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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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目覚めと悲劇と決心と

アースラ病室

「…………う……」

転生者の1人である麗花が目が覚める

暫くボーッとした後異空間での出来事を思い出す

「!此処は何処!?」

辺りを見回して気付く

隣のベッドにはあのとき食べられた筈の……あの事態を起こした転生者が眠っていた

「生き…てるの?」

身体をまさぐったり頬を抓ったりして確かめる

「取りあえず知らなきゃ……教えてコーラル……」

首に下げてある自分のデバイスに語りかける、が反応がない

「?コーラル?どうしたの?」

しかし返事がない

その時プシュッと機械的な音がしてその方を向く

そこには黒髪の少年…クロノが立っていた

「起きたんだな、丁度良かった…今回起きたことを覚えているかい?」

「……あなたは?」

警戒と確認を込めて言葉を投げつける

「あぁ、すまない…僕はクロノ•ハラオウン…時空管理局執務官だ
此処はアースラにある医務室だ…どこか不具合はあるか?」

「(やっぱり…)至って大丈夫よ…それにしてもどういうこと?
記憶上、私捕食されたはずなんだけど」

「ソレについては「ぐっ…此処は……」…彼も起きたようだし隣の会議室で話をしよう…」

「………分かったわ」

「は?おいてめぇ!此処は何処だ!」

「……それじゃぁ頼むよ……はぁ」

ため息をついて退室していくクロノ…分かるわその気持ち…

「何があったか知りたいのなら、付いてきなさい…今の人が教えてくれるわ」

「ちっ………」




アースラ会議室


「さて、まず始めに…私はリンディ•ハラオウンと言います。
この艦の船長です」

「クロノ•ハラオウンだ…君達の名前は?」

「…有栖 麗花です」

加味我(かみが)(ぎん)だ」

「そう、ソレではまずききたいのだけど、加味我君はどうしてデバイスを持っているの?」

「ふっ…俺だからだ!」

馬鹿じゃないのか……?

「……………はい?」

引かれてるわね…かなり

「えっと、もう一度…いえ、止めておきましょう…」

賢明な判断ですね

「取りあえず、何があったかの説明をします」

あれ?私には聴かないんだ

リンディ説明中

「ちげぇよ!あのモブがなのは達に手を出そうとしてたから切りかかっただけだ!」

「………君は何か知っているか?」

「………取りあえず…説明通りで合っています」

「………一般人への暴力行為か…」

「あぁ?お前らコイツを信じるってのか!?」

「取りあえず詳しい話は後日に控える
今日は帰って貰って構わない、転送ポートまで送ろう」

クロノは退出を促し席を立つ

加味我も舌打ちをしながらも席を立ち、クロノについて行った

私も続いて行こうとしたところで

「あなたは少し残って貰えるかしら?」

意味が分からなかったが残ることにしよう

「分かりました」



「それじゃ聴きたいのだけど…あなたはどうして巻き込まれたのかしら?」

「加味我がデバイスを振り回しているのを見たから仲裁に入ったんです」

「……どうやって?」

「?…飛んで…ですが…」

「あなたは空が飛べるのかしら?」

「何を言っているんですか?魔力を持ってすれば飛ぶのなんて簡単じゃないですか」

「……魔力?貴方には魔力は感じられないのだけど……」

「………は?」

「彼の方は凄い魔力だったけど…確かSSは有ったわね…でも貴女からは感じられない
どういうことかしら?」

私の中で何かがつながった気がした

さっきまでの違和感

反応しなかったデバイス

デバイスの出所について私には聴かなかったこと

そして魔力が0の宣告………

特典が……消えた………?

「そんな……何で……?」

「取りあえず今日は家に帰ってもらって、後日、話しましょう?自分の中で整理を付けてきてね?」

「………………………はい………」

「…………………」

辛うじて返事はしたが、特典が消えた……これだけで絶望が襲う

魔力がなければ原作に関われない…空を飛ぶことも出来ない…学校に行けば暗示は解けるだろうし
………どうすれば……?


