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聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士

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第七話 澪を救え!対決アスガルドの神闘士

ワルハラ宮の一室に澪の姿があった。

用意されていた椅子に座り窓の外を見つめていると扉が開きシグが入ってきた。

「手荒な事をしてすまなかったな」

「客の扱いがなってないんじゃないの?・・・手間暇かけたことやっても虎が一人で来るだけじゃないの?」

シグの事を睨む澪。

するとシグは口を開いた。

「ふん・・・奴もそこまで馬鹿じゃないだろう・・・アテナの聖闘士を引き連れてこの地へとくるはず・・・そのアテナの聖闘士を倒し・・・ヒルダ様を解放する・・・それが私の悲願・・・今は神闘士は私を含め三人だけだがな・・・」

「あっそ・・・あんたの目的は興味ないけど一つ言っておく・・・あんた虎に負けるよ」

「何?」

澪を睨むシグだがアスガルドに舞い降りる小宇宙を感じ取った。

「この小宇宙は・・・ティグリス・・・他には誰も居ない・・・馬鹿な・・・たった一人の女を救うためにあの男は一人で乗り込んできたというのか?・・・このアスガルドに」


第七話 澪を救え!対決アスガルドの神闘士


静寂な極寒の地・アスガルド。

氷河に覆われ吹雪が舞うこの地に立つ虎座の大河。

「・・・・・」

ナックル以外の聖衣を身に纏い、拳にバンテージを巻き付けている大河に案内した男が尋ねた。

「聖衣を装着しているのにバンテージを巻く必要があるのか?」

「ボクサーにとって拳は命だ・・・素手じゃ使わない」

男の言葉にバンテージを巻き終えた大河はナックルを装着した。

「ありがとう・・・ここまで連れてきてくれて」

「お前は何のために戦う?」

「え?」

「人は何かの為に戦う・・・ある者は愛する者の為・・・ある者は栄光の為・・・そして正義の為」

「わからない・・・俺は何もない・・・正義も・・・愛する者も・・・栄光も・・・」

そして拳をバチンと合わせ今精一杯の決意を男に言った。

「だから俺は戦うんだ・・・それを見つける為に・・・澪を救うために」

その決意を聞いた男はフッと笑みを浮かべた。

「そうか・・・この先には現在の神闘士たちが待ち構えているだろう・・・おそらく澪が居るのはワルハラ宮」

「わかったありがとう・・・俺は高嶺大河です・・・あなたは」

「俺の名は氷河・・・キグナス氷河」

「それじゃあ!」

男・氷河に礼を言うと大河は極寒の地へ単身乗り込んだ。

その真っ直ぐな背中を見送る氷河。

大雪原を駆け抜ける大河。右も左の分からない地だが今頭の中にあるのは澪の事だけだった。

するとある気配を感じ取り足を止めた。

「出やがったな・・・神闘士!!」

大河の道に立ちはだかる神闘士たち。

ワルハラ宮

「・・・・・」

吹雪の吹き荒れる景色を窓から見ている澪。するとシグは先程の疑問をぶつけた。

「私が負ける?・・・どういう事だ?」

「あの時の虎は龍座・龍峰との戦いでズタボロだった・・・そんな奴倒して何の自慢になるの?・・・それにあんたと虎は決定的な違いがある」

「決定的な違い?」

疑問に思うシグに澪は一呼吸し答えた。

「虎は『少年』だからね・・・」

「少年だと?」

「本物の少年は純粋だから・・・駆け引きも無い・・・打算も無い・・・ これと決めたらまっしぐら・・・そんな本物の少年のスピリットは・・・変に大人ぶってるあたしや、強いフリしているあんたなんかには負けやしないわ・・・」

