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転生物語―魂の力―

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DS編
  目覚め~ガーゴイル討伐

 
前書き
本当はDQ8を最初にしようと思ったんですが、息抜きってレベルじゃないぐらい話数がいると二話まで書いて気づいたのでキンクリされました。そのため、現実→DQ8主人公憑依→DS編(今ここ)になっていますのでご了承ください。 

 
「っつ・・・・・・ここはどこだ?」

 頭に鈍い痛みを覚えながら体を起こす。あたりを見回してみると、ここは開けた広場のよう

な場所らしく、周辺には風化した廃墟を連想させるような壁などが存在している。
 しかし・・・・・・何故俺は生きている?(・・・・・・・・・) 八神 将也(やがみまさや)という日本人としていきていたはずの俺は、ある日目が覚めると知らない世界で子供になっていた。その世界で俺はエイトとして生き、妻であるミーティアの死を看取った後、竜神族の里に隠居して、ついさっき息を引き取ったはずなのに。

「・・・・・・い! 聞いてんのか!」

「ん? ああ、すまない考え事をしていた」

 声のする方へと視線を向けると、そこにいたのは頭意外をチェインメイル一式で固めた男だった。日本人であったころの感性を用いて言うならば、北欧系の顔つきだろう。

「まあいいさ。そんなことより、だ。ようこそ、神々の住まう土地ロードランへ。新たな不死

人よ」

「・・・・・・不死?」

 これが俺の三度目の人生。ロードランでの不死の英雄としての始まりだった。

――――――――

「これでよし、と。少し休憩するかな」

 俺は篝火に炎を灯し、エスト瓶の補充を行い腰を落とした。
 体を休めていると脳裏に浮かぶのはあの戦士から聞いたこの世界についてだ。かつてこの世を支配していたという古竜。それ等を打倒した()グウィンとその騎士及び協力者。そして、突如人々に浮かび上がった不死人の証、ダークリング。不死人を隔離する不死院。そこから脱出し、ここ神々の住まうロードランへと辿り着く選ばれた者たち。そして・・・・・・

「不死人に与えられし使命、か」

 あの戦士が言うには不死人には目覚ましの鐘を鳴らすという使命があるらしい。正直突然すぎてどうしたらいいか分からない俺は、とりあえずその使命を果たして見ることにしたのだ。
 幸い、前世で所持していた武具や道具。はては身体能力まで受け継いでいたため、さして問題はないだろう。

「さて、まずは不死街を抜けて不死教区にたどり着かないとな」

 腰に携えたロングソードを引き抜き、ヒーターシールドを装着する。さて、亡者を切り伏せ先に進むとしよう。目指すは目覚ましの鐘だ。

「さて、ここを抜ければ不死教区もすぐのはずだが・・・・・・」

 塔と塔をつなぐ細長い通路。ここを抜ければ不司教区にぐっと近づく・・・・・・はずなんだが。

「いるな。ヘタをすればあの黒騎士より強いのが」

 ここまでの道中にて遭遇した、亡者兵士とは一線をかくす強さを持った黒き騎士。攻撃が単調だったためそこまで苦労はしなかったものの、その性能の良い鎧などに攻撃を阻まれ倒すのに時間がかかってしまった。まあ、そいつの使っていた剣が手に入ったのはラッキーだったが。

「まあ考えていてもしかたがない。とりあえず、やるか」

 塔の屋上にいた亡者兵士二体を倒し、通路を進む。そして、通路の中程まで進んだところで、敵が姿を現した。

「お、おおぅ」

 現れたのは牛を思わせる頭を持った二足歩行の怪物で、その大きさはゆうに4、5mはあろうかという巨体であった。
 これでも前世ではさまざまなモンスターのいる世界で暮らし、暗黒神ラプソーンを倒し世界まで救った身だ。この程度の大きさの的とは戦いなれている。戦いなれているのだが・・・・・・

