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ハイスクールG×D 黄金に導かれし龍

作者:ユキアン
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第17話



コカビエルからの招待を受けたオレ達は学園へと向かった。そこには既にシトリー眷属が学校全体に結界を張っていた。

「リアス先輩、学園は大きな結界で覆っています。これで余程の事が無い限り外に被害は出ません」

一番近い所に居た匙が現状を報告してくれる。

「しかし、この結界も気休めにすぎません。コカビエルが本気を出せば、街だけでなく、この地方都市そのものが崩壊します」

「安心しろよ。こっちには最強の双葉が居るからな。聖闘士は地上の愛と平和の為に戦う戦士だ。双葉が動かない事は有り得ない」

「その神代の強さを知らないから何とも言えないんだよ。実際の所どれ位なんだよ?」

「双葉の本気?」

そう言えば考えた事が無かったな。何時もはオレより少し上位まで手加減してくれていたからな。ティアマットの時も手加減していたみたいだし

「とりあえずティアマット級が10体位居ても無傷で倒しそう。というかブレスの直撃を喰らっても平気な顔してそう」

「はぁ?なんだ、その化け物は!?」

「まあ心配する方がおかしいかな。そんな存在だ。本人はなんだかんだで空気が読めるからギリギリまで手は貸してくれないだろうけど」

「その神代先輩から連絡が来ました。祐斗先輩と一緒にこちらに向かっているそうです。先に戦闘を開始してもらって構わないそうです。それからイッセー先輩に伝言です。『私が駆けつけるまで何としてでも皆を守り抜け』だそうです」

小猫ちゃんが携帯の画面を見せながらそう言う。画面には双葉からのメールが映し出されている。

「分かった。それじゃあ、準備します」

オレは背負っていたパンドラボックスを下し、鋼鉄聖衣を纏って赤龍帝の篭手を装備する。最近調整したばかりなので異常は何処にも見当たらない。

「部長、行けます」

「分かったわ。さあ、行くわよ!!私達は結界の中に入ってコカビエル達の相手をするわ。フェニックス戦とは違い死線よ!!でも、死ぬ事は許さない!!生きて帰ってまた皆で学園に通うわよ!!」

「「「「はい!!」」」」

オレ達は校門から学園へと入っていく。結界内に入ると同時に校庭の方から巨大な力を感じ、そちらに向かう。そこでは5本のエクスカリバーが光を発しながら宙に浮き、エクスカリバーを中心に巨大な魔法陣が描かれている。そして、エクスカリバーの傍にコカビエルとは違う堕天使が佇んでいた。

「これで何をするつもりだ」

オレがそう叫ぶと堕天使が答える。

「5本のエクスカリバーを1つにするのだよ」

「バルパー、後どれ位でエクスカリバーは統合する?」

エクスカリバーの上空で宙に浮いているイスに座っているコカビエルが居た。

「5分程だな、コカビエル」

「そうか。では、頼むぞ」

そしてオレ達の方に視線を向ける。

「サーゼクスが来るのか?それともセラフォルーか?」

「違うな、やってくるのは聖闘士だ」

リアス部長が何かを言う前にオレが答える。

「聖闘士?何処かで聞いた事があるな」

「地上の愛と平和の為に戦う神殺しの戦士。少なくともテメエなんかよりも遥かに強い奴だ」

オレが言い切ると同時にコカビエルが巨大な光の槍をオレに向かって投擲してきた。オレは赤龍帝の篭手に小宇宙を集めて光の槍を掴み取る。

「そしてオレも強い」

掴み取った光の槍を握りつぶす。

「ほう、今代の赤龍帝は中々楽しめそうだな。だが、その前に私が連れてきたペットと遊んでもらおうか」

コカビエルが指を鳴らすと、闇夜から三つ首の巨大な犬が姿を現した。

「ケルベロスか」

「さあ、私を楽しませろ」

「ギャオオオオオオオオォォォっ!!」

ケルベロスはオレ達を向いて威嚇の咆哮をあげた。

「うるせぇんだよ!!」

部長達が怯む中、オレは一気に懐に飛び込み、真ん中の顔にアッパーを繰り出して宙に浮かせる。そしてその胴体を掴み、回転しながら上昇してそのまま地面に頭から叩き付ける。

