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ハイスクールD×D混沌竜のドラゴンスレイヤー来る!!

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第9話 イッセーの苦悩と成長

 
前書き
遅くなってすいません。こんな自分ですがこれからも頑張って書きたいと思います。 

 
 俺は暗闇の森の中に隠れている。そうしなければ死ぬ。
 なぜなら、圧倒的な捕食者が俺を狙っているからだ。
 奴は躊躇なく俺を全力で仕留めにくる。

ガサッ。

 葉が揺れるの音がした。
 奴がすぐ側まで来てる!
 俺は急いでその場から移動しようとした。

パキッ。

 し、しまった!
 足元の木の枝を踏んでしまったため、音をたててしまった。

ズザッ。

 奴が気付いた。こっちに来る!

ダッ!

 俺は全力で走った。草木を掻き分け、必死に!
 だが、俺の背後から圧倒的な力が木々を吹き飛ばし、俺にむかってくる。
 もう、だめだ―――――。
 その瞬間、俺は飲まれた。輝く純黒の波動、ジオの放った混沌に。








ズドオオオオオオオオンッ!

 別荘から離れた森から今日一番の爆音が轟く。

「・・・・終わったわね」

「あらあら、今日も凄いですわね」

「あわわ、イッセーさん」

 レーティングゲームにむけての修行をはじめて今日で三日目になる。
 ジオの申し込みによって彼もイッセーを鍛える側になり、一日目の夜、一通りの訓練が終わってからジオによる訓練が始まった。
 訓練のためジオはイッセーを連れて森の奥に入って行った。
 それからすぐに大きな破壊音ともに森の一部が吹き飛んだ。
 その光景にリアスたちは驚き、それぞれの修行を一時中断する。
 それからしばらく破壊音が続き、一時間ほどして音がやんだ。森のほう見ているとジオがイッセーを背負ってきた。
 それを見てリアスたちはジオのもとに集まった。
 ジオにはなにもなかったが、背中のイッセーはボロボロの状態だった。

「アーシア、イッセーの回復頼んだ」

「はっはい、わかりました」

 ジオはイッセーを降ろしてアーシアに回復を頼んだ。
 リアスはジオに詰め寄った。

「ジオ、これはどういうこと、説明して」

 リアスはイッセーの状態の説明を求めた。それにジオは普通に言った。

「ただ修行しただけですよ。実戦で」

「いくらなんでもやりすぎよ!」

「そうですか?けど、カオスードとの修行もこうでしたけど」

 リアスはそれを聞き、頭痛をおぼえ額に手をあてた。
 ジオの提案を受けたことを間違えたかしら。
 リアスは半泣き状態のアーシアが治している重傷のイッセーを見てそう思った。
 それから夜の訓練が終わるとジオとの実戦修行がおこなわれ、そのたびに森は破壊されイッセーもズタボロの状態になり、そのたびにアーシアがイッセーの治療にあたるようなった。




 爆音が止んで少して、森からジオがボロボロのイッセーを背負って戻ってきた。
 ジオはいつもどうりにアーシアにイッセーのことを頼んだ。

「アーシア、わるいがまた頼むわ」

「はい、イッセーさんしっかりしてください!」

 ジオはアーシアから離れた所に座り込んだ。

「ふう」

「・・・・・・・また派手にやったわね」

「うふふふ、おつかれさまです」

 休んでいるジオのもとにリアスと朱乃が来る。

「どうも、朱乃さん。それと部長、ドラゴンの修行はこんなもんですから」

「もうその事はあきらめているわ。それで、修行の方は如何なの?」

「・・・・・まだまだだな。持久力とタフさと危険察知能力は上がったが肝心なものがまだ駄目だ」

「肝心なもの?」

「そう、肝心なもの」

 ジオは真剣な表情でイッセーを見た。その真剣な顔を見てリアスたちはそれ以上訊けなかった。
 それからイッセーも復活したので、そこで今日の修行も終わった。












 レーティングゲームにむけての修行をはじめて数日たち、今日の修行終え皆が就寝するなか、ジオは一人起きて考え事をしていた。
 数日たったが、今のままじゃイッセーは強くなれないな。自分のカラを破らないかぎり。
 これまでの修行でイッセーは多少は強くなった。上手くやれ祐斗や子猫とも相手にできる程度に。だが、イッセー本人がそれを否定している。
 イッセーははっきり言うと、才能が無い。剣も格闘技も魔力もてんで駄目だ。さらに、周りとの実力の差を見せ付けられて精神的にも落ちこんでいる。
 実力差は仕方がない。最近悪魔になった奴が数年も悪魔をしている相手より強くなるなんてアニメやゲームじゃないんだからあたりまえだ。

「それに、ドラゴンの力を引き出すのに必要なのは才能じゃないから・・・・・はぁ、水飲むか」

 おれはベットから起き上がり、台所に向かった。
 リビングに灯りがついていた。
 誰かお起きているのか?