「強いフリをしているだと?」

静かに瞳を閉じている澪にシグが拳を握り締めるとワルハラ宮の扉がダーンと開いた。

そこに居たのは・・・

「待たせたな・・・ミヨ・・・」

ズタボロの大河の姿だった。


大雪原で一人立つ氷河。

「・・・何だ?いくつかの小宇宙のぶつかり合いを感じる」

興味が沸いたのかそのぶつかり合いを確かめに行こうと氷河が先へ進んだ。

しばらく歩いているとかつて星矢がγ星フェクダのトールと戦った崖の道に入ると・・・

「ん?」

何かに気付いた氷河。

その視線の先にはうつ伏せに倒れている新たなγ星の男の姿が・・・

だがもっとも氷河が驚いたのは・・・

「これは?」

γ星の男の周辺の岩や氷壁に大河の拳圧で出来たと思われる無数のクレーターが生まれていた。

「奴の拳のあとか・・・これほどの威力とは思わなかった・・・おい・・・大河はどこだ?」

「さ・・・先に・・・」

ボロボロのγ星の男の言葉に氷河は先へと進んだ。

氷河が更に奥へ進むとかつて自身が囚われた水晶の森に辿り着く。

すると

大河により倒されたと思われるデルタ星の男の姿が・・・

「・・・この男完全に白目を剥いて倒れている・・・だが息はある」

拳圧の跡も徐々に少なくなっているという事は大河の戦い方が上がっているという証拠でもあった。

「今の神闘士は3人・・・残る一人は・・・」

その場に留まり氷河はワルハラ宮への方角を見つめた。


ワルハラ宮

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

ワルハラ宮の一室に辿り着いた大河。

その事が二人の神闘士が敗北したという何よりの証拠だ。

「ひどい目に合わなかったか?ミヨ?」

「ミオだっつうの」

ボロボロの大河にいつも通り答える澪。

するとシグは澪を大河の元へ突き飛ばし大河に返した。

澪を受け止めた大河はシグの意図に疑問を感じるとシグは小宇宙を燃やし構えた。

「ティグリス・・・貴様の実力を甘く見ていたようだ・・・かくなるうえは貴様の首を取る!」

「・・・おもしれぇ・・・受けて立ってやるぜ!!シム!」

「私の名はシグだ!」

ファイティングポーズを取り小宇宙を燃やす大河。

両者が飛び掛かろうとしたその時

「おやめなさい!!」

大河とシグを止める女性の声が響き渡った。

大河が振り返るとそこにはそこには女性の姿がありそれを見たシグは礼をした。

「ひ!ヒルダ様!?」

「ヒルダ?」

聞きなれない女性の名に大河は戸惑うがヒルダは優しい笑みで応えシグに歩み寄った。

「シグ・・・これはどういう事ですか?・・・私はアテナの聖闘士と戦えなどとは一言も言っていません」

「しかし・・・ヒルダ様!私はこの試練に耐え続けるヒルダ様をお救いしとうございました!」

「その為に・・・無関係な女性をこの地へつれ・・・さらには聖闘士まで巻き込むとは・・・」

目を閉じヒルダは宣言した。

「その罪はとても重い・・・神闘士・・・α星ドゥベのシグ・・・あなたをこのアスガルドから・・・追放します!」

「な!」

「そのゴッドローブは餞別代りに差し上げましょう・・・連れ出しなさい!」

ヒルダの命で衛兵たちがシグを取り囲み外へ連れ出した。そして大河と澪に歩み寄ったヒルダは謝罪した。

「ティグリスの大河・・・澪さん・・・この度は本当に申し訳ありませんでした・・・外までお送りします」

その優しい言葉に戦いが終わったような感覚になりワルハラ宮の外へ出た大河と防寒具を来た澪が雪原へ出ると両膝を付き両手を付いたシグの姿があった。

「シム?」

「シグだ・・・どうした?私を笑いに来たのか?私はすべて失った・・・神闘士としての誇りも・・・男の面目も・・・ヒルダ様への忠誠も」

全てを失い絶望したシグに澪は声もかけられないが、大河だけは違った。

「それで?」

「なに?」

「それでどうするんだよ?シム?」

「シグだ」

「んな事どうだっていいんだよ!!」