「ペガサスローリングクラッシュ!!」

校庭に叩き付けられたケルベロスはその身体の半分以上を地面に埋めて力が抜けている。

「よし、準備運動は終わった」

「ケルベロスを一撃、それも赤龍帝の篭手の力を使わずにか。ふ、ふふふ、ふははははは、良いぞ、実に良いぞ赤龍帝。これなら存分に楽しめる」

そう言ってコカビエルが再び指を鳴らすと新たに2体のケルベロスが姿を現す。

「邪魔をされても困るのでな。グレモリー達にはこいつと遊んでいてもらう」

「部長、任せても大丈夫ですか」

「いつまでも貴方達師弟に頼りっきりになる訳には行かないからね。こっちは任せておきなさい」

「頼みます」

ケルベロスを部長達に任せてコカビエルが居る上空まで跳ぶ。

「待たせたな」

「構わん。さあ、楽しもうぞ!!」

「断る!!」

オレとコカビエルの拳がぶつかりあう。







~~~~~~~~~~~~~~~~~~


私達が学園にたどり着いた時には既にコカビエルとの戦闘に入っていた。上空ではイッセーとコカビエルが、地上では他の皆が二体のケルベロスと、そしてそれらから離れた位置に堕天使が一人。

「バルパー」

「あれが、聖剣計画の首謀者か」

隣に立つ木場が堕天使の顔を見て呟く。なるほど、あいつが仇か。
そして奴の近くに5本の聖剣が見える。

「バルパー!!」

木場が飛び出したので私はそれを追う。バルパーの元に辿り着くと丁度儀式が終わったのか5本の聖剣が1つになる。

「完成だ。そしてエクスカリバーが一本になった光で、下の術式も完成した。あと十五分程でこの街は崩壊するだろう。解除するにはコカビエルを倒すしか無い」

十五分か。イッセーでは倒しきれんな。今の所は五分の戦いをしているが長引けば経験の少ないイッセーが不利。

「フリード」

「はいな、ボス」

あいつは私の部屋を破壊した神父か。

「陣のエクスカリバーを使え。最後の余興だ。五本の力を得たエクスカリバーで戦ってみせろ」

「へいへい、まーったく、オレのボスは人使いが荒いんだから。でもでも、チョー素敵仕様になったエクスカリバーちゃんを使えるなんて光栄の極み、みたいな!!うへへ、ちょっくら悪魔の首でもチョンパしますかね」

「木場、お前の答えを見せて貰おうか」

「ああ、見ていてくれ」

木場が一歩前に出る。

「バルパー・ガリレイ、僕は『聖剣計画』の生き残りだ。いや、あなたに殺された身だ」

「ほう、あの計画の生き残りか。これは数奇な物だな。こんな極東の島で会う事になるとは。私はな、聖剣が好きなのだよ。それこそ夢に見る程心を躍らせたからなのかなのだろうな。だからこそ、適正が無いと知った時の絶望と言ったら無かったよ。自分で使えない、それなら使える者を人工的に作ろうと思ったのだ。そして君たちのおかげでとうとう私の実験は完成した」

「何を言っているんだ?僕達を失敗作と言って処分したじゃないか」

「聖剣を扱うのに必要な因子がある事に気付いた私は、その因子の数値を調べた。だが、どれもこれもエクスカリバーを扱える数値に満たなかったのだ。そこで思いついたのが『因子だけを抽出し、集める事は出来ないか?』というアイディアだ」

「つまり、あなたは」

「想像の通りだ。持っている者達から、聖なる因子を抜きとり、結晶を作ったのだ。こんな風に」

バルパーが懐から取り出した宝石、それを見て私は顔を顰める。話を聞く限り、無理矢理引き抜いている以上、恨みなどが籠っていてもおかしく無いのだが、その宝石には温かい小宇宙を感じる。

「これによって聖剣使いの研究は飛躍的に向上した。にも拘らず、教会の者は私を異端として排除し、果てには私の研究成果を利用したのだ!!私を断罪したにも関わらずにな。しかし、あのミカエルも被験者から因子を抜き出しても殺してはいない所を見ると、私よりは人道的と言えるか。はっはっはっ」

