【完結】剣製の魔法少女戦記
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第五章 StrikerS編
第百四十話 『それぞれの思惑』
前書き
投稿します。
今回は特に前書きで言うことはありませんが色々と今回も伏線を入れました。
もうストックがほぼない状態なので、原稿が締め切りギリギリ風な気分で執筆しハイな気分になりながらも定期的に間に合うように頑張ります。ああ、それにしても時間が欲しい…。
そして執筆の状況次第ではもしかしたらこれからは不定期更新になってしまうかもという申し訳なさがありますが頑張らせていただきます。
ではどうぞー。
Side シホ・E・S・高町
今日は朝から隊長陣みんなで集まって六課に今日から新たに出向扱いとなったギンガとマリーさんとすずかの紹介が行われていた。
「お知らせがあって陸士108部隊のギンガ・ナカジマ陸曹が今日から出向となります」
「はい。108部隊、ギンガ・ナカジマ陸曹です。よろしくお願いします」
「「「「「「よろしくお願いします」」」」」」
六人は歓迎ムードでギンガの出向を出迎えた。
「それから、もう一人…」
「どうもー」
フェイトの声でマリーさんが声を上げる。
「10年前からうちの隊長陣のデバイスを見てくれている本局技術部の精密技術官」
「マリエル・アテンザです」
「そしてもうみんなは前に会ったと思うけど…魔術事件対策課のデバイスマスターの…」
「月村すずかです。一応マリーさんの助手という形で六課に出向になりましたからよろしくね、みんな」
すずかも元気に挨拶をする。
「マリエル技官と月村技官はしばらく地上での任務があるということで来ていただいた」
「デバイス整備も見てくれるそうなので」
「気軽に声をかけてね」
「よろしくね」
『はい』
でもそこで一人唸る人がいるのは、そっとしておくべきかな?
「うー…お姉様との有利な時間をすずかに取られてしまいます…」
「ふふふ…負けないよ、フィアットちゃん?」
「スズカもやりますね」
「うむ、ここぞという時にやってきて奏者の気持ちを固めようとやってくるからな」
「おい。もう何回目だ、このやりとりはよ…?」
「まぁ、いいではありませんか。これも若い青春です」
「スズカ、頑張ってください!」
もうこの話題は慣れねばならない。
二人のやりとりにそれを見ていたアルトリア、ネロ、ランサー、オリヴィエ陛下、そしてすずかについてきているライダーがそれぞれ声を上げている。
フォワード陣も私とすずかがアレな関係であることはもう知っているので顔を赤くしていたり…。
ギンガだけはわからないといった感じだがそのうち知るだろう。
「よーし…紹介も済んだことで朝練でもいっとくか」
「「「「「「はい!」」」」」」
それでそれぞれ部隊ごとに分かれて訓練に入ろうということになったそんな時になのはがギンガに、
「ギンガ、スバルの出来を見てもらっていいかな?」
そんな事を言い出して急遽スバルとギンガの模擬戦と相成るのだった。
それから私達は二人の模擬戦を見学していた。
二人のシューティングアーツによる戦いはギンガがやや優勢でスバルはやはり押されている。
ギンガがスバルのプロテクションを砕きさらに拳を見舞った。
だがスバルはなんとかもう片方の手でプロテクションを展開して防いでいた。
「二人共なかなかね」
「ああ…いい出来具合だ」
それから反撃という感じでスバルがリボルバーキャノンをギンガに見舞った。
それをなんとか流したギンガはそれからスバルの猛攻を避けながら下がりウィングロードを展開。
それを追うようにスバルもウィングロードを展開して追う。
それからは二人して空での打ち合いが続いていく。
そしてそれを見ていたエリオとキャロが、
「なんかお二人共…」
「嬉しそうですね…」
ランとレンも、
「それになんか生き生きしています」
「楽しそうだね…」
それを聞いたティアナが、
「スバルはお姉ちゃんっ子で、ギンガさんもかなりスバルには甘いしね」
