IS《インフィニット・ストラトス》 ~死神の序曲~
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特別話
『IS《インフィニット・ストラトス》~星を見ぬ者~』コラボ話
交差する世界
前書き
どうも♪
私のこの『IS《インフィニット・ストラトス》~死神の序曲~』が暁で連載中の白さんの『IS《インフィニット・ストラトス》~星を見ぬ者~』とコラボすることになりました。
というのもこのコラボの話は私のISの作品を書き始めた頃には白さんと話し合っていた企画です。
本当はお互いタッグマッチ戦が終わってからする予定だったんですが、諸事情により少し早めに実施することになりました。
スウェンとレイくんの話をうまく伝えられたかは分かりませんけど楽しんでくれれば嬉しいです♪
毎回、話をメールで白さんに見せているのでおかしなところはたぶんないと思いますが、不信に思うことがあればお伝えください。
ではコラボをどうぞお楽しみください!
~スウェンside~
朝、俺は寮から校舎に向かっていた。
すると、ピピッと誰かから通信がかかってきた。
相手は不明だと?
俺は警戒しながら校舎の影に隠れ、その通信に出る。
「こちらスウェン・カル・バヤンだ。お前は誰だ?」
そう告げると聞き覚えのある笑い声が聞こえてきた。
『フッフッフ♪スー君の未来のお嫁さん、篠ノ之 束さんだよ♪』
「…何だ、お前か」
そういうと、束は気に入らなかったのかふてくされた声で喋り出す。
『む~、せっかく連絡したのに連れないぞ~』
「で、用件は何だ?」
俺はグダグダと話す気はなかったので用件を尋ねる。
機嫌を損ねるかと少し思ったが、束は普段通りに喋り出す。
『まあ連れないスー君もまた良しかな♪さて用件何だけどね、今から送る武装データをバグがあるか確かめてほしいんだよ』
「何?」
『まだまだ開発段階でね~、粒子と素粒子……って言っても良く分からないよね♪簡単に言うと銃なんだけど撃ち出した弾に当たった相手を次元をねじ曲げて他の次元に跳ばすっていう武装なんだよ♪』
「……」
何ていうものを考えるんだこの人は…。
そんなものがあったら防御も何もあったものではない。
そう思い言葉を失っていると束がまた喋り出す。
『まあまだ開発段階でそこまでの威力は出ないし、当たってもその部分の装甲が破壊されるだけだよ』
「それでも十分な威力だと思うのだが…」
『まあこの天才である私もこれ以上威力を上げるとなると銃自体が耐えきれない上に撃ち出した本人まで巻き込むような大規模な事故が起こるのが確実だからこれで一応完成にしようかなと思っているのだよ』
「…そうか…」
この人の考えることはよく分からん。
『あ、それとちーちゃんにはアリーナの使用許可貰ってるから心配いらないよ♪そこで稼働実験してね♪まあ試作だから重大なバグとかおかしなところあったらまた教えてね♪じゃあまたねスー君!』
そう言ってすぐに切れる。
あい変わらずこちらの予定や都合を考えない人だ。
そう思いながら俺はどのアリーナが使用可能かを確かめる為、職員室に向かった。
/※/
俺は職員室に行き、そこで千冬から第二アリーナで行うように言われ、第二アリーナに来た。
人払いはもうとっくに済んでいるようで誰も来る気配はない。
俺はストライクを呼び出して、新武装を展開する。
すると出てきたのはスナイパーライフルより長く、対戦車用ライフルよりでかい大型の銃だった。
……これは普通に撃てるのか?
そんな疑問はさておき、俺はターゲットを出した。
400メートル先のターゲットに照準を合わせ、両手で構える。
そして引き金を引いた。
カチッ。
「ん?」
カチッ、カチッ。
「どうしたんだこれは?」
引き金を引いたのに弾が発射されない?
俺は銃を粒子化させてデータチェックしようとした時に異変は起きた。
銃が粒子化されず、内側からひしゃげて少しずつ変形してきていた。
それを見た俺は武装を離し、距離をとろうとした。
その次の瞬間、銃が爆発して渦のようなものが発生し俺を飲み込んだ。
そして俺の意識はそこで途切れた。
俺が消えた後のアリーナは円上に抉れた地面が残されているだけだった。
~スウェンsideout~
~千冬(序曲)side~
私が朝、HRの準備をしていると山田先生が職員室に走り込んできた。
「た、大変です!」
「どうした山田先生?とにかく落ち着け」
私が落ち着かせようと一言言うが、山田先生はすぐに喋り出す。
「だ、第二アリーナに重力異常が発生!今のところ近くにいた生徒、教員は避難させましたが余談を許さない状況です!大急ぎで緊急の放送を!第二アリーナ付近は通信や放送が出来なくなっていますのでそこはISの教員部隊を」
「何だと !? 全員聞いていたな?至急行動に移せ!至急にだ!」
私は山田先生の言葉を聞き、皆に発破をかける。
一体、何が起きているというのだ?