そんな思考を乱立させながら重い足取りで自宅へと歩いていった………








side蒼也

蒼也はユウジ運ばれ、今は自室で療養していた

「……………ふぅ………帰って来れたのかな……」

目を開けると何時もの見慣れた天井

「起きたか?飯食えるか?一応身体に不安は無いはずだが…」

扉の方にはユウジが立っていた

「ユウジ…」

「飯が食えるなら下に降りてこいよ?もう夜だぜ」

そう言うとユウジは下へ降りていった

僕もそれにつづいていった



リビング

「いただきます」

「……いただきます」

二人で食事をとる

しかし脳裏に浮かぶのは異空間で起きた悲惨な事態…

考えている間にいつの間にか食事の手が止まってしまっていた

「ユウジ…あのさ」

僕はポツリと口を開いた

「…何だ?」

少し間を開けてユウジは応答した

「その…強くなりたいんだ、今よりもっと…」

「……勘違いしているようだから言うが、あれはお前のせいではないぞ」

「……確かにそうかもしれない…でも、そうじゃないかもしれない…あの時、僕がもっと強ければ
結果を変えられたかもしれないんだ
僕は弱くて、ただアイツ等が喰われるのを見ているしか出来なかったんだから…」

「かもしれない……それはもう過去の話だな」

「そうだね…過去だ。過去は変えられる物じゃない、だけどまたこの先にあるかもしれない
事件や事故に何もしないまま立ち向かえるはずがないんだ」

「…………強くなってどうするんだ?」

「決まってる、護るんだ、今回みたいになにもできず、只見ているだけなのは嫌なんだ」

「護る……それは力が無くてもできることだと思うが?」

確かにそうだ…別に強く無くても護る方法は幾らでもある…
だけどコレはそんなに単純な物じゃないし、思いじゃない…
伝えるんだ…僕の決意を、意志を…

「今だから言うけど…僕は君に憧れているんだ…」

そう、嘘じゃない…今日まで見てきた

明らかに無理だと思える事すらも改善させていった…
オマケにそのことに対して見返りを求めていない

優しいだけじゃないんだ…強い…そう、心が強いんだ
僕はこんな所を凄いと思い、憧れを抱いたんだから

「…俺を憧れの対象にする奴は初めてだな…だが、俺は強くないぞ」

「僕は只強くなりたいんじゃない…体は勿論、心、精神、知識…それら全面で
強くなりたい…君のように」

「お前が言うほど完璧じゃないぞ、俺は…」

「それでも君は遥か上にいる…君が頂と言っても良い
僕は君の隣に立ちたいんだ!君の背中じゃなく、君と同じ景色を見て
隣に立ちたい…!」

「……隣に立つ…ね、ふむ…………」

「………………………」

暫くの沈黙が続いた…

ユウジは何かを考えるよう、目を閉じて腕を組んでいる

「ま、良いかな…承った」

「!それじゃあ!」

「あぁ、見てやるよ…だけどな、一つ…俺と契約してもらう」

「契約?魔法少女ならおことわりだけど」

「宇宙の藻屑にしてやろうか?」

「ごめんなさい……それで、契約って?」

「……裏切らない事だ…人間関係において、信頼、期待を裏切る…これだけは絶対に
しないという契約だ」

「良いよ」

「……随分と軽いな?誓いは約束よりも堅いぞ?」

「当たり前だよ…僕は君を絶対に裏切らない
たとえそれに命が掛かっていても」

そういった瞬間、足元に魔法陣が出現し、僕を足から頭に通り抜けるように
登っていき、頭上で止まったかと思ったら胸の位置にチクリと痛みが走った

「……これで契約は完了だ……胸を見てみろ」

「胸?」

そう言われて僕は服を引っ張り、胸を確認した

僕の胸には竜の顔を思わせる紋章が刻まれていた

「これって……」

「契約の証だ…ソレがない状態で俺の隣に立つなんて不可能に近いからな」

「?竜の紋章、だよね?竜の力でも使えるとか?」

「そう言うことだな。正確には俺の力だが」

「でも何で竜?好きなの?」

「………いってなかったか?俺は竜と人のハーフだぜ?」

「えぇ!?そうなの!?……なる程、だから長寿なんだ…納得」

「まぁいい、取りあえず今日はお開きだ…明日遅刻しないように早く寝ろ」

「え、あぁ、うん…お休み」

「あぁ、お休み…因みになぁ、食われた奴ら生きてるから」

「あぁ、そうなんだ…分かった……………………えぇぇえぇええ!?」

深夜、僕の声が響き渡った瞬間だった………

「(コレはブランコ少女達が正体知ってるのは言わないでおくか)」

次の日の学校で僕がなのはに問い詰められたのは言うまでもなかった

因みに銀髪君はいたよ?何もなかったかのようにうざかったけど………… 
 

 
後書き
加味我 銀→かみが ぎん→髪が 銀

そのままですね、ひねりないですね 
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