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遊戯王GX-音速の機械戦士-

作者:蓮夜
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-明日香争奪戦-

 
前書き
お気に入りにしてくれている方々、ありがとうございます! 

 
遊矢side

今日は授業が終わった後、オベリスク・ブルーの廊下を歩いていた。
別段用事が無いので、部屋に戻ろうとしていたところだ。
その時、バッタリと知り合いに遭遇した。
「どうだ遊矢。オベリスク・ブルーには慣れたか?」
カイザー亮だった。
「亮か。ここは無意味に広すぎるな。」
率直な感想を言うと、
「確かにな。」と同意を返された。
廊下を歩いて、二人で俺の部屋へ歩き出した。
「ところで遊矢。月一テストでの俺の相手はどちらだ?」
「多分三沢だろうなぁ。何でお前ら筆記試験満点なんだよ。」
俺は頭が悪い方ではない。というかオベリスク・ブルーに入っているのだから、この学園では良い方だ。
亮と三沢が別格すぎるだけである。
「カードをリスペクトすれば、自ずと結果はついてくる。」
「…それ、翔に言うなよ。自信なくすから。」
どんな天才肌だよ。
「…そうなのか?」
亮は意外と抜けたところがある。
特に、人間の心に。
「まさか、お前…」
「…翔が小学校の時に、言った。」
翔がああいう性格になったのは100%こいつのせいだと思う。
「パワー・ボンドの話といい…どうなってるんだ、お前らは…」
パワー・ボンド関係の話は、丸藤兄弟両方から聞いた。
「いや、しかし。翔にリスペクトデュエルを教えようとしたんだ。」
「それは分かるが…」
そんな時、PDAに電話が来た。
相手は…十代か。
「ちょっと悪い。…もしもし、何だ十代。」
『あ!遊矢か!悪いけど、テニスコートに来てくんねぇ?』
デュエルアカデミアには、テニスコートがある。
体育に使うのと、部活動に使うためだ。
テニス部は、なかなか強いらしい。
「…何でだよ。」
『俺も困ってるんだけどさぁ~分かった分かった!じゃ、速く来てくれ!!』
プツッ。
無理やりあっちから切られた。
何でだよ。
「…亮。何でだか知らんが、俺はテニスコートに行くことになった。」
「ああ、聞こえていた。また今度、デュエルでもしよう。」
亮はそのまま廊下を歩いていった。
テニスコートねぇ…
…どこにあるんだっけ?
しまったな。
亮はもう歩いて行っちゃったし、周りには誰もいないし。
とりあえず、オベリスク・ブルーの寮から出てみると、人影が見えた。
クロノス教諭だ。
「クロノス教諭…うわッ!」
道を尋ねようと近づいていったら、目のところに…おそらくボール…の跡がついていた。
「どうしたノーネ、シニョール遊矢?」
「…俺が聞きだいですよ。どうしたんですかクロノス教諭。」
「よくぞ聞いてくれたノーネ!!」
それから、数分間クロノス教諭の話が続いた。
やれ落ちこぼれだの。
やれドロップアウトボーイだの。
「…それで、何の用なノーネ?」
あ、覚えてたんだ。
「テニスコートってどう行くんでしたっけ?」
「テニスコートなら校舎に入れば分かるノーネ。」
「どうも。」
今度こそ俺はテニスコートに向けて走り出した。