と、二人を評価する。
「スバルもだいぶ使えるようになってきたな」
「入隊以降ずっとクロスレンジの基礎固めをしてきましたから」
「あたしとなのはが毎日毎日ぶっ叩いて鍛えているしなぁ。あれくらいはできて上等だ」
そして決着はすぐについた。
ギンガの拳がスバルの顔面に当たる前に寸止めをされていた。
「はい、そこまで!」
なのはの声で模擬戦は終了となる。
二人は空の上で色々と話し合っていた。
そして地上に降りてきてヴィータがスバルに、
「反応は悪くなかったぞ。スピードが追いつかなかったがな」
「ありがとうございます!」
ギンガもなのはとフェイトと話をしているようだ。
さて、そろそろ準備をしなくちゃね。
そしてなのはの号令がかかり、
「せっかくだからギンガも入れたチーム戦、やってみようか? フォワードチーム七人 VS 前線隊長六人チーム!」
そう言った途端、ギンガの目は丸くなっていた。
どうやら驚いたらしい。
スバル達が説明を入れている。
「ギンガとスバルはデバイス攻撃のみだよ」
「はい!」
「それじゃ、やってみようか!」
『はい!』
そして団体模擬戦が行われるのだった。
………………
……………
…………
…そして、模擬戦終了後、
「はい、それじゃここまで!」
「全員防護服解除だぞ!」
見れば疲れきっていた七人の姿がそこにあった。
人数としてはあちらが多いがまだまだ負けてやるわけにはいかないからね。
それで悔しがるフォワード陣。
「…悔しい気持ちのまま、反省レポートまとめとけよ?」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
ヴィータの言葉にそう全員は返事を返す。
「ちょっと休んだらクールダウンしてあがろうか。お疲れ様」
「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」
◆◇―――――――――◇◆
Side 月村すずか
そしてクールダウンの光景を見ていた私とマリーさんとシャーリーさんは、
「うん。みんないい感じの子達だね」
「そうですね」
「エリオ達ですか? それともデバイスの方…?」
「「両方だよ(ですよ)」」
私とマリーさんの返答にシャーリーさんも笑みを浮かべていた。
私も含めてマリーさんとシャーリーさんもデバイスいじりだから気が合うのかもしれないね。
そんな時にシホちゃんの話で聞いていたヴィヴィオちゃんとツルギ君の二人がやってきた。
「「おはようございます!」」
「あ、えっと…おはよう」
「おはよう、ヴィヴィオ。それにツルギ君」
マリーさんは聞いていなかったのでちょっと驚くような感じで返事をし、シャーリーさんはもう普段のように返事をしていた。
なので私も、
「おはよう、ツルギ君。それと、あなたがシホちゃんから聞いていたヴィヴィオちゃん?」
「? お姉ちゃん、誰…?」
「私は月村すずかって言うんだよ。よろしくね、ヴィヴィオちゃん」
「うん! すずかお姉ちゃん!」
「それじゃヴィヴィオちゃん、いこ!」
「うん、ツルギ君! それじゃ、失礼します」
ヴィヴィオちゃんとツルギ君は手を繋いでシホちゃん達の方へと向かっていった。
そしてその後ろをザフィーラさんがついてきていた。
マリーさんも「ザフィーラ、久しぶりー」と言って撫でている。
「ザフィーラさんは二人のお守りなの?」
「うむ、そうだ」
無駄な言葉は使わずただ返答を返してきてくれた。
「そうなんだ…。そういえば最近人型になった…?」
「士郎との訓練の時だけだな。なるのは…最近はヴィヴィオとツルギのお守りのためにこの形態が定番と化してきた」
「そっか。頑張ってね、ザフィーラさん」
「応援、感謝する」
「…ところですずかちゃんは知っているようだけど、ツルギ君はいいとしてあの子は…?」
「えっと、あの子はですね…」
私達が見る先では、
「ママ~!」
「お姉ちゃん達、おはよう!」
「あ、ヴィヴィオ! それにツルギ君!」