バルパーは愉快そうに笑い、木場は怒りと憎しみに身体を震わせる。

「バルパー・ガリレイ、自分の研究、自分の欲望の為に、どれだけの命を弄んだんだ」

「そこまで言うなら、これは貴様にくれてやろう。この結晶は貴様の同士達から取った因子から造り出した物だ。環境さえ整えば量産は可能だからな」

なるほど、温かい小宇宙が込められているはずだ。木場の同士達は死してなお木場の事を思っているのだろう。
バルパーが投げ捨てた結晶を優しく受け止め木場は愛おしそうに抱きしめる。

「みん……な」

木場の瞳から流れる涙を見て、私は小宇宙を結晶に与える。私の小宇宙を媒介に姿が透けている何人もの少年少女が現れる。

「自分たちの事はもう良い。君は君の道を歩いてくれ」

一人の少年が微笑みながら木場に話しかける。

「私達の為に自分を縛られないで」

一人の少女が木場を優しく抱きしめる。

「……ずっと、ずっと思っていたんだ。僕が、僕だけが生きていて良かったのかって。僕より夢を持っていた子が居た。僕よりも生きたかった子が居た。僕だけが平和な暮らしを送っていていいのかって……」

「確かにそうだけど、君には僕達とは違って待っている人が、見守ってくれている人達が居る。今僕らに力を貸してくれた様に」

木場が私の方を見てきたので、首を縦に振って答える。

「ありがとう、ありがとう」

木場が更に涙を流す中、少年少女達は聖歌を奏でる。

「僕達は、いつもひとつだ」

結晶が砕け散り、少年少女達の姿は薄れていき、代わりに莫大な小宇宙となって木場を包み込む。

「ああ、何時見ても綺麗な光景だ。小宇宙が目覚める瞬間とは」

木場を包み込んでいた小宇宙が収まるに連れて木場自身の小宇宙が燃え始める。

「バルパー・ガリレイ、貴方を滅ぼさない限り、第2、第3の僕達が産み出されて死んでいく」

「研究に犠牲はつきものだ。ただそれだけの事だ」

「僕は剣になる。部長を、仲間達を守る剣に!!今こそ僕の思いに応えてくれ、魔剣創造!!!!」

魔なる力と聖なる力が小宇宙によって混ざりあっていく。そして産み出される一本の剣。それはフリードの持つ聖剣よりも神々しいオーラを纏っている。

「禁手、『天覇の聖魔剣』。聖と魔、そして小宇宙を有する剣の力、その身で味わうと良い」

木場は一直線にフリードに向かって走りだす。フリードも木場に向かって走りだし、聖剣を振るう。しかし、木場の産み出した聖魔剣の一振りによって粉々に砕け散った。

「はあああああぁぁぁ!?そんなのアリですかぁぁぁ!?大昔から最強伝説を語り継がれてきたんじゃねえのぉぉぉぉぉ!?」

「これで終わりだああ!!」

エクスカリバーを折られて動揺しているフリードに木場は聖魔剣を振りかざした。フリードにそれを防ぐ手は無く、鮮血を振りまきながら地面に倒れ伏した。

「僕らの剣が、エクスカリバーに勝ったよ」

「せ、聖魔剣だと?有り得ない。反発しあう二つの要素が混じりあうはずがない」

「残念だったな。バルパー・ガリレイ、確かに聖なる力と魔なる力は混じりあう事は無い。だが、そこに剣という要素を加えれば共有出来る物が発生し混ぜ合わせる事が出来る。まあそれ以外にもとある要素があるのだがな」

「それ以外の要素だと?いや、そうか、そういうことか。聖と魔、それらを司る存在のバランスが大きく崩れているとするならば説明は付く。つまり、魔王だけでなく、神も」

後方から近づくそれに気付いた私は拳撃を飛ばして撃ち落とす。どうやらイッセーは部長達を庇って負傷したようだな。レイナーレが治療しているが、すぐには動けそうに無い程に重傷のようだ。

「無粋だな」

「ほう、貴様が赤龍帝の言う聖闘士か。まさかただの人間だとは思わなかったが、なるほど、今の攻撃を防ぐ所を見るとまんざら嘘でもないようだ」