「遅いぞ遊矢くん!!青春は待ってはくれないんだぞ!!」
テニスコートに入った瞬間、この暑苦しい奴に絡まれた。
「…十代、どういうことなんだ?」
「いやぁ…色々あってさあ。」
状況説明。
色々あってテニス部に仮入部することになった十代。
テニス部の練習はキツかったが、十代は持ち前の運動神経でやり遂げた。
その時、偶然立ち寄った明日香が十代と話をしているのを見て部長の綾小路が激怒。十代にデュエルを挑んだ…それだけなら俺には関係なかったのだが…
「よくわかんねぇけど、遊矢の方が明日香と仲が良いぜ。」
との十代の言葉に、
「ならその遊矢くんを連れて来るんだ!!」
という一言で今に至る。
「理由が分からん…」
「いいからデュエルだ!!青春から逃げることは出来ない!!」
黙れ暑苦しい。
観客は明日香と十代。
「ま、やるからには楽しんで勝たせてもらうぜ!」
デュエルディスク、セット。
「このデュエルで勝った方が、明日香くんのフィアンセだ!!」
「ええっ!?」
なんかいきなり景品にされたぞ、明日香。
「「デュエル!!」」
デュエルディスクに先行と表示される。
…俺は、大体先行をとると苦戦する。
「俺のターン、ドロー!」
まずは頼むぜアタッカー!
「俺はマックス・ウォリアーを召喚!」
マックス・ウォリアー
ATK1800
DEF800
「それが噂の機械戦士かい…!!」
「ああ。あんたもこいつらに文句を言うタチか?」
オベリスク・ブルーとオシリス・レッドにはケチをつける奴が多い。
「いや!!他人に何を言われようと自分の仲間を信じる…まさしく青春だ!!」
言ってることは良いが暑苦しい。
「ターンエンドだ。」
「僕のターン、ドロー!」さて、どんなデッキだ?
「カイザーと同等と呼ばれた僕の実力を見せてあげよう!!」
「亮と同等だと…!?」
そいつはヤバいかもしれない。
「通常魔法、サービスエースを発動!手札からこのカード以外のカードを一枚選択し、相手にそのカードの種類を選ばせる。」
…どういう効果だ?
「さあ、選びたまえ。モンスターか、魔法か、罠か。」
普通のデッキにはモンスターカードの方が多いだろう。
「モンスターカードだ。」
「不正解。このカードは罠カード、セキュリティー・ボール。相手が外した場合、選んだカードを除外して相手に1500ポイントのダメージを与える!!」
「何だと!?」
遊矢LP4000→2500
「15-0。更にカードを二枚伏せ、プラズマ・ボールを守備表示で召喚!!」
プラズマ・ボール
ATK900
DEF900
「ターンエンドだ!!さあ、君のターンだ遊矢くん!!」
暑苦しい。
テニス部らしく、テニスデッキってところか。
面白い。
「俺のターン、ドロー!」
今度はこっちから行くぞ!
「俺はスピード・ウォリアーを召喚!!」
『トアアアッ!!』
スピード・ウォリアー
ATK900
DEF400
「そして、マックス・ウォリアーをリリースすることでターレット・ウォリアーを特殊召喚!」
ターレット・ウォリアー
ATK1200
DEF2000
「ターレット・ウォリアーはリリースしたモンスターの攻撃力分、攻撃力をアップさせる!」
ターレット・ウォリアー
ATK1200→3000
「攻撃力3000…なかなかやるじゃないか!!」
「そいつはどうも…スピード・ウォリアーで、プラズマ・ボールに攻撃!ソニック・エッジ!!」
スピード・ウォリアーがプラズマ・ボールに向かっていく。
「スピード・ウォリアーは、召喚したターンのバトルフェイズ時、攻撃力が倍になる!」
スピード・ウォリアー
ATK900→1800
「プラズマ・ボールの守備力を超えたか…!!」
プラズマ・ボールを蹴り飛ばして墓地に送る。
「更に、ターレット・ウォリアーでダイレクトアタック!リボルビング・ショット!!」
「させないよ!トラップ発動!レシーブエース!!相手のダイレクトアタックを無効にして、1500ポイントのダメージを与える!!」
「ぐああああッ!!」
「「遊矢!!」」
遊矢LP2500→1000
「30-0。そして、デッキからカードを三枚墓地に送る。」
「流石にそっちもやるが…まだだ!手札から速攻魔法、ダブル・アップ・チャンス!!自分のモンスターの攻撃が無効になった時、攻撃力を二倍にして再び攻撃ができる!!」
ターレット・ウォリアー
ATK3000→6000
「こいつで終わりだ!ダブル・アップ・リボルビング・ショット!!」
「甘いな!トラップ発動!ダメージ・ダイエット!!このカードの効果により、戦闘ダメージを半分にする!!」
綾小路LP4000→1000
「これで30-30だな。カードを一枚伏せてターンエンドだ。」
「僕のターン、ドロー!強欲な壺を発動し、二枚ドロー!」
強欲な壺が破壊される。
「フッフッフッ…3000ダメージは嬉しい誤算だったよ。これで僕の切り札が出せる!!」
「切り札だと!?」
何が出てくる!?
「僕は永続魔法、デュースを発動!!」
「デュース?」
「始めて聞くカードだ!」
明日香と十代に同意だ。
聞いたことがない。
「デュースは、お互いのライフポイントが1000の時にのみ発動できるカード。これより、お互いのプレイヤーはライフポイントが0になっても敗北せず、一ターンに一体のモンスターのみしか攻撃出来ない。」
「なんだそりゃ!?」
「落ちつきたまえよ遊矢くん…ここからが本番さ!このカードがフィールドにある間、先に二回ダメージを与えたプレイヤーが勝利する!!」
どうりで知らんわけだ。効果がトリッキーすぎる。
「勝利条件がテニスみたいに変わったってことか…」
「その通り!!更に僕は、伝説のビッグサーバーを召喚!!」