二人が手を握りながら走っていく。
フェイトちゃんが「転ばないようにね?」と言っているけど、あのままだと二人揃って転びそうだね…。
そして案の定、二人は同時に足をつまずかせて正面から転んでしまった。
すぐにフェイトちゃんが助けにいこうとしているけど、なのはちゃんが、
「大丈夫。地面は柔らかいし綺麗に転んだ。
だから怪我はしていないよ」
「そうね。それに…ツルギ君。男ならそれくらい大丈夫よね~?」
「う、ん…大丈夫だよ、シホお姉ちゃん…」
ツルギ君はやっぱり男の子だよね。
それで一緒に転んだヴィヴィオちゃんの手を取りながら、
「大丈夫…? ヴィヴィオちゃん…?」
「う、ん…大丈夫」
「立てる…?」
「うん、ヴィヴィオ、頑張る…!」
それでツルギ君の手を取りながらだけどヴィヴィオちゃんもなんとか立ち上がった。
「うん。合格だよ。ヴィヴィオ」
「頑張ったね。でも、なのはママは少し厳しいと思うよ…。
ツルギ君がいなかったらヴィヴィオ、一人で立ち上がれなかったと思うよ?」
「フェイトママは甘やかしすぎ。あれくらいすぐに復帰できるよ~」
「でも…」
それでヴィヴィオちゃんの教育方針について話し出すなのはちゃんとフェイトちゃん。
それを傍目に、シホちゃんがツルギ君に寄って、
「ツルギ君もよく泣かなかったわね。えらいわよ」
「うん! シホお姉ちゃん!」
それをシャーリーさんは見ながら、
「…と、こういうわけです」
「なんだ。なのはちゃんとフェイトちゃんの子供かー…って、えぇええええ!?」
なにか勘違いをしてしまったのか大声を上げるマリーさん。
それから説明をしてなのはちゃんが保護している子供だという事がわかると、
「なぁーんだ。保護児童か。てっきりなのはちゃんとフェイトちゃんの子供かと思ったよ」
「いや、そんなわけないですって…」
「え? そうなの? シホちゃんの秘術で女性同士でも子供が作れるって話を聞いたんだけど…」
「………こういう時に信憑性を持たせてしまうシホさんの魔術が勘違いを引き起こさせるんですよね…」
シャーリーさんはそれで少し疲れた表情になっていた。
マリーさんはそれで頷きながら、
「そうだね。それでだけど、すずかちゃんはまだシホちゃんと子供は作らないの…?」
そんな事をマリーさんに聞かれたので顔を赤らめながら、
「えっと…それは結婚してからということで」
「そっか」
「え゛…!? 結婚するっていう話は冗談じゃなくて本気だったんですか!? すずかさん!」
「え、うん…」
シャーリーさんが驚いていたので了承の意味も込めて頷いておいた。
その後はなにやら小さく「これが百合なのねぇー…」と感心しながら呟いていたけど、もう慣れたし気にしないかな。
◆◇―――――――――◇◆
Side 高町なのは
食事を運んでいる途中で、
「ヴィヴィオ、髪の毛可愛いね」
「うん! なのはママのリボンなの」
キャロに褒められてヴィヴィオは嬉しそうにそう話す。
うん、喜んでくれて嬉しいな。
「アイナさんがしてくれたんだよね」
「うん!」
「いい感じだよ、ヴィヴィオ」
「えへ~」
それで全員で着席して料理を食べているところ、他の席から、
「しっかしまぁ、子供って泣いたり笑ったりの切り替えが早いですよね」
「スバルのちっちゃい頃もあんなだったわよね」
「え? そ、そうかな?」
と、ティアナとギンガとスバルのやり取りが聞こえてきた。
また違う席では、
「リインちゃんもね」
「ふぇー!? リインは初めから大人でしたー」
「嘘を付け…」
「体はともかく中身は赤ん坊だったじゃねーか」
シグナムさんとヴィータちゃんの物言いにリインははやてちゃんにすがりついていた。
しかし、
「さて、どうやったか。昔はかなり喜怒哀楽が激しかったからなぁ」
「そんなー…」
落ち込むリインの声が聞こえてくる。
当時を知っているから何とも言えないんだよね。
「そう考えるとツルギ君は利口ですよね」
ランがそう言い出す。
それにツルギ君は、
「え、なんですか?」
と、ツルギ君はハテナ顔になっていた。