~千冬(序曲)sideout~
~レイside~
ふむ、いきなり朝から第二アリーナ付近には近づくなって警報がなっているね~。
まあ無視させてもらうけど。
一体何が起きているんだろう?
そう思い、デスサイズを起動してハイパージャマーで姿を隠しながらアリーナに移動する。
ん?センサーに重力異常の警告?
でも行かないわけにはいかないよね。
だって計画の障害になるものだったら排除しなきゃならないし。
そしてアリーナの入り口に近づいた時、アリーナの中から爆発音が聞こえた。
そして同時に重力異常が消失した。
調べようと思い、教師が来る前に即座に忍びこんでアリーナの中心を見るとクレーターが出来ていて、その中心で銀髪の男の子が横たわっていた。
うん、気を失ってるね…。
さて、僕に出来ることはなさそうだし出るか。
後でハッキングでもしてこの子の正体を確認しますか。
そう思いアリーナを出ようとした時に教員部隊が入ってきた。
出るタイミングを失ったなぁ…。
仕方ない隠れておくか。
僕は少し教員部隊と距離を取り、少し見学することにした。
~レイsideout~
~スウェンside~
俺が気が付くと保健室で寝かされていた。
…確か銃が爆発して…。
束もやはり人の子だったということだな。
このまま寝ていては一夏達に心配をかけてしまうし、起きるか。
そう思い、起き上がろうとすると起き上がれない。
俺は不思議に思いよく見ると、ベッドに縛られた状態で寝かされていた。
これはどういうことだ?
少々混乱していると保健室に誰かが入ってきたようだ。
そしてカーテンを開けてきたのは千冬だった。
俺は一体あの時に何が起こったのか、そして何故縛られているのかを聞こうとすると先に千冬がこちらに尋ねてくる。
「お前は何者だ?」
「…は?」
俺は一旦千冬の言葉の意味が分からなかった。
その俺の反応を見ても千冬は話し続ける。
「そしてお前が持っていたものの中に所属不明で解析不能のISがあった。あれは何だ?」
何を言っているんだ千冬は?
何故俺のことを知らない?
そして俺のストライクは義父さん達が作ったドイツ製の機体であなたも知っている筈では?
俺は少々混乱していたが、どうにも千冬がおかしい。
「教師織斑、何をおかしなことを言っているんだ?」
「私はお前のような生徒は知らんし、何故男であるお前がISを持っていた?」
どうも話が噛み合わない。
「なら…」と俺は提案する。
「ラウラを呼んでくれ」
「何故お前がボーデヴィッヒのことを知っている?」
「呼べば分かる」
「分かった。呼び出してくる。少し待っていろ」
千冬はそう言うと保健室を出ていった。
一体何がどうなっているんだ?
俺は混乱する頭を整理しながらラウラを待つ。
5分くらい立っただろうか?
保健室のドアを開き、ラウラと千冬が入ってきた。
俺は入ってきたラウラに声をかける。
「ラウラ、すまないが教師織斑に説明してくれないか?」
俺はそう言うがラウラの反応がいつもと違う。
例えるなら出会ったばかりのラウラのような感じだ。
俺がラウラに言った後、ラウラが俺の言葉に返答するがそれは予想外の言葉だった。
「私には貴様のような知り合いはいない。馴れ馴れしくするな!」
「!!!!!」
俺はラウラの言葉に絶句した。
何故、どうして、頭の中でぐるぐると同じ言葉が繰り返される。
「教官、用も済みましたのでこれで」
「ああ、すまなかったなボーデヴィッヒ。それと学校では織斑先生と呼べ」
「はい!すいませんでした!それでは失礼します!」
ラウラは千冬と話し、出ていってしまう。
「さて、ボーデヴィッヒはお前を知らんと言っていたが?」
「……」
俺は混乱度が増していたがこう知り合いの反応がおかしいのであれば恐らく一夏達を呼んでも同じだろう。
そう思い、混乱する頭を必死に落ち着かせて千冬に事のあらましを話した。
/※/
全てを話し終え、千冬の反応を待つ。
「…そうか。私はお前は嘘を言っているようには見えないと思う」
「…」
「だがお前の言っていることは矛盾だらけだ。ドイツの代表候補生に男のIS操縦者はいない。それどころかISを操縦できる男は1人だけでお前ではない。それにストライクと言ったか?このISを作ったと言われる博士の名前は聞いたこともない。それではどうやって信じろというんだ?」
俺はその言葉に沈黙しか返せない。
一体どうなっているんだ?