「――――フェニックスは俺を笑ったんです。『宝の持ち腐れ』、まさに俺のことじゃないですか」

 リビングから聞こえてきたのはイッセーの悲痛な声だった。
 俺は足を止めた。聞こえてくるイッセーのすすり泣く音。イッセーの心情を表していた。
 イッセー・・・・・・。
 俺は自分の思っているよりイッセーが追い詰められていると気付いた。
 それに気付けなかった自分が情けなく思える。

「自身が欲しいのね。いいわ、あなたに自信をあげるわ。ただ、いまは少しでも体と心を休ませなさい。眠れるようになるまで私がそばにいるから」

 部長の声もする。どうやら部長も一緒にいたようだ。
 ・・・・・部長にまかせるか。
 俺は覚られないように部屋に戻った。






「ブーステッド・ギアを使いなさい、イッセー」

 次の日。練習を始める前に部長が山に入ってから、一切禁止していた神器(セイクリッド・ギア)の使用をイッセーに許可した。

「相手は祐斗でいいわね」

「はい」

 どうやら悠斗と模擬戦するようだ。

「イッセー、模擬戦を開始する前に、神器(セイクリッド・ギア)を発動させなさい。そうね・・・・・発動から二分後、戦闘開始よ」

「ちょっと待ってください。部長」

 俺は待ったを掛けた。

「なにかしら、ジオ」

「その模擬戦の内容の変更を求めます。イッセーは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を発動してない状態からで、それと相手に祐斗の他に子猫を入れてください」

「!!おいぃぃぃぃぃぃぃぃ、~~~なんだそれ、虐めか!イジメなのか!?ジオ、俺、おまえに何かしたか!」

「落ち着け、イッセー」

「これが落ち着いていられるか!木場だけでもヤバイのに子猫ちゃんとも戦うんだぞ。しかも強化無しで、どう考えても無理だぁぁぁ!!」

「そうね。今のイッセーじゃどう考えても無理ね」

「部長ぅ~、そんなにはっきり言われるのも傷つくんですけど~~」

 部長もイッセーに同意するが、はっきり言われて落ち込むイッセー。
 だが、おれは言った。

「部長、それにイッセー。あまり過小評価しないほうかいいぜ。とくにイッセー、おまえは自分が思ってるほど弱くないぜ。今のおまえなら祐斗や子猫とも上手く戦れば勝てるぞ」

 その言葉にイッセー、周りの部員は驚愕した。





 俺はジオのいきなりの模擬戦の変更と内容の無茶さに慌てた。
 木場だけでもヤバイのに子猫ちゃんとまで戦うなんて。しかも赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の強化無しで、どう考えても無理だろォォォォ~~~!!
 そんな俺に部長も同意してくれたが。
 そんなにアッサリ言われるのもキツイな~。
 だが、その後からジオは自信に満ちた言葉を言った。
 それは俺にとって衝撃的だった。
 俺が木場や子猫ちゃんに勝てる・・・・・・?
 ジオは今そう言ったのだ。俺が自分を過小評価している?それって――――

