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マジカル☆ウィッチルフェイちゃん! 

作者:メア
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マジカル☆ウィッチルフェイちゃん学校へ行く

 
前書き
高をついかしました。 

 
 





 私ことルフェイ・ペンドラゴンは現在、黄金の夜明け団が経営する小中高一貫とした学校に入学する為に準備しています。一応、全寮制の場所らしいので、楽しみです。

「ハンカチとティッシュも問題無いし、後は……教科書? 丸暗記してるからいらないよね?」

 必要そうな物をどんどん可愛らしいピンク色のトランクに詰めていきます。可愛らしい洋服とかネグリジェとか。

「駄目でしょ。ちゃんと持って行きなさい。それと、ルフェイは寝る時、転移魔術で家に戻って寝るようにね」

「何故ですか? 基本的には駄目なんじゃ……」

「貴方、どうせ魔力暴走を起こす気でしょ? だから、特別に許可を貰ってこっちに転移で戻れるようにしたわ」

「お母様、賄賂ですか?」

「賄賂ではないわ。あくまでも寄付よ」

 堂々と言ってのけるお母様、素敵です。

「魔石を30個も寄付してやったら大喜びだったわよ」

「そういえば、我が家は魔石を量産しているんですよね?」

「そうよ。それもこれも全部貴方の御蔭ね」

「? どういう事ですか?」

「ルフェイが起こす魔力暴走のエネルギーを圧縮して魔石にしているのよ。高純度の魔石は魔術師にとって必要不可欠なアイテムだから、ボロ儲けよ」

 成程。だから、自室で魔法を使うと直ぐに魔力が魔法陣に吸われたのですね。

「でも、それだとお母様が作るのでもいいのではないですか?」

「今はもうルフェイの方が私の数倍は魔力あるわ。それに魔力暴走を起こしたら確実に死ぬわ。貴方の場合は幼い頃から起こしまくっているから、身体がそれに適応して死なないようだけどね」

「す、凄く危険な事をしていたのですね……」

「そうよ。何度も生死の堺を彷徨っていたんだから。まあ、魔力は好きなだけ増やしなさい。無いと困るけど、あって困る物では無いしね」

「分かりました、お母様」

 筆記用具を鞄に入れて、トランクにも色々と詰め込んでいきます。

「学校の授業はテストさえ受ければいいから、その間は修行に当てなさい。ルフェイが学校で習うような事は既に終えているからね」

「分かりました」

 私が学校に行く理由は簡単です。黄金の夜明け団が保有する魔導書が多数置かれている図書館と錬金術を習う事です。黒と白の魔術、精霊術に関しては既に習得を終えて、訓練するだけですから。

「それと、魔力の効率化をもっと図るように。ルフェイは強引に魔力で解決してしまう事があるから」

「はい」

「無駄な魔力を消費するのは止めた方がいいわ」

「そうですね。持続能力も上がりますし。お母様、魔導書の書き方は……」

「まだ駄目よ」

「残念です」

 準備が終わったので、改めて魔術のお浚いをしてから魔力暴走を起こして眠りにつきました。







 次の日、お母様やお父様、お兄様と食事を取り、駅へと向かういました。駅にある特殊な隠されたホームが有り、そこでお兄様と一緒に列車に乗り込みます。まるでハリポタみたいです。ボックス席の一つに座り、私は魔導書を開いて読み出しました。

「ルフェイはよく、そんなの読めるな……頭が痛くならないか?」

「私は平気です。魔力で脳を守っていますから」

「膨大な魔力のなせる技か」

「むしろ、私にとっては聖王剣コールブランドを使えるお兄様の方が羨ましいですけど」

「そうか。でも、まだ使いこなせないしな。やっぱり、俺も魔力がもっと欲しい」

 私たちは互いに無い物を求めています。聖剣の因子は残念ながら私には無いですから。でも、まだ希望はあります。神器(セイクリッドギア)を私が持っている可能性だってあるんです。原作では持っていないみたいだったので、可能性は低いですが。それになくても、いっそ犯罪者から奪ってしまえば、大丈夫です。術式がわからないので、どうしようも無いですが。

「ん? 車内販売か。ルフェイは何か居るか?」

 外から車内販売を知らせる声が聞こえてきました。

「それじゃあ、グレープジュースで」

「わかった」

 それから、お兄様がジュースとお菓子を買ってくれました。妹に優しいお兄様は好きですよ。

「っと、俺はちょっと知り合いに挨拶をしてくる。知らない奴が来ても開けるなよ」

「はい。いってらっしゃいませ、お兄様」

「ああ」

 ただ、過保護な面も有りますが。それはさておき、お兄様がいなくなった今がチャンスです。

「確か、初めて発動するときにはまず腕を上にかざして最強の存在を想像するんでしたっけ」

 私がイメージするのは生まれたときから魔法使いであり、知識と日陰の少女、動かない大図書館、得体の知れない魔法の元、花雲の魔女と言われる存在。

「そう、パチュリー・ノーレッジ」

 さて、この次はたしかゆっくりと腕を下ろして、そのままその最強が最も強いと思える姿の真似をするんですよね?