「今まで人間大のサイズの敵ばっかだったのに、予想外すぎだろ!?」

 今までの敵が敵だっただけに、純粋に驚いた。しかし瞬時に思考を先頭へと切り替える。巨体の的と戦う時のセオリー。それは・・・・・・

「まずは相手の動きを封じる!」

 俺は敵の斧による一撃を回避行動(ローリング)で躱し、股の下を抜けて背後に回る。そして、ロングソードで相手の膝の裏を切りつける! 一度では終わらず連続で切りつけていく。さすがこの巨体を支えているだけあって、筋肉が固く剣が通りづらいのだ。
 しかし相手の攻撃を躱しては切るを繰り返し、都合十発程の斬撃を繰り出したあたりでようやく相手の神経を切断するにいたったようだ。片膝でも潰してしまえばあとはこちらのもの。

「巨体ってのはただ動くだけで驚異だからな念のため、もう片方の足も潰させてもらうぞ」

 こうなれば後はワンサイドゲームだ。もう片方の足も同様の方法で潰し、体中を切り刻んで体力を消耗させたところで眉間に剣を突き立てて止めを刺した。
 順調な滑り出しだ。さて、先に進むとしよう。

――――――――

「やっちまったな・・・・・・」

 油断した。目が覚めて最初に思ったのはそれだった。牛頭のデーモンを倒し、先へと進んだ俺はソラールと名乗る男と出会い、時間の歪んでいるロードランで協力しあう術を授かり友誼を結んだ。そして、先へ進もうとしたその時・・・・・・

「まだいるんだな・・・・・・竜」

 空から竜によるブレスの強襲を受け、丸焼きにされてしまったのだ。現在の俺の装備は元々この世界で身につけていたアイアンヘルムにハードレザー一式。正直、炎に対する耐性などないに等しい。

「まったく。いくらこの世界では不死だからって、怠けすぎだろう」

 それに、不死だ不死だというが絶対ではない。死に続け、精神が摩耗していけばやがて亡者へと成り下がる。

「もう、油断はしない」

 これ以降は決して死なない。そう決意を固め、俺は再び城下不死教区目指して歩を進めた。

「さて、この先かな」

 油断。慢心。それ等を捨て去った俺は破竹の勢いで探索を勧めていった。途中、出会った鍛冶師に装備の強化及び彼の販売していた武具を購入するために近隣の亡者兵士やバルデルの亡者騎士を狩っていたが、今日ついに鐘を目指して歩を進めた。
 現在の俺の装備は塔のカイトシールドにクレイモア。防具は変わらずだ。

「さて、行くか」

 金色のサインを見つけた俺はソラールの霊体を呼び出し、先へと進む。無論、既に武器は既に鞘から抜いている。

「気づいているぞ」

 あたかもオブジェの一部かのように塔に潜んでいるその存在。”鐘のガーゴイル”。不死人の前に立ちはだかる、鐘の番人。

「悪いが、早々に片付けさせてもらう!」

 俺は城下不市街で手に入れていた黄金松脂を使い、クレイモアに雷の力を付与する。霊体のソラールも既に武器を抜き放ち万全の体制だ。これで、負けるはずがない。
 戦いは一方的だった。クレイモアを振るい、ガーゴイルに大きなダメージを与えていく俺と、その隙を見ては”雷の槍”と呼ばれる奇跡を使い援護に回るソラール。元々ガーゴイルには雷の属性が効きやすかった事もあり、二体目が戦線に参加する前に一体目を撃破。二体目は元々損傷していたためさっくり降すことができた。

「ありがとう。助かったよ」

 消えゆくソラールの霊体に礼を言い、俺は鐘を鳴らすべく梯子を登っていく。そして、ついに鐘へとたどり着きそれを鳴らした。

「これで・・・・・・」

――半分だ 
 

 
後書き
現在DS編三話まで書いてあり、もっと書き溜めてから放出しようかと思っていたのですが明日から三日間程西の方に旅立つ(国内で、かつ旅行ではない)のでなんとなく放出です。
アーチャー憑依の方は全く手がついておりません。この三日間が終わればやや落ち着くと思うのですが、そちらの方の再開はまだ未定です申し訳ありません。 
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