「うん。…昔のレンを思い出すといつも泣いていたイメージしかないからね」
「ら、ラン姉さん! 昔のことでしょ!」
それで騒ぎ出すランとレン。
「ほらほら。食事中は静かに騒がず食べなさい? でないと、お仕置きをするわよ?」
キランッ! とシホちゃんの目が光る光景を幻視した。
それでランとレンはそれからは静かに食事を食べ始めた。
うん。教育が行き届いているね。
アルトリアさんとネロさんも食事中は黙々と食べているし、シホちゃんの家では食事中は結構静かなのかもしれない。
ランサーさんや志貴さん、アルクェイドさんは食べ終わるとそうそうに出て行ったし。
すずかちゃんとライダーさんも静かに食べている。
というよりライダーさんの視線が妙にエリオとレンに向けられているのが気になる。
…もしかしてかもしれないけど前に言っていた吸いたい発言は本気かもしれない。
二人には気をつけるように言っておかないと。
朝になってライダーさんの手によって色々と二人が抜かれていたら、きっとシホちゃんとフェイトちゃんが思わず卒倒してしまうかもしれないから…。
そんな事を思いながら視線をヴィヴィオに戻すとヴィヴィオはピーマンを残してしまっていた。
「ヴィヴィオ、ダメだよ? しっかりとピーマンも食べないと」
「苦いの嫌い…」
「えー? おいしいよ?」
フェイトちゃん、ナイス援護!
「しっかりと食べないとおっきくなれないんだからね?」
「うー…」
そこにはやてちゃんやシホちゃんがこちらに向いてきて、
「そうやな。しっかりと食べないとママ達みたいに美人になれへんよ?」
「そうよ、ヴィヴィオ。
それにね、ピーマンにはとってもたくさん栄養が入っているのよ。
ビタミンCが豊富で、風邪の予防や美肌効果にも打ってつけよ。
そしてピーマンの青臭さの成分にはピラジンと呼ばれる栄養素が含まれていて、血液をサラサラにする効果があったり色々な病気にも対応してくれる万能な野菜なのよ。
他にも―――………」
「シホちゃん、話が長くなりそうだからそこまででいいよ? ヴィヴィオもきっとまだわからないから」
料理の具材の話になるとシホちゃんはなにかスイッチが入ってしまうんだよね、昔から。
勉強にはなるからいいんだけどね。
「どういうこと? シホお姉ちゃん…?」
やっぱりヴィヴィオにはまだ難しい話だったらしい。
「んー…つまりはやての言うとおりにママ達のような美人になりたかったらしっかりと好き嫌いはせずに食べようね」
「そうだよ、ヴィヴィオちゃん」
「ツルギ君…?」
「パパもママも料理に関しては色々と厳しいところがあるけどパパの味付け一つでとっても野菜は美味しくなるんだよ!
それに慣れれば生でも美味しいよ!」
それでツルギ君はニカッと笑みを浮かべる。
さすが士郎さんの子供。
料理に関しても知識は親譲りだね。
それでヴィヴィオは、
「………食べる」
「うん! 頑張って、ヴィヴィオちゃん!」
「頑張る…!」
それでヴィヴィオはピーマンを口に入れてなんとか飲み込んでいた。
よかったよかった。
でもツルギ君、本当にヴィヴィオのいいお友達になれそうだね。
この年頃の男の子だと私の偏見かもしれないけど意地悪したりする子も多いかもしれないのにツルギ君は素直で純粋で優しい。
「うん。さすが私と士郎の息子だな」
アインスさんも嬉しい表情を浮かべているしこれが普段のツルギ君なんだろう。
教育がちゃんと行き届いていて他人なのに自慢してやりたい気持ちになる。
「…だってさ、キャロ。どうする?」
「…食べます」
他の席の子にも効果はあったみたいである。
それから食事後にマリーさんが、
「それじゃスバルとギンガをお借りしていきますね」
「わかりました」
二人はいつもの検診でマリーさんとクラナガンの医療センターに行くらしい。
◆◇―――――――――◇◆
スバルはマリー達と医療センターに行く前にティアナと一緒にデータの調べを行っていた。
「これで全部かな…?」
「見つからなかったら勝手に探すわよ。さっさと行ってきなさい」
