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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0356話

「ア、ア、ア、アクセル君! クウネルさんはどうしたの!?」

 控え室に戻った俺へと、ネギが突っ込んでくる。その様はとてもじゃないが少し前まで俺と冷戦状態にあった人物のものとは思えなかった。
 ……まぁ、それだけ父親に対する想いが強いんだろうが。

「それを俺に聞かれてもな。まぁ、奴はお前の父親であるナギ・スプリングフィールドの仲間だったらしいし、高畑か学園長にでも聞けばどこにいるか教えて貰えるんじゃないか?」

 その俺の言葉を聞いたネギは唖然とした顔を俺へと向ける。

「父さんの、仲間? え? でもだってさっきは……」

 ん? 何かネギの様子が変だが……もしかしてクウネル・サンダースの正体が実はナギ・スプリングフィールドだとでも思ってたのか?

「まぁ、そもそも奴の詳しい話を聞くにしてもこの武道大会が終わった後でいいだろう。それよりも次はお前の準決勝だが、準備はいいのか?」
「……あ、はい。そうですね。そうですか。父さんじゃなかったんだ……」

 俺の言葉が余程のショックだったのか、トボトボと試合会場へと向かって歩いて行くネギ。その後ろ姿からはこれから準決勝での戦いに挑もうとしている人物には見えない。
 しょうがない、か。

「おい、ネギ」
「はい、何ですか?」
「お前の力を俺に見せるんじゃなかったのか? そんな状態での力を俺に見せた所でどうにもならないし、そもそも桜咲に勝つというのも難しいぞ」

 その言葉の効果は劇的だった。しょんぼりとした顔だったネギに次第にやる気が漲っていったのだ。

「そうだった。この戦いは僕だけじゃなくて、僕の力を示す為のものでもあったんだ。アクセル君、決勝で待っていて。すぐに僕もそこまで辿り着くから」

 それだけ言って、試合会場へと向かうネギ。先程とはまるで違うその背を見送り、口を開く。

「で、お前は何か言葉を掛けなくても良かったのか?」
「しゃーないやん。偉そうな事をネギに言ったのに、俺は負けてもうたし」

 振り向くと、そこにはバツの悪そうな顔をした小太郎の姿があった。

「ネギはそんなの気にしてないと思うけどな。……で、クウネルのズルの種は分かったか?」
「うーん、分かったと言うか、分からされたと言うか……あれやろ? 多分試合に出とったのは使い魔とか式神とかそっち関係」
「まぁ、当たらずとも遠からずといった所か」

 コピー体と使い魔、式神。そこにどれ程の違いがあるかは分からないので、取りあえずは誤魔化しておく。

「けど、アクセルは良くあのフード男の正体が分かったな」
「長年の戦闘経験によるもの……とでもしておくか」
「長年って、アクセルは俺やネギと同い年くらいやろ?」

 ……ん? あぁ、そうか。小太郎は俺の正体を知らないのか。考えるまでもなく、オレの記憶を追体験したのはヘルマンが麻帆良に襲撃してくる前だしな。

「ま、その辺は後で機会があったらな。それよりもネギの試合を見に行かないのか?」
「……しゃーない。アクセルがそこまで言うんなら見に行ってやってもええかな」

 素直じゃない小太郎を連れ、ネギVS桜咲の試合が行われている試合会場へと向かう。

『なんと、桜咲選手のデッキブラシを避ける、避ける、避ける! ネギ選手の回避能力がもの凄いぞ!』

 試合会場へと入った途端聞こえてきたその放送に、俺と小太郎は舞台の方へと視線を向ける。そこでは確かに桜咲が縦横無尽に振るっているデッキブラシをひたすらに耐え凌いでいるネギの姿があった。
 ただ、その姿は朝倉が言っているようにネギが有利という訳では決してない。どちらかと言えば全身全霊を込めて回避に専念しているネギの方が不利なように俺には見えていた。

「かー、刹那のねーちゃん強いなぁ。さすがに神鳴流や」

 小太郎もまた俺と同意見なのか、感心したように桜咲へと視線を向けている。
 ただ、いつもと違うのは。

「ネギの持っている杖が戦局を握りそうだな」

 そう、ネギがいつも使っているナギの形見だという杖を持っているのだ。神鳴流の剣士として修行を続けてきた桜咲の攻撃をネギが回避し、防ぎ、捌き続けているというのはその杖のおかげというのもあるのだろう。
 ……けど、魔法使いの杖。即ち魔法発動体の杖をああいう風に棍のようにして使ってもいいのか? 今回は相手がデッキブラシだから問題も無いんだろうが、これで桜咲の武器がいつもの大太刀なら真っ二つになってるような。

