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ふみねこの船。

作者:ちぃ。
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ぽてぽて

海沿いの街。
大きくも小さくない。
普通の街。

今日は何があるかな。

アスファルトにぽかぽか陽気を感じて
ぽてぽて軽やかにステップ踏めば
雀も市場のおっさんも忙しく動きまわってる。

「おはよう」

ぼくが声をかけたら
おっさんがぼくに気づいて

「おはよう!今日は一人かい!今日は大量だぜぇ!…ほらよっ」

ちょっとボロっとした小魚をくれた。
ぼくはお辞儀して、小魚をくわえて
ぽてぽて歩く。軽やかに。

今日もなんて良い天気なんだろう。

ぽかぽか。

アスファルトとアスファルトの間に咲く
黄色いあいつも今日は元気みたいだ。
近々姿を変えて、どこかへ引っ越すらしい。

その時はぼくの背中に乗って運んであげるつもり。

海を見た。
覗きこんだら驚いた。

あ、ぼくの小魚狙ってあいつが来た。
あいつは仲間だけど、仲間じゃなくて、とっても怖いやつ。
同じ身なりなのにぼくの小魚をいつの間にか奪っているんだ。


ぼくはぽてぽてやめて、たったかたったか路地に入った。


ごはん食べたら、今日はもっともっと向こうのあちらの街へ行ってみよう。
ぼくは探検が大好きだ。

今日は何があるかな。

ぽてぽて。


好きなものに囲まれてぼくはぽてぽて街を歩く。

海にはたくさんの白い船。


ぼくはぽてぽて行くのだ。
 
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