ティアナにそう言われたのでスバルはオフィスを出ていこうとするが、そこでティアナに呼び止められる。
「あ、そうだ。スバル、あんたが検診の時によく買ってきてくれたアレ!」
「あぁ、チョコポット?」
「そうそう。あたしも出すから隊長達とちびっ子たちの分、買ってきてあげてよ」
「了解!」
それでスバルは出て行くのだった。
◆◇―――――――――◇◆
Side レジアス・ゲイズ
オーリスに機動六課について調べてもらった。
その報告を今聞いているのだが、
「機動六課に関しては何もつかめませんでした」
「そうか。公開陳述会まで間もない。より有利な交渉材料を抑えておかねば」
「引き続きこちらの査察部を動かします」
そう報告が終わり私は機動六課についてモニターを開き確認する。
そこには様々なエース級の人材が揃えられていた。
あの、異世界の魔術師で有名であるシホ・E・S・高町一等空尉も所属しているのが痛いな。
これは風の噂だが彼女に手を出そうとしたら何者かに消されるという都市伝説が囁かれている。
そんな噂など私は気にしないが、彼女の腹の中にはなにが潜んでいるかわからないからな。
サーヴァントという上級の使い魔の存在も危険視だろう。
たったひとりで戦局をひっくり返す実力を秘めているという噂だ。
これが奴らの弱みになるのだろうと踏んでいるが、ただの使い魔だと突っぱねられればそれで話は終わってしまう。
くっ…忌々しい。
「それよりも、査察部や一部の部隊がこちらを調べて回っているようです」
「いつものことだ。いつもどおりに処理しろ」
「本局査察官に一人、希少能力を持つ査察官がいます。
本腰を入れられたら深いところまで探られる可能性がありますが…」
またしても忌々しい。
このネズミどもめ。
それから報告を受けて、今度は逆に私から聞いてみることにした。
「アインヘリヤルの方はどうだ? 捗っているか?」
「三号機の最終確認が遅れていますが、概ね順調です」
「遅らせるな。なんとしてでも陳述会までに終わらせるんだ」
「これから視察に行く予定です。それでは失礼します」
「ご苦労。これからも頼む」
「はっ!」
それでオーリスは部屋を出て行く。
しかし、やはり陳述会がうまくいけば私の計画は達成される。
さて、これから最高評議会の皆様に話をしに行こうか。
◆◇―――――――――◇◆
Side スバル・ナカジマ
それから医療センターでマリーさんの指示のもと検診は行われていった。
結果はオールグリーン。
問題なし。
それで用も終わりあたしはチョコポットを買うためにお店にやってきた。
「お待たせしました」
「ありがとうございます」
それでカードで払ってチョコポットのケースを受け取る。
あ、そうだ。
「すみません。それとすぐに食べる分を三つください」
「わかりました。すぐに用意します」
そして買い物も済んで、外で待っているギン姉と合流する。
「お待たせ!」
「今日はまたずいぶんと多く買ったわね」
「えへー。みんなへのお土産の分だよ」
「そう」
笑みを浮かべているところにさっき購入したすぐに食べれる方を取り出して、
「ギン姉、あーん」
「あーん」
それでギン姉の口にチョコポットを入れる。
ギン姉はそれをすぐに食べて、
「うん、おいしい」
「えへへ~」
ギン姉が喜んでくれたのでよかった。
それでマリーさんの車を待っている間、
「でも、機動六課でスバルもティアナも生き生きしていてなんか嬉しくなってくるなぁ」
「まぁ、時々いろいろあったりして大変な目に遭うこともあるけど、機動六課に呼んでもらってよかったと今は思うんだ」
「そう。親友もいて憧れの人もいる部隊だもんね」
「あ、ギン姉もあたしの目標なんだよ? もっと強くなっていつか追いつくんだ。待っていてね」
「生意気ね。そう簡単には追いつかせないわよ? 私もスバル以上に強くなるんだから」
そう返されたので、
「が、頑張るよー!」
「ふふ…」
余裕の笑みで返された。
いつかきっと追いつく、いや追い抜くんだ!