大河の拳がシグの顔面に炸裂した。あまりの事に驚く澪。

「ちょっと!虎!」

「うるせぇ!」

澪を付き離しシグに詰め寄る大河。

「お前は・・・アテナの聖闘士の首を・・・この俺の首をとるんじゃなかったのか?エ?」

シグの胸ぐらを掴みその眼をまっすぐ見ながら続ける大河は

「出来ねえよな?出来やしねぇ・・・お前は神闘士ってブランドが無けりゃ何にもできない」

拳を握り締め

「カマ野郎だからな!!」

シグの顔面を殴り飛ばした。

言いたい放題の大河にとうとう堪忍袋の緒が切れたシグは立ち上がり・・・

「これ以上の冒涜・・・もはや我慢ならん・・・よかろう・・・神闘士の誇りも捨て一人の男としてその首叩き落としてくれる!!」

小宇宙を燃やし大河に構えるシグに大河も小宇宙を爆発させファイティングポーズを取った。

「おう!やってみやがれ!シム!」

「シグだあああ!!」

大河の左ストレートとシグの右ストレートがぶつかり合い衝撃で周囲の雪が舞った。

それを見届ける澪は・・・

「ああ・・・男って馬鹿なんだから」

そう言いつつ大河とシグの戦いを見守った。

大河のジャブを防ぎながらシグはカウンターを繰り出すが、タイミングが合わずに自身のガードが崩れた。

「であああああ!!」

大河の右ストレートがシグの胸に炸裂するとシグは体制を立て直し拳を放った。

「オーディン!ソード!!」

「!?ぐああああ!!」

シグの技を浴びた大河が吹っ飛ばされるとシグは己の最大の拳の体制に入った。

「ドラゴン!ブレーヴェストブリザァァァド!!」

「うおおおおおお!!」

シグ最大の拳を浴びた大河が宙を舞い地面に沈むがヨロヨロと立ち上がった。

「はぁ・・・はぁ・・・」

肩で息をする大河にシグは飛び掛かった。

「ティグリスぅぅぅ!!」

「かかってきやがれ!!」

お互いの小宇宙が極限まで高まる。

「ドラゴン!ブレーヴェストブリザァァァド!!」

「ブーメラン!フック!!」

シグの最大の拳と大河のフィニッシュブローが真正面からぶつかり合い大爆発を起こした。

爆風が止むと静かに立ちすくむ大河とシグ姿が現れた。

静寂が漂うが、それ破り静かに呟く大河。

「お前ヒルダさんの本当の気持ち・・・知ろうとしたのかよ」

「何?」

「もう一度・・・自分の耳で聞いてみろよ・・・ヒルダさんの本当の心」

大河の言葉に全ての力が抜けたシグが耳を傾けた。

シグ・・・世界を知りなさい・・・そして戻ってきなさい

「ヒルダ様・・・く!」

涙を流し拳を降ろすシグに大河が振り返った。

「どうした・・・シム!逃げるのか!?」

「黙れ・・・」

大河の目の前から去ろうとするシグは大河に宣言した。

「貴様は満身創痍だ・・・そんな奴の首を取ったころで何の自慢にもならん・・・五体満足の貴様を倒してこそ本当の勝利と言えよう・・・」

「お前」

「私は強くなる・・・その時こそ貴様の首を貰う・・・ティグリス・・・いや・・・大河」

そう呟き傷ついた身体を隠し大河に背を向けて去っていくシグ。

そして

「ぶ!」

口から吐血する大河。

今までのダメージが蓄積し膝をついてしまった。その様子にやれやれと言った表情の澪は大河に肩をかした。

「たく・・・無茶して」

「へ・・・へへ・・・」

そう言って笑う大河。

この後、二人を迎えにきた氷河に連れられ大河と澪はカイザーナックルを探す旅に出るのであった。


 
 

 
後書き
カイザーナックルを探す旅に出た俺達は港町に辿り着いた。そこに俺へ挑戦状が送られた。差出人の名は海闘士・海龍の岩鉄。聖闘士と海闘士の戦いじゃなくボクサーとしての勝負?え!?石松さんの甥だって!?

次回!聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士 対決!二人のボクサー!

 
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