「コカビエル、一体何を」

「バルパー、お前は優秀だ。だが、オレはお前が居なくても別に良いんだ。最初から一人でやれる」

「コカビエル、貴様!!」

激昂してコカビエルに飛びかかろうとするバルパーを手で制する。

「バルパー・ガリレイ、貴様は悪行を為してきたが、純粋な悪ではない。ゆえに私は手を出さない。しかしコカビエル、貴様は違う。この地上に戦乱を齎すというのなら貴様を排除する」

「たかが人間ごときに出来るのならな」

「木場、5秒だけ時間を稼げ。お前の聖魔剣以上の聖剣を見せてやろう」

「分かったよ」

木場がコカビエルに斬り掛かっていくのと同時に黄金聖衣を纏い、右手に小宇宙を集めていく。

「見ているが良いバルパー・ガリレイ。お前と同じく聖剣に憧れ、使えなかった男が自ら鍛え上げた聖剣の切れ味を」

5秒。私が模倣した為に発生してしまった時間。黄金聖闘士の戦闘としては致命傷以上の溜めを行なってから放たれるそれは威力はオリジナルと変わらない。聖剣に憧れた男が生涯に掛けて鍛え続けてきたそれは男の死を持って完成した。それまではただの無銘、死後についたその名は

聖剣抜刀(エクスカリバー)!!!!」

右手に小宇宙を溜めた普通の手刀。それがこの技の正体だ。だが、聖剣の名に相応しいだけの結果を残す。聖剣は軌跡すら見せずに全てを斬り去った。私からコカビエルの方向にある全てを。コカビエルの身体が斜めにズレるのと同時に世界すらもズレる。

「聖剣に斬れぬ物無し!!」

世界が元に戻る時になってやっと衝撃が発生する。

「これは、まさしく私が夢見た聖剣」

「すごい、これが黄金聖闘士の力なのかい?」

後ろでバルパーと木場の声が聞こえるが今は無視する。目の前に墜ちてきているコカビエルはまだ生きている。身体を半分に斬られたというのに中々しぶとい。

「よくその程度の力で世界を戦乱に巻き込もうとしたな。所詮貴様は井の中の蛙だったという事だ。もう聞こえていないだろうがな」

さすがに何もする事は出来ずにコカビエルは消滅する。

「そして、お前は私に何か用なのか?」

「ほう、気付いていたか」

「隠れる気も無いくせによく言う」

上空を見上げると白い全身鎧に身を固めた男が居た。

「ふっ、本来ならそこのコカビエルを捕縛しに来たのだが、面白そうなので見学していたのだが、赤龍帝も居て、赤龍帝より強い奴まで居るどうするべきか、どう思うアルビオン」

『そこに居る金色と戦りあうのは止めておけ。コカビエルの二の舞になる。赤いのは怪我が深すぎる。楽しめないぞ』

『ふん、久しぶりだな白いの。敵意が段違いに低いが、何かあったのか?』

『そういう赤いのも。何か楽しみでも見つけたか』

『ああ、楽しいさ。今代の赤龍帝は強い。3ヶ月前までただの人間だったのが、既にここまで強くなった。今回は経験不足から深手を負ったが、歴代最強を名乗れる。こいつが何処まで行けるのか、楽しみでな。もしかすれば数年のうちにお前との決着が付くやも知れん』

『だ、そうだ。ヴァーリ』

「そうか。ならば全力で戦ってみたいものだ、アルビオン。ここは退くのが良策だろうな。だが、最高だ!!俺の代で最強の赤龍帝と戦えるなんて!!」

「また戦闘狂か。少しは理性的であって貰いたいものだ。最初に忠告しておく、無闇に争いを広げようとするのなら一方的に蹂躙するぞ。聖剣抜刀は私が苦手とする部類の技だ。威力はともかく、溜め時間は戦闘に使えるまで鍛えていないからな」

「だろうな。だが、いずれは超えてみせる。では、失礼させてもらう」

そう言ってヴァーリと呼ばれた男は閃光となって消えた。


 
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