「お、ネギが仕掛けるぞ」

 デッキブラシの攻撃を凌ぎながらも、無詠唱で雷の矢を発動。杖へと流し込んで、振るわれたデッキブラシをかいくぐって懐へと入り込む。同時に杖の上の部分でデッキブラシの柄を跳ね上げ、そのまま桜咲の鳩尾へと……

「あ、駄目だ」
「え? 何でや?」

 雷の矢を利用した杖の突きが放たれる前に思わず呟く。その言葉を聞き咎めた小太郎が物問い気にこちらを見ているが、俺は黙って事の成り行きを見守っていた。
 デッキブラシを杖で跳ね上げられた桜咲は、ネギが杖を構えて突きを放つ前に空中へと跳躍。そのまま剣圧を放つ。確か斬空閃とかいう技だったな。それはつまりネギへとカウンターで入った訳で……

「何!?」

 だが、その成り行きに声を上げたのは小太郎ではなく俺だった。斬空閃がネギへと命中すると思った瞬間、なんとネギは突きだした杖をそのまま跳ね上げ、桜咲が放った斬空閃を逆に切り裂いたのだ。
 いや、これも雷の矢が込められているからこその芸当なのか。
 桜咲にしても予想外だったのか、一瞬目を見開く。そしてネギはその隙を逃す程に甘くは無かった。

「瞬動、使いこなせるようになってるんやな。昨日教えたばっかなのに」

 小太郎の悔しそうな声が聞こえる中、微妙に俺もそれに同意する。俺も瞬動や虚空瞬動の習得にはそれなりに苦労したからだ。それを1日であっさり使いこなすネギはやはりある種の天才なのだろう。

『なんと、なんとなんとなんと! まさに目にも止まらぬ動きとはこの事か。つーか、2人共動きが速すぎて私には何が起こっているのかいまいち理解出来ないぞーっ!』

 朝倉の言葉通り、桜咲とネギはお互いがお互いに途切れる事なく瞬動を使って己の武器をぶつけ合っていた。
 そして舞台の上を縦横無尽に駆け抜ける事、数分。最後の一撃とばかりに雷の矢を使って放たれた一撃をデッキブラシでいなしながらカウンターで放たれる力任せにも見える一撃。斬岩剣だったか。
 その一撃を瞬動で回避したネギはそのまま咄嗟に桜咲との距離を取る。

「そろそろ時間です。次の一撃で決めましょう」

 桜咲は持っていたデッキブラシを横へと放り投げ、素手での構えを取る。

「最後はネギ先生の得意な無手でお相手します」

 挑発するかのような台詞に、ネギもまた無言で舞台の床に杖を置く。

「わかりました。僕の精一杯でお相手させてもらいます」

 無詠唱で使われた魔法の射手を己の身に乗せて桜咲と向かい合うネギ。
 桜咲の気、そしてネギの魔力が極限まで集中して客席にいる者達も含めて周囲は静寂に満ちていく。
 ごくり、と俺の隣で小太郎が唾を呑む音が聞こえ……その瞬間2人が動く!
 お互いが瞬動を使い、一瞬にして距離を詰める。
 放たれる桜咲の拳。
 それを紙一重の動きで回避し、懐に潜りこむネギ。
 攻撃を外された桜咲の鳩尾へとネギの肘がめり込み……

「ぐっ……」

 桜咲は無言で気を失い、その場へと倒れ込んだ。

『桜咲選手、気絶! 勝者、ネギ・スプリングフィールド選手となります!』

 朝倉の放送で、観客席が歓声に包まれていた。先程の俺とアルビレオとの戦いが不完全燃焼だった分、余計に盛り上がったのだろう。実際、見応えのある試合であったのは事実だし。

「……くそっ」

 俺の隣で小太郎が悔しげに呟いていた。

「あそこまで届かなかったのが不服か?」
「……」
「なら、もっと強くなれ。それこそネギにも勝てるくらいにな」
「……へっ、自分よりも、とかは言わないんか?」
「俺はお前達よりももっともっと先にいるからな。俺に手の届くところまで昇ってきたら相手をしてやるよ」

 自信満々に見えるような表情を作り、小太郎にそう宣言する。

「はっ、いいやろ。近いうちに……とは言わへんが、いずれ必ずアクセルに勝たせて貰うで!」

『決勝戦は30分後となります。観客の皆様はそれまでに準備を整えてお待ち下さい』

 30分後か。ここにいれば試合開始前にネギと顔を合わせる可能性もあるし、場所を移すか。

「小太郎、悪いが俺はちょっと場所を移る。お前はネギの所にでも行ってやれ」
「は? まぁ、ええけど……」

 首を傾げながらも、ネギの様子が気になるのは事実なのか控え室へと向かったのを見て、場所を移動する。移動場所は龍宮神社の屋根の上だ。さすがにそこにいれば観客やネギ達に見つかるような事は無いだろう。
 ……そう思っていたのだが。

