きの側近に対してなのでこの場ではレーティアへの敬意を見せた、彼は表向きはあくまでレーティアのかつての忠臣でありその志を受け継ぐ者だから。
 その後継者の仮面を被りこう言ったのである。
「是非共ね」
「使わせて頂きましょう」
「前総統の為にも」
 レーティアを忘れられない表の側近達も応じる。
「そして連合の勝利の暁には」
「再びですね」
「ドクツはあまり戦わない」
 そうするというのだ。
「それはわかってるね」
「エイリス、ソビエトに戦わせてですね」
「彼等を消耗させますか」
「今は確かに同盟国さ」
 このことは紛れもない事実だ、だがだというのだ。
「敵であることには変わりがないからね」
「ではこの戦いが終われば」
「再びですか」
「そうはしなくても欧州での主導権は貰うさ」
 これがヒムラーの望みだった。
「両国に枢軸を倒してもらってぼろぼろになってもらってね」
「そうしてですね」
「その後で我々が」
「戦うもよし、経済的主導権を握るもよし」 
 どちらにしてもだというのだ。
「これからはドクツの時代になるんだ」
「はい、ではその様に」
「戦いを進めていきましょう」
「我が軍は戦うけれどサポートだよ」
 わざとそれに徹するというのだ。
「そういうことでね」
「わかりました、それでは」
「戦力、国力を温存していきましょう」
「そういうことでね」
 ヒムラーは軽い笑みで表の側近達に返した、そしてだった。
 ドクツは戦力を増強させていっていたが表には出ようとしないでいた、無論このことは他の連合国も察している。
 ゾルゲは欧州における諜報活動から戻ってからカテーリン達にドクツのことを報告した、それを聞いてだった。 
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