それから少し静かになるあたしとギン姉。
でも、少ししてギン姉が言葉を発する。
「スバル。これから先、戦闘機人戦になると思うの」
「うん…」
「……………しっかりと、やっていこうね」
「うん。大丈夫だよ。あたし達には母さんが残してくれたリボルバーナックルがあるし、それに今はキャリバーズも一緒だしね」
うん。ギン姉とキャリバーズがいれば怖いものなんて何もない。
それになのはさん達やみんなもいるから一人じゃない。だからあたしは戦えるんだ。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・S・高町
はやてに部隊長室になのはとフェイトと一緒に呼ばれた。
なにか進展があったらしいわね。
それではやてが話し始める。
「教会の方から最新の予言解釈が来たんよ。
やっぱり、公開意見陳述会が狙われる可能性が一番高いそうや」
やっぱりか…。
それぞれのトップの人達が集まってくるのだから狙うには絶好のチャンスとなってくるからね。
「もちろん警備もうんと厳重になる予定や。
機動六課も各員でそれぞれ警備にあたってもらう。
ほんまは前線まるごとで警備に当たらせてもらえたらええんやけど、建物の中に入れるんは私達四人だけになりそうや」
「まぁ、四人揃っていれば大抵のことはなんとかなるよ」
「前線メンバーも大丈夫。しっかりと鍛えてきてるよ!」
「シグナム達副隊長達も今までにないくらい万全だし」
「みんなのデバイスリミッターも明日にはサードにまで上げていくしね」
「ここを押さえればこの事件は一気に好転していくと思う」
「「うん」」
「そうね…」
「きっと大丈夫だよ」
なのはがそう言う。
それと一つ不安なのは…、
「…そういえば、なのは」
「ん? なに、シホちゃん?」
「最近頭痛がするって言っていたけど、大丈夫?
こないだの出動後から言っているわよね」
「うん。なにか首筋からにかけてなにかに刺されたような跡があったの」
「そう。虫かしらね…?」
「多分そうだと思う。そんなにひどい頭痛じゃないから心配しないでいいよ、シホちゃん」
「そう…?」
それで話は終了となったけど、ここで詳しくその刺された痕を調べておけばよかったと、後に思うことになる。
そして、この先状況はみんなにとっても、そして私にとっても最悪の事態になっていく事になるのは想像もできないでいた。
◆◇―――――――――◇◆
スカリエッティのアジトでは、
「さて、ナンバーズ諸君の武装も準備は整いつつある。もうすぐだ、もうすぐ面白い祭りが始まる!
ひとつ、大きな花火を、打ち上げようじゃないか! フフ、ハハハハハハ!!」
スカリエッティはナンバーズ達が見ている前でたくさんのレリックが並べられた光景を見ながら笑っていた。
「そして、隻眼の魔術師殿…」
「なんだね?」
そこに今まで隠れていたのか影から突如として隻眼の魔術師が姿を現す。
それにナンバーズの中でノーヴェ等などが「ゲッ!?」と声を上げていた。
「そちらの準備はどうかね?」
「概ね順調だ。私だけの兵隊の数も、“私自身”もほぼ準備は整った。仕掛けもしておいたからな」
そう言って隻眼の男はその手に数枚のカードを取り出す。
何のカードなのかはわからないがそれから魔力が溢れているのは確かだ。
「後は一緒に宴を楽しむだけさ。
彼女らは私に任せたまえ。見事、成果を上げて見せよう」
「頼むよ。機動六課の守りはおそらく鉄壁だろう。そのための彼女らだ。期待している」
「任された…ククク、アハハハハ!!」
隻眼の男もスカリエッティと一緒に高笑いを上げるのだった。
後書き
すずか再登場。当分は機動六課でライダーと共に頑張ります。また待機組に戦力が…。
団体模擬戦も描きたかったのですがそれだと話が進まなそうなので物語重視で省略させていただきました。もし最初の方から大幅に書き直して改訂する機会がありましたら入れるかもしれませんが…。
ピーマンについてはにわか知識ですのであまり突っ込まないでください…。
隻眼の魔術師の出す手札は何か…?
それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。
では。
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