東方異形録
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第37話 町の退治屋さん
樂「太子様、ただいま戻りました」
神子「おかえりなさい----その人は?」
「翔と申す、しがいない旅の者です。」
…場の雰囲気ってすごいなぁ、知らず知らず敬語遣っちまったよ。 樂の野郎クスクス笑いやがって、後で覚えてろよ?
樂「彼は友であって、今回襲撃した妖怪達を倒した者でもあります」
(あっ今の取り消すわ、と言うと思ったか?樂。)
俺は後で表へ来いと、樂にサインをおくった。
神子「あの頭を…翔さんと言ったでしょうか、この都の退治屋となってはくれませんか?」
「自分でよいのなら引き受けましょう」
神子「そうなると住む場所が必要ですね…決まるまでここで暮らすのはいかがですか?」
「ご厚意、うれしい限りです」
神子「決まりですね。屠自古、いますか?」
屠自古「はい太子様、ご用件は何でしょう?」
神子「このお方を客室へと案内してください」
屠自古「わかしました。こちらです」
俺は屠自古に付いていく事にした。
神子「ブツブツ(あの人の事を見抜くことができない?何かあの人には特別な物が?? いったい…)」
樂「?」
(あっ、能力作動したままだ。神子に失礼なことしちゃったかな?)
勿論、こんな事を翔が思ってることも一切神子は知らない。
「さて、彼奴をいたぶるにはこれが良いな。」
俺は50口径デザートイーグルを鞄から取りだし、ホルスターに入れた。
屠自古「…翔さんでしたね。今の物を見せていただけないでしょうか」
「?どうぞ」
俺はデザートイーグルを屠自古に渡した。
…少女が拳銃を興味深そうに見ているとはシュールな光景だな。
屠自古「これを預かってもいいですか?(太子様に見せたら喜ぶだろうなぁ)」
「ど、どうぞ(何に使う気だ…)」
屠自古「有り難うございます!」
シュッタタタタタ
(あらまぁ、行っちゃったよ)
屠自古は案内を忘れ、デザートイーグルを抱えて引き返していってしまった。
…前途多難だ。
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