ソードアート・オンライン ~白の剣士~
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謎の少女
前書き
遂に二十話まで来ました!
ではどうぞ!
翌日、シオンとエリーシャはキリトとアスナと共にとある森にいた。始め会ったときにキリトがアスナを肩車していたのは気になるが、あえて気にしないでおく。
「で、何の用だ?」
「ああ、少し面白い噂を聞いてな」
「噂?」
キリトはニヤリと笑って言った。
「昨日聞いたんだけどさ・・・。この辺の森で・・・、出るんだってさ」
「は?」
「何が?」
アスナとエリーシャはきょとんとして訊き返した。
「・・・幽霊」
「ほう・・・」
キリトの言葉にシオンは興味津々だった。アスナとエリーシャは絶句してから恐る恐る確認する。
「それって、アストラル系のモンスターってこと?」
「何かのイベントとか?」
「ちゃうちゃう、ホンモノさ。人間の・・・女の子の幽霊」
「ほほ〜う・・・」
シオンはますます興味が湧いた。しかし、それと反比例してアスナとエリーシャの顔は引きつっていく。アスナとエリーシャに関しては、この手はかなり苦手らしく、ホラー系のフロアの攻略にいたっては理由をつけてサボるほどの有様である。
それとは逆にシオンはこの手はかなり得意らしくホラー系のフロアの攻略にいたっては目を輝かせていたらしい。
「で、でもゲームの世界だし、流石に幽霊は出ないんじゃないかな〜・・・なんて」
「それはどうかな〜?例えば、恨みを残したプレイヤーの霊が夜な夜なフィールドをさまよってるとか・・・」
「ヒィ・・・ッ!」
「それで、その噂は具体的にどんなだったんだよ?」
シオンが援護射撃を繰り出し追い討ちをかける。
それに乗ったキリトは再び続きを話し出した。
「ええと、一週間くらい前、木工職人のプレイヤーが丸太を拾いに来てた時にちょっと離れた木の陰にちらりと、白い人影が・・・」
「「・・・」」
もう二人はこの時点で逃げたしたい状況だが、キリトは容赦なく続けようとした。
その時だった。
「なあ、キリト」
「なんだシオン?」
「その白い人影っていうのは女の子か?」
「ああ、そうだが?」
「白いワンピースに・・・」
「ああ」
「長い黒髪・・・」
「ああ」
「そしてそいつからはカーソルが出ないとか」
「よく知ってんな」
「だってそいつ・・・」
シオンが数十メートル先を指さした。
「あそこにいるじゃん」
「「「えっ!?」」」
キリトたちはシオンが指さした先を見る。そこには確かに噂にあった白い人影がいた。
「き・・・キリト君、あそこ」
「おいおい、ウソだろ・・・」
「・・・」
アスナ、キリトはその姿を見て信じられない状態でいる。エリーシャにいたっては口をパクパクさせたまま今にも卒倒してしまいそうである。
しかし、四人の視線の先にいた少女はふらりと倒れてしまった。
「あれは・・・」
「幽霊なんかじゃないぞ!」
シオンとキリトはすぐさま倒れた少女に走り出した。エリーシャはそんな二人に遅れて走り出す。そしていつの間にか座り込んでいたアスナが最後にやむなく立ち上がり、後を追った。
キリトは少女を抱き抱えた。長い睫毛の瞼は閉じられ、両腕は力なく投げ出されている。
「意識はないが生きてはいるな」
「そうだな、消滅してないってことはそうなるな」
「ああ、だが・・・」
「そうだな・・・」
「ねえ、どうなってるの?」
遅れて到着したエリーシャが尋ねた。
「死んではいねーよ、意識はないけど」
「そっか・・・」
「エリー、この子を見てなにか感じないか」
「えっ?何かって言われて」
「この子・・・カーソルが出て無いんだよ」
「あっ!」
シオンに言われてからエリーシャは気づく。今キリトが抱き抱えている少女にはこの世界のプレイヤーなら表示されているはずのカーソルが無いのだ。
「とりあえず、ここを離れよう。モンスターが少ないとはいえのんびりはしていられん」