「これなら別の世界に飛ばされたと言った方が信憑性があるな」
その言葉が俺の耳に残った。
別の世界……俺も過去に一度移動した経験がある。
もしかして今回もそれではないのか?
すると原因は何だ?
篠ノ之 束が実験依頼してきた銃しか思い当たらない。
まさか……!
「教師織斑、もしかすると教師織斑の言っていた通りかも知れません。にわかには信じがたいですが…」
「何だと?」
「俺も別の世界に飛ばされたと言った方が納得出来ますから」
「ほう?」
そう話し始めた時に保健室のドアが開いた。
そこには見知らぬ女子生徒が立っていた。
だが千冬はその生徒を見て警戒している?
もしかするとコイツは学園の生徒ではないのでは?
そう思っていると千冬がその女子に向かって話しかける。
「長岡、どうやってここまで来た?この保健室に通じている廊下は封鎖していた筈だが?」
「いやぁ、ちょっと気になっちゃて来ちゃいました♪それに束のことを話しているのを聞いちゃったら無視出来なくって♪」
束だと?
束を呼び捨てにするほど仲の良いやつが一夏達以外に学園にいたか?
それに廊下は封鎖中ということは教員が見張っていた筈だ。
それを掻い潜る程の腕を長岡という生徒は持っていることになる。
それにこの感じは生徒会長である楯無に通じるものがあり、俺はあまり好きになれない。
「それに重力異常のあった第二アリーナの中心にクレーター作ってその真ん中で寝ていたのを見ちゃうとどうしても興味が湧いちゃうじゃないですか♪」
「…長岡、第二アリーナの異常やコイツがそこにいたことを何故知っている?」
「そこにいましたから♪そこからそこの子が起きるまで保健室の外にいました♪」
ずっとこの女子が話を聞いていただと !?
千冬も気付けない程の腕だ。
ストライクを装備していない俺がどうこう出来る相手かどうか…。
そう考えているとその女子がまた喋り出す。
「そうだ!その彼、ISを動かせるそうなので模擬戦してみたいんですけど良いですか?」
「何だと?」
「すまないが断らせてもらう」
俺は理由もないのに怪しいやつとは対戦したくはないと思い、千冬が答える前に俺が答える。
「え~、良いじゃないですか。だってIS動かせるんですよね?どれぐらいの強さか気になるじゃないですか♪」
「何度も言うが断らせてもらう」
俺は即座に断る。
するとその女子はニヤニヤと笑顔になる。
この笑顔は何か嫌な感じがするな…。
「さっき束に連絡したんですけど、音声メッセージを送ってきました。聞きます?」
「何だと?」
「…いきなり何だ?」
「前置きはいい。再生しろ」
「はいはーい♪ポチッとな♪」
その女子がいきなりディスプレイを出しボタンを押すと聞き覚えのある声が再生される。
『はぁ~い♪ラブリープリティー束さんだよ~♪』
これを聞くとやはりどこにいってもコイツは変わらないのだなと思った。
そう思っている間にも話は進む。
『別の世界のISを操縦できる子がいるって聞いたよ~♪その子のことなんだけど私が元の世界に戻れるように色々調べてあげるよ~♪』
それを聞いて顔を少し顔を上げる。
『ただーし!ただじゃないよ~♪レイきゅんとISで勝ったらっていう条件を付けさせてもらいま~す♪ちーちゃんはちゃんと審判してね~♪じゃあバイバイキ~ン♪』
「「……」」
「アハハハハハ♪あい変わらずだよ束は♪」
それを聞いた俺と千冬は黙り込んだが、長岡という女子は笑っていた。
…これはこの女子に仕組まれていたな…。
「…分かった……受けようその勝負…」
「よし!聞きましたよね織斑先生?」
「…分かった。準備をしておこう」
そう言い千冬は俺の拘束を解き、ストライクを返してくる。
「では放課後までに準備をする。そういえば名を聞いてなかったな?」
「スウェン。スウェン・カル・バヤンだ」
「そうか。カルバヤン、ここの保健室で放課後まで待機してもらう。良いな?」
「分かった」
俺が千冬と話しているとさっきの女子が話しかけてきた。
「じゃあ私も自己紹介♪長岡 怜だよ♪よろしくねスウェンくん♪」
「…よろしくはしたくないがそうは言っていられんしな……長岡、やるからには容赦はしない」
「アハハ♪怜で良いよ♪放課後が楽しみだよ♪」
そう言って長岡は保健室を出ていく。
…正直、長岡という女子は好きになれそうにないな…。
俺はそう思い、長岡と千冬が保健室から出ていくのを見送った。
~スウェンsideout~
後書き
備考です。
この転移話の時間軸はタッグトーナメント戦数日前の話となっております。
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