「俺との特訓を想いだせ、あとはおまえ次第だ。部長、始めてください」

 自分が言いたいことだけ言ってジオは俺から離れていく。
 部長はジオのほう見た後少し考える仕草をし、木場と子猫ちゃんに声をかけた。

「・・・・・・・・・祐斗、子猫。ジオの言うとうりに二人でイッセーと相手をして」

「はい、部長」

「・・・・・・・・・わかりました」

 二人が俺の前に出てくる。それを見ておもわず後ずさりしてしまう。

「イッセーくん、ジオくんがあれほど太鼓判を叩くんだ。全力でいかせてもらうよ」

 木場は木刀を俺へ構えてきた。

「・・・・・・・・・・・」

ブンブン。

 子猫ちゃんは無言で腕を回している。ヤル気満々だ。

「イッセー、剣を使う?それとも素手でいく?」

 部長が俺の攻撃手段を確認してくる。
 う~ん、どうするか・・・・

「・・・・素手でいきます」

 悩んだ結果俺は素手にした。剣を使おうにも俺は上手く使えないし。

「イッセー、2分経ったら神器(セイクリッド・ギア)を止めて。では、3人とも始めてちょうだい」

 俺も木場や子猫ちゃんに対し構えを取る。素人の構えだけど。

フッ。

 目の前から突然木場が消えた!騎士(ナイト)の特性はスピード!まずい!
Boost(ブースト)!!』

ガシッ!

 木場の一撃が俺に繰り出されるが、俺は瞬時に腕を交差さしてガードした。
 あれ?腕が勝手に?
 俺は体が勝手に反応して木場の攻撃を防いだことに驚く。
Boost(ブースト)!!』

「っ!」

 木場の方も少し驚く様子を見せた。
Boost(ブースト)!!』
 時間がたったためさらに倍加する。
 隙アリ!
 足を止めた木場へ拳を放つ。

スッ!

 拳が当たる寸前で木場の体が消えた。
 避けられた!
Boost(ブースト)!!』
 さらに10秒経ち倍加する。
 俺の目の前から子猫ちゃんが突っ込んでくる!
Boost(ブースト)!!』

ッ!

 俺は咄嗟に上を見た。そこには木場が剣を下に突き出し降ってくる姿があった。
 前から子猫ちゃん上からは木場、ヤバイ!!
Boost(ブースト)!!』

「くそっ!」

Boost(ブースト)!!』
 俺は足元の地面を力一杯で殴りつける。

ドゴン!

「「!!?」」

 地面を殴ることで土煙を起こし木場と子猫ちゃんの目から姿を隠した。
Boost(ブースト)!!』
 土煙の中、俺に突っ込んでくる影。子猫ちゃん!音と気配を頼りに俺の居場所を見抜いたため、迷い無く俺に向かって来る。
 突っ込んでくる子猫ちゃんに向かって俺は左手に隠し持っていたモノ、地面を殴った時に拾った土を顔に投げつけた。

バァッ。

「・・・・っ!」

Boost(ブースト)!!』

「っ!」

 目潰しが上手くいき安堵したが俺は急いで後ろに跳んだ。跳んですぐ、木場が降ってくる。

ドッ!

「!!」

Boost(ブースト)!!』
 避けられためか木場は再び驚く顔をしている。

「今度こそ、食らえ!」

 木場に左腕拳を放つ。だが、木場と俺との間に子猫ちゃんが割って入ってきた。

「・・・・・・お返しです」

 子猫ちゃんのブローが俺の腹にはいる。

ドゴッ。

「ッ!」

「・・・・・・!」

 腹を殴った子猫ちゃんはすぐ気付いたようだ。腹に当たる瞬間に後ろに飛んで受け流したことに。
 でも、むちゃくちゃ痛い~~~~!!
Boost(ブースト)!!』
 俺は片手で腹を押さえながら二人を見る。二人ともこっちに来る。
 ま、マズイ~~!!
Boost(ブースト)!!』

「イッセー、ストップよ!」

 部長の声が聞こえた。

「はい!いくぞ、ブーステッド・ギア!」

Explosion(エクスプロージョン)!!』
 木場と子猫ちゃんが俺の目の前に迫る。
 
「イッセー!魔力の一撃を撃ってみなさい!自分がイメージしやすい形で撃つの!」

 部長の指示が飛んできた。
 それを聞き、俺は考えた。
 自分がイメージしやすい形。イメージ、・・・・・・・・なら!
 俺は体に流れる魔力を手のひらに集中させる。米粒サイズの魔力の塊が出来上がる。
 俺はイメージして二人に向かって放った!ジオの放つ咆哮を!

グオォォォォォオオオオンッ!

「「!!」」

 俺が放った瞬間米粒サイズの魔力は巨大な魔力の塊になった。
 木場と子猫ちゃん迫るが、二人ともあっさりかわした。かわされた魔力は隣の山に直撃した。

ドッゴォオオオオオオオオオオオオオンッッ!!