「そうだな」
シオンたちはその少女をキリトの家に運んだ。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
「さて、どうしたものか・・・」
キリトの家に運んだ少女は未だ目を覚まさずにいる。エリーとアスナは心配そうに見つめていた。俺はキリトを部屋の外に呼びだし、その後のことを話した。
「しばらくはキリトのところで預かってくれないか?もちろん俺たちも協力す
「ああ、分かった。それよりもあの子は一体・・・?」
「カーソルの表示無し、イベントも発生していない。問題は山積みだな・・・」
「とはいえ、あの子に目覚めてもらわないと」
「事は進まない、か・・・」
その後、少女は目覚めることはなく夕方になってしまった。このままキリトの家にいるのは悪いと思い、俺とエリーは家に戻った。
「あの子、大丈夫かな」
「消滅はしてないから問題ないだろう」
とはいえ、俺も気にはなっていた。なぜカーソルが表示されていなかったのか、そしてあのくらいの歳の子ななぜあの森で1人フラフラとしていたのか。
「どうかしたのシオン?」
難しい顔をしていたのかエリーは俺に尋ねてきた。
「いや、何でもない」
考えても仕方ない、か・・・。
俺はエリーの頭を撫でると、そのまま自分の部屋に戻った。
「そうだ、アイツなら何か知ってるかな?」
俺はとある人物の顔が浮かんだ。
「正直やった事はないが、試してみるか」
そう言い俺はベッドに横になり、目を閉じた。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
目を覚ますとそこは見慣れた世界だった。真っ白の、何もない空間。
「やあ、来たね」
「ああ、とりあえず成功だな。アルモニー」
俺の目の前にいたのは俺の心、アルモニーだ。
「よく考えたねこんなこと」
「まあな、単なる思いつきだ。で、聞きたいことがあるんだが」
「分かってる。あの子のことだろ?」
「ああ、ダメ元で聞いてみようかと」
アルモニーはしばらく考えた。
「君の見たものを見て思ったのは、君と同じかな」
「そうか」
「しかし、私は彼女に違和感を感じた」
「違和感?」
アルモニーは静かに頷く。
「とても言葉では説明できない何か・・・」
その言葉に俺は息を呑んだ。
まさか、あの子は・・・。
「そうかもしれないな」
「ッ!」
「『なぜ分かった』と言いたげだな。私は君の心だ、君の思いは私とリンクしている。聞こえて当然だ」
「・・・」
「もし、君の思っていることが当たった場合、君はどうする?」
俺はその問にこう答えた。
「何度も言わせんなよ。俺が救ってやる!」
その答えにアルモニーも口元に笑みを浮かべた。
「そうか・・・やはり君はそうでなくてはな!」
と言ってアルモニーは俺に何かを投げ渡した。それをキャッチし、“それ"を見た。それはライトイエローのクリスタルがさげられたネックレスだった。
「何だよ、飛○石でもくれるってか?」
「身につけておくといい。いつか役に立つ」
「そう、んじゃ遠慮なくつけさせてもらうよ」
そう言って俺はその空間をあとにした。
~side end~
シオンが去った後、アルモニーは一人またこの空間に残された。しす静かな笑みを浮かべて。
「さあ、君の力が試される時だ」
アルモニーの手にはシオンに渡したのと同じネックレスがあった。
「ここから先、君の気持ち、行動がこの世界の行く末を決める。頼んだよ」
アルモニーはネックレスを握り締めた。
「白き・・・流星」
後書き
はい!最後、意味深な感じで終わってしまいました。
話は変わりますが、二十話まで行っても未だにSAO編が終わらないというなんとまあ、おっそい更新でございます。
ですがみなさん、首をながーくしてお待ちください。
(*´∇`)ノシ ではでは~。
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