インフィニット・ストラトス 黒剣の死神と謳われた天才
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
疑問
俺は刀奈をお姫様抱っこしながら地下の廊下を歩いていり。織斑が壊したのか、シャッターがいくつも壊れている。
「ここか」
刀奈から貰った情報にある目的地に着き、ドアが開くと三人の女性がいた。
「更識さん!いったいどうしたんですか!?」
丸眼鏡の女性は刀奈を心配して聞いてきた。確かこの人は日本元代表候補の山田真耶だな
「腹部を撃たれますが大丈夫です」
「確か君はジークフリード社の神倉社長だな、今は学園長と会談をしている筈だが、何故ここにいる?」
「愚問ですね『ブリュンヒルデ』。あなただって知っている筈でしょ?我々の仕事」
IS学園は、学園長が信頼を置ける教師にはジークフリード社のことを知らされている。『世界最強』がそれを知らないわけがない。
「……………」
「ところで、二つ聞きたいことがあるんですけど、良いですか織斑千冬?」
「答えられる範囲でなら」
「では まず一つ目、今回の襲撃事件の犯人はこの女ですか?」
俺は拘束されている女性を見ながら聞くと、織斑千冬は「そうだ」と短く答えた。
「そうですか。なら、二つ目の質問は少し待ってください」
ドガッ!
俺は織斑千冬にそう言って、拘束されている女性の顔に膝蹴りをかました。その光景に織斑千冬と山田真耶は驚いている。
「神倉社長。何を!?」
山田真耶が驚きながら聞いてきた。
「ちょっとこの女性に忠告しようと思いまして……今回はこの程度で済ましてやるが今から言うことを覚えて上に報告しろ」
俺は低い声で拘束されている女に忠告した。コイツの顔には見覚えがある。三年前、水月と戦って負けた女だ。だからすぐどこの国か分かる。
「な…に!?」
「『次に更識楯無、そしてIS学園に手を出したらお前達の国が世界地図から消える』と伝えろ。一字一句違わずにな」
それだけ言うと女は分かったらしく、怯えている。織斑千冬も何か構えてるし、そんなに殺気は出したつもり無いんだけど。俺は気を取り直して、二つ目の質問を始めた。
「二つ目の質問は何故織斑一夏があなたのワンオフ・アビリティー『零落白夜』を使えるのかについてです」
「…いや、すまない。それについては不明だ」
(何か隠してるな。無理に聞いて教えてくれなさそうだ)
「………そうですか。なら、織斑一夏がどこに行ったか教えてくれませんか?」
「分かった。山田先生、彼にデータを」
「わ、分かりました!」
山田真耶は急いで俺にデータを渡してくれた。俺は黒風を展開して織斑の所に向かうことにした。
「俺は目的地に向かいますので、更識楯無のことお願いします」
俺は急いで次の目的地に向かった。束さんに聞きたいことがあったがまあいいか、あとで聞けばいい。
ー◇◇◇◇◇◇◇◇◇ー
目的地に着くと、簪の他に織斑も含め六人いるが、織斑を含め三人がマッサージチェアみたいなのに寝ていた。電脳ダイブか。
「真理君なんでここに!?」
「簪、神倉社長と知り合いなの?」
簪の驚きにシャルロット・デュノアが俺と簪の関係を聞いてきた。
「…真理君はお姉ちゃんの許嫁で…私の幼なじみ」
「簪そんなことより、今の状況を教えろ」
「…今、織斑君が二人を救助するために電脳世界に行ってるの」
なるほど。つまり、今が絶好のチャンスってわけから。そう思い俺は一つの注射器を取り出した。
「ちょっとあんた!何してるのよ!?」
俺が織斑の腕に注射器を刺すとツインテールの女子が聞いてきた。俺は血を抜いて、注射器と一緒についていた、小さい円柱の容器に入れて保管した。
「なにって、血を採っただけだが?」
俺はそう言って次は織斑の髪を五本抜いた。きれいに毛根が付いていたのでティッシュで髪を包んでポケットに入れた。
「あんた、そんなの採って何をする気よ!?」
「場合によっては、わたくし達を相手にすることになりますわよ!」
「僕も2人と同じ考えです。神倉さん」
今度はオルコットとデュノアもか、めんどくさいな。俺は少し息を吐いて昔の感覚を出した。
「お前達が俺を相手にするだと?……笑わせるなガキ共」
俺の発言に三人共も顔から汗が出始めている。簪は昔の俺を知っているためあまり驚いていないが心配そうに俺とデュノア達を見ている。
「……まぁいいか。悪いなビビらして、ちょっと気になる事があってな。それで織斑の遺伝子情報が必要なんだ」
「気になること?」
デュノアが警戒しながら聞いてきた。
「いや、大した事じゃない。だから気にするな」
俺はそれだけ言って部屋から出て、黒風を展開して学園長室に戻った。
ー◇◇◇◇◇◇◇ー
「おや、お帰りなさい神倉君。書類のサインは済ませておきましたよ」
轡木さんはモニカさんとお茶を飲みながらチェスをしていたらしい。
「轡木さん。一つ聞いても良いですか?」
「なんですか?」
「あんたもしかして、織斑一夏がISに乗れる理由知ってるじゃないんですか?」
「…何故そう思うのか教えてくれないかね」
「織斑は俺の目の前で『零落白夜』を使いました。普通ワンオフ・アビリティーは絶対に他者がマネすることは出来ない物だ」
IWSを研究していた俺には分かる。ワンオフ・アビリティーは絶対にマネ出来ない。だから同じワンオフ・アビリティーを使う方法は一つしかない。だが、織斑の性別上はそれはありえない。
「……………」
黙りかよ。まぁいい。
「モニカさん帰りますよ。明後日の準備もありますから俺達はこれで失礼します」
俺とモニカさんは学園長室を出て、車に向かった。轡木さんも織斑千冬も隠している。なら、それを調べてやるよ。
後書き
次回からはIS学園編です。
8巻と9巻の間という感じでやっていきます。
ページ上へ戻る