伝説のビッグサーバー
ATK300
DEF1000
「伝説のビッグサーバーは、相手プレイヤーにダイレクトアタックが出来る!行け!伝説のビッグサーバー!遊矢くんにダイレクトアタックだ!!」
「くっ…」
遊矢LP1000→700
デュース、綾小路1ポイント
「マッチポイント、綾小路。そして、伝説のビッグサーバーのモンスター効果を発動!このカードが戦闘ダメージを与えた時、デッキからサービスエースを手札に加え、相手はカードを一枚ドローする。」
サービスエース…!
永続魔法、デュースの効果により、二回連続でダメージを与えたプレイヤーが勝ちとなる。
「僕はサービスエースを発動!さあ、選びたまえ遊矢くん!!これが君と明日香くんの運命を決める!!」これを外せば、俺の負けだ。
綾小路部長のデッキはバーンデッキ。
ならば、魔法カードが多いはずだ…
「魔法カードだ!」
「本当にそれで良いんだね!?」
「ああ!」
頼む…当たってくれ…
「残念!僕が選択したカードは、メガ・サンダーボール。モンスターカードだ。」
魔法カードじゃ…ない…
「遊矢くんにダメージを与え、僕の勝ちだ!」
「遊矢!!」
景品である明日香の悲痛な叫びが響いた…
大丈夫だよ!!
「トラップ発動!!」
さっき伏せたリバースカード!
「ダメージ・ポラリライザー!!ダメージを与える効果を無効にし、お互いのプレイヤーはカードを一枚ドローする!」
危なかった…亮とこのカードトレードしてて助かった…
「サービスエースは防がれたが、次のターンに伝説のビッグサーバーのダイレクトアタックで終わりだ!!」
「何言ってるんだ?伝説のビッグサーバーは俺のターンで破壊させてもらうぜ!」
てか当然だ。
「出来るかな?伝説のビッグサーバーに、装備魔法デカラケを装備!!このカードが装備された伝説のビッグサーバーが攻撃対象に選択された時、その攻撃を無効にする…これで君の攻撃は封じた!!」
永続魔法、デュースの効果によりお互いのモンスターは一体しか攻撃出来ない。
装備魔法、デカラケを装備した伝説のビッグサーバーに攻撃すれば、攻撃を無効にされる。
「面白い…亮と同等ってのも、あながち間違えてないな…」
「当然さ。僕はこれでターンエンド。」
「俺のターン、ドロー!」
さて、反撃だ!!
「綾小路部長…俺には伝説のビッグサーバーを破壊する手段はない。」
「ちょ、ちょっと遊矢!」
明日香から非難の声があがる。
当然だろう、自分が景品になってるんだから。
「だが、俺が勝つ。俺はラピッド・ウォリアーを召喚!!」
ラピッド・ウォリアー
ATK1200
DEF200
「この状況から僕を倒す?…面白いねぇ、やってみると良い。」
なら、お言葉に甘えさせてもらおう!
「ラピッド・ウォリアーの効果を発動!このカード以外の攻撃を封じることで、このカードはダイレクトアタックが出来る!」
これでデカラケはクリア。
「更に魔法発動!ダブルアタック!!フィールド場のモンスターを選択し、そのモンスターよりレベルが高いモンスターを手札から捨てることで、選択したモンスターは二回の攻撃が出来る!俺はラピッド・ウォリアーを選択し、ドドドウォリアーを墓地に送る。」
「遊矢くん。デュースの効果を忘れてないかい?このカードがある限り、君は一度しか攻撃出来ないんだ!!」
「違うな。」
「何!?」
確かに綾小路部長のロックコンボは強力だ。
だが、穴がある。
俺はそこを突く!
「デュースの効果は、お互いにモンスター一体でしか攻撃出来ない…つまりは、同じモンスターで二回攻撃すれば良い!ラピッド・ウォリアーでダイレクトアタックだ!ウィップラッシュ・ワロップ・ビーン!!」
「うわっ!」
綾小路LP1000→-200
デュース、遊矢1ポイント。
まだラピッド・ウォリアーの攻撃は残っている!
「これでトドメだ!ウィップラッシュ・ワロップ・ビーン、第二打!!」
「うわあああああっ!!」
遊矢、2ポイント先制。
永続魔法、デュースの効果により、デュエルが決着する。
「よっしゃああああッ!!楽しいデュエルだったぜ、綾小路部長!」
「…この、僕が負けるなんて…うっ、うっ、うわあああああん!!」
綾小路部長は泣き叫びながらテニスコートから走り去っていった。
…おいおい。
「いやあ、危なかったな…」
「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ遊矢!」
楽しかったが、危なかったのは本当だ。
「あ、あの…遊矢…」
「どうした、明日香?」
顔を俯かせた明日香が俺に近づいた。
「私…相手が遊矢なら、フィアンセになっても「ところで遊矢!デュエルする前に言ってたフィアンセって何だ?」
何か言おうとしていた明日香を、十代が遮る。
「フィアンセってのは…結婚を約束した人のことだよ。」
そういやあったな、そんな条件。
すっかり忘れていた。
「へぇ~って事はさ、明日香、お前遊矢とけっこ「馬鹿!!」
今度は明日香が十代の言葉を、頭を殴って遮った。
たまらず十代は倒れ、明日香は走り去っていった…
「…俺がイッタイナニシタっていうんだ…」
「あー…さあ…?」
男たちの疑問は続いた… 
 

 
後書き
VS部長戦でした。
最後の明日香を書きたかっただけなので、デュエルはちょっと微妙かもしれません。
感想・アドバイス待ってます!※ガスタさんから、サービスエースにダメージ・ポラリライザーは発動出来ないという指摘を受けました。
…どうか見逃して… 
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