「むきゅ?」

 何も起こりません。すごく恥ずかしいです。ええい、次です!
 色々と試しましたが、全然出てきません。

「何やってんだ?」

「はぅっ!?」

 しかも、やってる最中にお兄様が帰ってきて、生暖かい目で見られました。人の事言えないくせに。

「えっと、これは……その……」

「うんうん、わかるぞ」

「違いますからね! 神器(セイクリッドギア)を持ってるか試しただけなんですから!」

 無茶苦茶恥ずかしいのです。

「ああ、成程。神器(セイクリッドギア)は持ってなかったみたいだな」

「はい……残念です。仕方無いので奪う事にします」

「……そうか、そんな方法も……」

「冗談ですよ? 今のところは」

「せめて犯罪者からにしておけよ」

 生き残る為には犠牲が必要なら、支払いますよ。なので、神器は後回しです。術式はレイナーレの時に分かりますしね。





 それから4時間くらいで駅に到着しました。

「ほら、降りるぞ」

「はい」

 お兄様は私の分の荷物も持ってくれたので、楽に外に出れました。外に出てわかった事は、そこは田舎のようなのどかな場所でした。

「お兄様、ここからどうするのですか?」

「ここからはボートか馬車だな。あそこに見える城が学校だ」

「アレが……」

 学校はかなり大きいです。西洋の城をそのまま使っているので当然でしょうが。城の周りには大きな湖が広がっていて、橋で陸地と繋がっています。

「ルフェイはどっちがいい?」

「そうですね……ボートがいいです」

「じゃあ、こっちだ」

 お兄様の案内に従って、ボート乗り場へと向かいました。列に並んで待っていると、直ぐに順番が来て、乗ることができました。

「お兄様、オールが有りませんよ?」

「これは自動だ」

 お兄様が魔力を流すと、ボートは勝手に動き出して、城へと進んでいきます。私も魔力を込めてみようかな。

「魔力を込めれば込める程早くなるから、ルフェイは止めろよ」

 残念、止められてしまいました。仕方無いので、湖に手を入れて冷たさを感じます。

「お兄様、少しくらい……」

「駄目だ。お前の少しは俺の全力より多いからな」

 私の最小単位が1だとすれば、お兄様の単位でいうと万とかになるみたいです。

「ほら、もうすぐ着くぞ」

「はい」

 そんなこんなで、船着場に到着したので、荷物を下ろして階段を上がって行きます。私は私自身とお兄様に身体強化を施します。

「……」

 お兄様はなんともいえない顔をしていました。

「どうしたのですか?」

「いや、こうも実力が違うとなると、やはり俺は聖剣一筋でいいと思える」

「?」

「気にするな」

 お兄様はさっさと私とお兄様の荷物を持って登って行きました。私もその後を追っていきますが、他の皆さんは苦労しているようです。ですので、皆さんにも広範囲化した身体強化をかけてあげました。その後、お兄様を追って走ります。
 そして、城門に着いた私は感想を言ってみます。

「大きいですね」

「そうか? 家と同じだろ」

「そうですけど、私は家の全貌を知りませんから」

「それもそうか」

 部屋に監禁されていた私は知りませんよ。家がお城だったと知ったのもついこないだです。自業自得ですが。

「入学式は明日だから、寮に向かうぞ」

「はい。私の寮はどこでしょうか?」

「それは受付で分かる」

 お兄様と一緒にお城に入ると、小さな子供達が並んだ列がありました。お兄様がそこに並んだので、一緒に並びます。しばらくすると、私たちの番になりました。

「おい、なんでお前が並んでんだよ?」

「妹のだ。これだ」

「妹さんか」

 どうやら、生徒が運営を手伝っているようですね。その人は私を見てきました。お兄様は私を隠すように移動しました。

「ルフェイ・ペンドラゴン。ドラゴン寮だとは思うが、どうだ?」

「ええっと、確かにドラゴン寮だな。部屋は女子寮の最上階の4号室……何やったんだよ?」

「俺にはわからんが、ルフェイは特別だからな。母さん達が何かしたんだろう。ルフェイ、行くぞ」

「はい」

 不穏な言葉が聞こえましたが、気にしないようにしましょう。それから、ドラゴン寮なる場所に向かいました。



 ドラゴン寮は巨大な塔です。この学校は塔を寮にしているようですね。その中に入ると、先ずはサロンになっているみたいです。

「男子寮が右で、左が女子寮だ。悪いが、ここからは入れない。自分で荷物を持って行ってくれ。といっても、ルフェイなら強化魔法で余裕だろうが」

「わかりました」

「部屋は最上階の4号室だ。何か分からない事が有れば、あそこから連絡が取れる」

 お兄様の指差した場所には、伝達の魔法陣が壁に書かれていました。それは女子寮の方にも有ります。

「俺の部屋番号は33番だ」

「分かりました」

 私は女子寮の方の階段を登って行きます。今いるのは殆どが新入生とお手伝いの生徒のようで人があまりいません。明日のお昼ぐらいに人が沢山くるはずです。お兄様も去年はそれぐらいに出ましたし。何が言いたいかというと、登る毎に人が少なくなっていきます。最終的には1人になって、しばらく登り続けました。

「ここが、最上階ですね」

 10階も上がるのは大変です。頑張って上がったら、扉が4つありました。それぞれに数字が振られているので、私は4番の扉に触れます。すると、魔法陣(術式)が起動して、私の魔力波長を調べました。その後、扉が開かれました。中は広く、10メートル四方の部屋です。ソファやテーブル、勉強机など、家具は全てアンティークの高級品で、多数の本棚があったり、大きなタンスも有ります。

「豪勢な部屋ですね」

 何より、部屋の一部には転移術式の魔法陣が描かれています。行き先を調べると、家にある私の寝室とサロンになっていました。つまり、アレですか。この部屋の最低条件は転移魔術が使える事ですか。私はルフェイ・ペンドラゴンなだけあって、転移魔術は得意中の得意ですし、何の問題も有りませんね。

「さて、お片づけをしましょう」

 無記名の白紙の本を多数本棚に並べて、教科書なども並べて行きます。無記名の白紙本は魔導書を作る為の物です。お母様が全然教えてくれないので、学校で調べようと思っています。
 2時間ぐらいで、部屋の片付けと模様替えが終わりました。





 
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