仮面ライダー エターナルインフィニティ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九十一話 忍ぶ乙女達その六
「首輪をしていた黒猫とな」
「誰かの飼い猫だったんだろうけれどさ」
焔はこのことには照れ臭そうに返した。
「どうしても無視出来なかったんだよ」
「猫と遊べるということはだ」
「そこからわかるっていうんだね」
「あんたの遊び方はあやして可愛がるものだったからな」
それを見てわかったのだ、葦原は洞察したのだ。
「それでだよ」
「あたしはそんなにいい奴かね」
「そう思うよ、皆ね」
津上もだ、焔に優しい笑顔で告げる。
「とてもね」
「恥ずかしいね、あたしはそんな人間じゃないんだけれどね」
「素直でないだけよ、あんた達は」
小沢もだ、焔に微笑んで話す。
「とても素晴らしいものを持っているわ」
「スサノオが何故仕掛けてきたかはまだよくわからないけれど」
氷川は焔の本当の心を見ながら話していく。
「君達の心にあるだろうね」
「人の心を見てそこから人間を見るんですよね、スサノオって」
「うん、そうだよ」
氷川は飛鳥の問いに確かな声と顔で答えた。
「それがスサノオなんだよ」
「じゃあやっぱり」
「まずは行こう」
飛鳥達の世界にだというのだ。
「君達の世界に」
「はい、それじゃあ」
「今から案内するね」
二人の忍達が応えた、そうしてだった。
戦士達はアギトから飛鳥達の世界に向かった、だがここで。
飛鳥も焔もアギトの外でだ、戦士達がそれぞれバイクに乗るのを見て目を瞠って言った。
「あっ、そういえば仮面ライダーでしたね」
「ライダーだからだね」
「そうだよ、俺達は皆マシンに乗るよ」
津上は穏やかな声でバイクの横にいる二人に答えた。
「皆ね」
「ううん、じゃあ私達は駆けますね」
「それで一緒に行くな」
「あっ、トレーラーがあるわよ」
二人に小沢が言って来た。
「ちゃんとね」
「G4のですか」
「それがあったんだね」
「それに乗って行きなさい」
二人に微笑んで告げる。
「いざって時の為に力は温存しておかないとね」
「けれど、悪いです」
「そこまで世話になるのもね」
二人は小沢の申し出に困惑している顔を見せた、飛鳥は自分の左手を胸の前で右手で包んで少し背を丸めている、焔も左手を腰に当てて浮かない顔だ。
「図々しいですから」
「気を使わなくていいよ」
「気を使ってるのはそっちよ」
小沢はその二人にこう返す。
「あんた達の方だから」
「私達がですか」
「気を使ってるのか?」
「ええ、そうよ」
二人に言う。
「仲間だから移動の際は気軽に乗っていいのよ」
「ううん、そうなんですか」
「本当にいいんだな」
「いいわよ、後ね」
小沢は笑って二人にこうも言った。
「今日の夜は焼肉よ」
「焼肉ご馳走してくれるんですか」
「それもいいのか?」
「遠慮はいいって言ったわね」
だからいいというのだ。
ページ上へ戻る