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新たな人生は戦国時代!?

作者:レンカ
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俺の実力と君の名前

「ーー斬刀《ザントウ》鈍《ナマクラ》ーー」
そう小さく呟くと、俺の左手に一本の刀が出てきた。
女侍は驚き
「どこから出した?」
誰が答えるか、そう思い俺はそっけなく
「どうでも良いだろ?」
「貴様、私に楯突くきか?」
「俺は命の恩人を救うだけだ、ソレのどこが悪い」
俺は刀を抜かず、居合いの構えをとった。
「どけ!!私は関係の無い奴は殺したくない!!」
女侍は大声で説得してきたが
「二度も言わせるな………」
俺がそう答えると
「クッ!!後悔しても知らないからな!?」
そう言って、こちらに向かって走ってきた。
そして目の前で跳び
「ハアァァァァァ!!!」
女侍はそのまま刀で一刀両断しようとした















「ーーーー秘剣ーー零戦ーーー」
俺のその言葉と共に


シャリンッ




どこかで鈴の音が聞こえ、女侍の持っていた刀は真っ二つに折られていた。いや、切られていた。(縦に)

そして、大振りで俺を切ろうとしたのに真っ二つに切れたせいで、空振りして勢い余って女侍はそのまま倒れた。
俺は鈍を女侍の喉元に近付け
「降参するか?」
「誰がするものか………殺せ」
兵は我に返ったのか女侍を助けるために此方に向かってきた。
「動くなぁ!!」
大声でそう言うと、兵はそこで止まった。
俺は横目でそれを見たあと、
「それ以上、動いたらコイツを切る!」
「私のことは構うな!!今すぐ、こいつを殺せ!!!」
女侍は動きの止まった兵にそう言うが、誰一人として動けなかった。
「良い部下たちじゃないか」
俺は鈍を真上に上げ、
「最後に言い残す言葉は?」
女侍は覚悟を決めたのか、目を閉じ何も言わなかった。
「…………………」
「ならーーーーーーー



ーーーーーさようならだ」
そう言って鈍を振り下ろした。



ブンッ


しかし、女侍は切られることはなかった。
女侍は恐る恐る目を開けると、鈍は目と鼻の先で止まっていた。
「………どういうつもりだ?なぜ殺さない?」
「………お前、本当はこんなことやりたくなかったろ?」
その問いに女侍は驚き
「そ、そんな訳ないだろ!?私は「だったら、何故?刀を抜いたとき凄く悲しい顔をしたんだ?」そ、それは……」
俺は鈍を鞘に戻し、頭をポリポリ掻きながら
「…………もしかして、それ以外思い付かなかった?」
図星だったのか、女侍は顔を横に向けた。
「ハァ……………バカだなお前」
「な!?何だと!!」
「だってそうだろ?……………ぁぁ、理由を言うのメンドクセェ」
まぁ、と言って
「とりあえず、俺がこの子を引き取ってこの村から出ればなんの問題もないだろ?」
「それは、そうだが……」
「なら決定だ」
そう言って俺は幼女の方に向き
「君はどっちが良い?ここに残るか、俺と一緒に来るか?」
幼女は少し悩んだ後、俺に抱きついてきた。
「俺と一緒の方がいいか?」
「……………」(コクッ)
「なら行くか!!」
俺は幼女の手を引っ張りながら、村を出ようとすると
「待て!!」
二人で後ろを見ると、ついさっきの女侍が追いかけてきていた。
そして、俺を指して
「次に会ったときは絶対に負けないからな!!貴様の名は!!」
「俺?………俺の名は城崎優信だ!!あんたは?」
女侍は大声で言った。
「私の名は『柴田勝家』だ!」
……………………えっ?
「すまん、よく聞こえなかったみたいだ、もう一度頼む」
「柴田勝家だ!!」
…………ハァ?
「ハアァァァァァアアァ!!?」
その絶叫じみた声は村中に響いた。



















~30分後~
女侍もとい柴田勝家達が殺気を出して追いかけてきので
俺は幼女を肩に抱えて全力疾走している最中であります。
えっ?何故かって?いや~それがねぇ
「まさか、戦国無◯や信長の野◯とか少しでも戦国のゲームをしたことがあるなら誰でも知ってる『鬼柴田』だぞ?それがあんな少女なんて…………
思わず大声でひぐらし風に『嘘だッッッ!!!って』って言ってしまったよ…………ハァ」
やっとまいたのか、振り返ると誰一人いなかった。
幼女を肩から地面に下ろし再び歩き始めた。
「さて、取り敢えず隣の町まで行くか………」
その前に、っと前置きして
「さぁ、君の名前を教えてくれるかい?」
しかし、幼女は無言でこちらを見ていた。
まるで、君から教えてと言うように………
「…………もしかして、自己紹介してなかったっけ?」
「……………」(コクッ)
…………そういえば、まだ自己紹介してなかったなぁ…………いや、ホントに…………
俺は頷くと幼女の前に立ち
「紹介が遅れた、俺の名は城崎優信。好きな呼び名で呼んでくれ」
そして、一礼をした。
幼女は最初は口をパクパクさせていたが決意したのか
ついに
「は……………蜂須賀《ハチスカ》………紗恵《サエ》……だよ……………お兄ちゃん」
その声は小さな声だが、少し聞き惚れる位のキレイな声だった。
「蜂須賀紗恵ね、よろし…………く?」
ちょっと待て、今、紗恵の声に聞き惚れて何か大事なことを聞き逃したような………
「?ど、どうしたのーーーー」
俺の勘違いのようーーー
「ーーお兄ちゃん?」
ではなかったらしい。
「えっと………何で、お兄ちゃん?」
「え………えと駄目だったかな?」(ウルウル)
そんな涙目で言われたらうんと言えないよ……
俺はため息をついて
「いや、良いけど理由、聞かせてくれるかい?」
紗恵は目尻を拭いて、うんと頷くと
「おじいちゃんとおばあちゃんがいなくなってから…………一人だった…………皆、私を見て石を投げたり…………木の棒で叩いてきたりしたから……………けど、お兄ちゃんは私を見ても酷いことはしなかったの………だから………だから、お兄ちゃんって決めたの」
「そうなんだ………」
ごめん、呼ぶ理由が全くわからない…………けど、この子は人の暖かさをあまり知らないのかも知れないし。
ま、良いとするか。
俺は左手を紗恵に差し出して、笑顔で言った。
「さぁ、一緒に行こう」
「うん!」
紗恵も笑顔で俺の手を取り二人で夕焼けの空の中歩き始めた。




 
 

 
後書き
刀情報
「斬刀《ザントウ》鈍《ナマクラ》」
能力
この世に切れるものは無いと言われる刀
前所有者
宇練銀閣《ウネリギンカク》
元々、この刀は代々、居合いを主流とする宇練一族が持っていたとされるもの。
先代の金閣はこの刀を使い千人切りを果たしたと言われている。
そして、血に濡れれば濡れるほどキレとスピードが増す。
神様補正
さらに、切れるように改良され、耐久性もアップした  
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