 すさまじい爆音と爆風をが発生した。おもわず目を閉じてしまった。爆風が治まったあとに見えたのは隣の山が消し飛んでいる光景だった。
 え!ええええええええええええええええええええ!?これ、俺がやったのか・・・・・・・・。
 あまりの出来事に俺は呆気に取られた。
Reset(リセット)

「そこまでよ」

 部長が俺と木場と子猫ちゃんの手合わせを止めた。木場や子猫ちゃんもそれぞれ木刀と拳をおろした。
 お、おわった~~~~~~。
 俺は力抜けてその場に座り込んだ。

「お疲れ様、三人とも。さて、感想を聞こうかしら。祐斗、子猫、どうだった?」

 部長の問いかけに木場が答える。

「はい。正直驚きました。実は最初のの一撃で決めようと思っていたんです」

「えっ?俺がガードしたあれか?」

 俺は木場に尋ねた。

「うん。でもガードは崩せませんでした。打ち破る気満々でいたんですけどね。二激目も子猫ちゃん同時に仕掛けて決めようとしたんだけど、結局最後まで当てられませんでした」

「・・・・・・私も祐斗先輩と一緒に決めるつもりでした。・・・・・でも、当てられたのは一発だけで、しかも完璧にいれられませんでした」

「ありがとう祐斗、子猫。そういうことらしいわ、イッセー」

 部長が俺に言ってくる。もしかして昨夜の「自信をくれる」とはこのこと?

「あなたは私に『自分は一番弱く才能がない』といったわね?」

「は、はい」

「それは半分正解。ブーステッド・ギアを発動していないあなたは弱いわ。けれど、籠手の力を使うあなたは次元が変わる」

 部長が吹っ飛んだ山を指さす。

「あの一撃は上級悪魔クラス。あれが当たれば大抵の者は消し飛ぶわ」

「ま、まじっすか!」

「基礎を鍛えたあなたの体は莫大に増加していく神器(セイクリッド・ギア)の力を蓄えることのできる器になったわ。現時点でもその力の受け皿として相当なものよ。言ったでしょう?あなたは基礎能力を鍛えれば最強になっていくの」

 お、俺は、俺の力はすごいのか?

「あなたはゲームの要よ。あなたの攻撃力を戦況を大きく左右するの。倍加中に襲われるかもしれないけど、私たちがいるわ、私たちがあなたのフォローしてあげる。チーム戦だもの味方を私たちを信じなさい。そうすればイッセーも私たちも強くなれる。勝てるわ!」

 勝てる、俺が(ライザー)に勝てる。

「あなたを馬鹿にしたものに見せつけてやりましょう。リアス・グレモリーとその眷属悪魔の力がどれほど強いのか彼らに思い知らせてやるわよ!!」

『はい!』











 あれから夕食を終えみんなでリビングで喋りながらくつろいでいた。

「それにしても驚いたよ、イッセーくん。ブーステッド・ギア無しであそこまでできるなんて」

「確かにそうね。すごかったわ、イッセー」

「うふふふ、すごかったですわね」

「はい、イッセーさん。すごかったです」

「・・・・・・・・私も驚きました」

 模擬戦のことをみんなが言ってくる。

「いや~///、俺にもよく解らないんだ。体が勝手に反応して咄嗟に行動してたんだ」

 俺は照れながらもなんで自分があんな風に動けたのか解らなかった。

「それは俺との訓練で身に付いたモノだろう」

 ジオ?

「どういうことだジオ?」

「簡単なことだ。俺との訓練で死ぬギリギリ極限状態を何度も経験したんだ体と頭に生き残る方法が染みついているから条件反射的に行動出来るようなってんだよ」

 ・・・・・・・おい、それって――――

「ジオ!おまえ!俺を殺す気だったのか!!?」

「イッセー、ドラゴンの修行はあんなもんだぞ、そのおかげで強くなれただろう?」

「それはそうだけど~」

 な、なんか納得いかない。

「まあ、残りの日数もビシバシ鍛えてやるから覚悟しろよぉ~~」

 ジオはニヤリと笑った。それを見て恐怖に駆られた俺は叫んだ。

「いっ、嫌だぁぁああああああああああああああっっ」

 その叫び声は夜の山に響いた。レーティングゲームまであと数日。俺は生き残れるんだろうか。 
 

 
後書き
感想お願いします。次回はもっと早く書けるように努力します。次はレーティングゲーム開始です。 
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