ヘタリア大帝国
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TURN86 宇宙台風その八
「後は少量のおかずだけなので」
「それが三食なのね」
「そうです」
こうクリオネにも答える。
「普段はまことに粗食です」
「成程ね」
「量と栄養は十j二分に考慮しています」
このことは間違いないというのだ。
「しかし軍人としてです」
「贅沢はしてはいけないっていうのね」
「そうです」
まさにそうだというのだ。
「陸軍は臣民の財産を無駄にはしません」
「ああ、軍の食事も税金からお金が出ているんだったね」
ここでアグニはよく忘れられていることを思い出した。
「だからなんだ」
「そうです、それで何故贅沢が出来るでしょうか」
山下だけの考えではない、陸軍全体の考えだ。、
「ですから今回はメニューは贅沢ではないかと内心不安でした」
「これだと問題ないと思うわよ」
贅沢という意味では、クリオネが言うのはこういうことだった。
「特にね」
「そうですか」
「ええ、贅沢ではないわ」
逆に国際の場では質素過ぎないかというのだ。そして味はそれ以前だというのは言葉には出さなかった。
「安心してね」
「だといいのですが」
「とにかく陸軍さんの全力なのね」
「はい、我が軍は常に手を抜きません」
これは絶対だった。
「そのことはご承知下さい」
「わかったわ」
クリオネは山下の言葉に頷いた、だがだった。
山下がその場を去り新たに加わったチリに挨拶に行ったのを見届けてからインドに対してこう囁いたのだった。
「本気だから怖いわね」
「おいは今猛烈に絶望しているたい」
これがインドの返事だった。
「これが陸軍さんの最高のご馳走たいな」
「ええ、贅沢に過ぎたのではと心配する位の」
「ないたい」
インドから見てもだった。
「どうやら日本陸軍に美食という言葉はないたいな」
「贅沢自体がね」
そもそもこれを否定しているのだった。
「ないわね」
「そうたいな」
「後で海軍さんの方に行くけれど」
見ただけで違った、素材もメニューも調理の仕方も。
シャルロットがオマール海老のソテーを食べてからビルメに満面の笑顔でこう言っているのが見えた。
「これ凄く美味しいですよね」
「みたいだね、こっちのテリーヌもね」
「鴨のですね」
「食べなよ、これ」
「はい、それじゃあ」
「いや、日本人も料理が上手だね」
ビルメはにこにことしながらシャルロットが薦めるオマール海老を食べて言う。
「オフランスの料理もここまで作れるなんてね」
「シェフの方にお礼を申し上げないといけませんね」
「全くだよ、いい給養員だよ」
「本当に」
二人は笑顔で話をしている、それを見てクリオネはまたインド達に告げた。
「じゃあ今度はね」
「海軍さんの方にですね」
「今から行くんだね」
「陸軍さんの方は陸軍さんの方が何とかしてくれるわ」
彼等が食べるというのだ。
「だから私達はね」
「これからは海軍さんのところで、ですね」
「食べるんだね」
「うん、食べよう」
こう言ってだった。そうして。
インド組も海軍の料理を食べる、それはかなりの味だった。
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