「ほら、やっぱりアクセル君は私の予想通りにここに来ましたわ」
「あー、あやかの勝ちか。ま、しょうがないから武道大会終了後のデート権は譲るわよ」

 何故か勝ち誇っているあやかと、残念そうに溜息を吐いている美砂。

「アクセル君、怪我とかは無い?」
「千鶴、アクセル君の試合は見てたでしょう? 殆ど一方的な戦いばっかりだったじゃない」
「けど円……」

 俺の心配をする千鶴と、その心配性な千鶴を宥める円だった。

「お前等、どうしてここに……」
「アクセル君なら休憩の時間中にネギ先生と仲良く語り合う、なんて真似をするとは思えなかったからですわ」

 得意気に言うあやかだが、それにしたって俺がここに来るとまでは予想出来無いだろうに。それを問うと。

「それはもちろん、愛ですわ!」

 との答が戻ってきた。
 ……あやかの愛は凄いなー、とどこか遠くを眺めてしまったのはある意味しょうがないと言いたい。

「それよりも、次はいよいよ決勝でしょ? ネギ君とだけど……大丈夫?」

 円が冷たいスポーツドリンクを渡しながら尋ねてくる。

「本来なら大丈夫じゃない、とか言えばそれらしいんだけどな。幸か不幸か全く問題無い。それにネギが俺に自分の力を見せるという理由があるように、俺にも優勝しないといけない理由があるからな」
「……そう。怪我をしないで、とは言わないわ。でも、自分で決めたんならそれを貫き通して頂戴」
「あー、円ばっかりずるいじゃない。私もアクセル君に勝利のおまじないをしてあげる」

 そう言って頬へとキスしてくる美砂。

「ちょっと、美砂! 別に私はそんなおまじないなんてしてないわよ!」
「ちょっと美砂さん、貴方最近抜け駆けしすぎではないですか!?」
「あらあら、もうすぐ決勝なのに緊張感はどこにいったのかしら」

 そんな風なやり取りをしていると、確かに千鶴の言う通りに元より殆ど無かった緊張感は既に完全に消え去っていた。

「……悪いな」
「いいのよ。私達はアクセル君の従者なんだから、ご主人様の為に力を尽くすのは当然でしょう?」
「千鶴さん、ご主人様って呼び方はちょっと……」
「あら、円はいやなの?」
「ご、ご、ご……ご主人様。アクセル君が私のご主人様……」

 久しぶりにトリップしているあやかが元に戻る頃には、既に休憩時間は殆ど残っていなかった。

「さて、じゃあそろそろ時間だし行ってくるとしよう」
「……アクセル君、応援してます」
「怪我はしないようにしてね」
「格好良い所、見せてよね」
「チアリーダー部の応援付きなんだから、格好悪い所を見せたら後で罰ゲームね」

 あやか、千鶴、円、美砂の4人から応援の言葉を貰い、瞬動を使い屋根を蹴り、虚空瞬動で宙を蹴り、試合会場の舞台へと着地する。

「おわっ、ア、アクセル君? 早かったね。っていうか、どこから登場するのさ」

 俺が空から降ってきたのに驚いた声を上げる朝倉だったが、すぐにニヤリとした笑みを浮かべる。

『さて、そろそろ決勝戦が始まる時間も近づいて来ました。その決勝戦に参加する選手であるアクセル・アルマー選手は戦いを待ちきれんとばかりになんと空からの登場です!』

 観客席からも朝倉の煽るような放送にテンションが上がっていく。
 そしてその放送を聞いたからという訳でもないだろうが、ネギもまた試合会場へと姿を現す。
 その手には桜咲と戦った時同様に杖を持っており、強い意志を込めた目で俺へと視線を向けてくる。

『そしてもう片方のネギ選手も登場したぞ。この麻帆良武道会が開始された時には、一体誰がこんな子供2人で決勝戦が行われると思ったのでしょうか』

 試合会場の舞台で向き合う俺とネギ。

『ここで入った情報によりますと、ネギ選手が噂の子供先生ということは皆さん承知していると思いますが、実はアクセル・アルマー選手もまた、男女共学と飛び級に関するテストケースとして3-A所属。つまりはネギ選手の教え子であるとの事です』

「……負けないよ、アクセル君」
「ネギ、お前の力を見せてみろ」

『では、麻帆良武道会決勝戦……始めっ!』 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:655
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    異形化

撃墜数:380 
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