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ヘタリア大帝国

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TURN85 日本の奮起その二

「山下さんも立場弱いよな」
「それが焦りにもなったのですね」
「それしかないな、やっぱり」
「日本軍では陸軍不要論も出ているとか」
 シャルロットが話してきた。
「特に今は海軍が活躍していますので」
「まさに縦横無尽だからな」
 フランスは場にいる東郷を見た、見れば今も飄々としている。
 その東郷を見てそして言うのだ。
「そうもなるよな」
「はい、陸軍を海軍に組み込み」
 そのうえでだというのだ。
「軍を統一して陸軍は陸戦隊にするべきと」
「他の国みたいにか」
「そうした意見も出ているそうです」
「じゃああれだな。吸収合併だな」
 この場合はそうなることだった。
「つまりは」
「はい、そうですね」
「他の国は何処もそうしてるけれどな」
 そうした意味では日本はかなり特殊だ、海軍と陸軍に分かれている国なぞ今では日本しかないのだ。
 だからそうした意見が日本帝国の中で出るのも当然だった、だがだった。
 ここでフランスは難しい顔で妹とシャルロットに話した。
「陸軍にとっちゃ面白くない話だよな」
「山下長官のお耳にも入ってますね」
「間違いなく」
 二人もフランスに応じて述べる。
「それが焦りになっています」
「今もまた」
「他所の国の話だしあれこれ言えないがな」
 それをすれば内政干渉になる、だからフランスも直接は言えない。
 しかしそれでもだった、彼は座ったまま腕を組み二人に話した。
「この問題はすっきりさせておかないとな」
「日本にとって憂いとなりかねませんね」
「一歩間違えますと」
「早いうちに何とかするべきだな、日本帝国は」
 フランスは第三者の立場から述べていた、そうした話をしながらだった。
 茶を飲む、その茶の味はというと。
 今度は日本妹が微笑んで山下に言った。
「結構なお手前です」
「どうも」
 山下も応じる、その言葉を受けてだった。
 ここで日本妹は山下にこうも言ったのである。
「お茶には心が出ますね」
「その通りですね」
「今の長官のお心もまた」
 この言葉に場が緊張した、彼女もわかっている。
 その彼女がさらに話す。
「とても澄んでいます、ですが」
「しかしですか」
「もう少しゆとりが欲しいかと」
「あの、それ以上は」
「仰らない方が宜しいかと」
 平良と福原が妹に囁いて止めようとする。
「今は少し」
「お言葉は」
「いえ、言わせて頂きます」
 日本妹は言葉を止めない、そして。
 日本も彼女を黙って見ているだけだ。平良と福原はその彼を見てだった。
 沈黙を選んだ、日本妹はその周りを見ずに認識しながらさらに言う。
「もう少し落ち着かれ」
「そうしてですか」
「そうです、周りを御覧になられれば」
 こう山下に言うのである。
「さらによくなるかと」
「左様ですか」
「お茶を頂きそう感じました」 
 日本妹は微笑んで山下に述べていく。 
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