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改輝く貌は女性でした

作者:Lily
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輝く貌は女性でした

「俺は……なぜ男に生まれなかったんだ」

昔から俺は呪いと呼べる程運がないと思う

これは絶対に間違いない

俺は女なのに父や育ての親からは男として育てられ、剣や槍の使い方を教わり日々鍛練ばかりしていた。

それは別にいい、俺は望んで剣や槍を教えてもらい

「俺は騎士になりたい。 」

と現在進行形ずっと思っているからだ。

まぁ騎士団に入れるのは男だけらしいが俺なら大丈夫だろう

それに一番困っている事は自慢ではないが元から超美形?と呼ばれる男顔に、美の妖精から女性を虜にする魔法の黒子付けられた事だ。

これは俺が寝ている間に付けられたらしい……。

美形な男が好きな妖精らしく、(見た目は清楚形な女性なのだが)ついやっちゃったそうだ。

可愛いらしいものや、綺麗なものには害がないとずっと思っていたがそれは間違いだったな。これからは気をつけよう

こうなると普通に外に出るだけで女性達に囲まれるようになり、日々男達が憧れているハーレムを築きあげた

少し家から出たら奇声をあげられ、この前は女性達に囲まれ四面楚歌状態になり服を剥かれそうになった……最近の女性達は肉食系が多いのだな。

話は変わるが俺には年頃なのに未だに二次成長がない

これもあの妖精のせいだ

あいつは何度も何度も問題を起こして、もうあいつのせいで俺は軽い女性不信になりそうになりそう

何でも妖精の趣味だそうでリアル男装女子が見たいそうだ。

俺は幼い時の一回しか女物を着たことがない

なぜなら

「坊主、お前可哀想に母親に女物着せられたのか」

と始めて会った人に言われてから女物を着るのを諦めたからだ。

そのせいで俺はいつも全て男物
着たら着たで、幼い頃のように女物を着た男だと言われ思われるだけだからな
さらにそれだけでも困るのに、最近また身長がぐんぐん伸び一年で10㎝は軽く伸びた。

それが数年続きなんと184㎝という、女性ではありえない長身になってしまった。
しかも毎日鍛練しているので、筋肉もがっちりついてしまいほぼ成人男性の体型
さらには髪も男としてはよい具合に伸び、それ以上は何故か伸び悩みしかも跳ね、前髪はいつもチロリンと一房目の辺りで垂れている。

男顔の美形、184㎝の長身筋肉がしっかり付いた細マッチョの要素が揃っていればもう女としては生きれないのは確実だろう。仮に女として生きたとして、性倒錯者の男色家と噂されるだけだ。

そんなことより、今まで誰も俺が女だと養父以外分からない事がショックでならない

はぁ……

「何で男ではなく女に生まれてきたんだーー!!」

森にある樹齢1000年ぐらいの大木の近くで叫ぶ。

「うるさい」

案の定森に住んでる小屋の主である男に怒られてしまった。

「すまない」

心に秘めている事は安易に口に出してはならないな。
でも俺が男に生まれていたらさぞ生きやすかっただろうにあっ、もっと駄目だ。俺が女性達が着替えている所を見れば 悲鳴をあげられるか、逆に見せてつけてる。俺が女性達が話している所に混ざろうとしたら、これまた悲鳴をあげられるか、ものすごい勢いで話しかけてくる。

本当に俺が何かしたか?同じ女だろう

本当に泣けてくるな

「クゥーン」

ありがとう(仮名)ディム

知らぬまに俺の隣に犬がポテっといた。

あぁ可愛い、茶色い毛皮がふわふわしてる。

そんなこいつを俺は思わずを膝に乗せた。

あぁ可愛過ぎるだろう俺の唯一の癒しだな。

―――

そんなある日の事

町に出掛けていた俺はある衝撃的な事を聞い た。

それは

「やっぱりディルムッド様が一番格好いいわ 」

「そうそう、あの美しい美貌と鍛え上げられた体…一度でいいから私あの方の腕に抱かれたいな」

女性達が集まって俺の噂をしていたからだ。

「えっ…」

そんな風に思われていたのか……

俺は思わず後退り体を後ろに向ける。

すると

ドーーン

壁のようななにかに当たった

「よっ色男、相変わらずモテるね」

「羨ましいよ」

それは男二人組だったようで絡まれてしまった。

「ところでよ、お前俺達の女とっただろう」

はぁ、またか今日何回目の事だ?そもそも俺は誰とも付き合った事がない

俺は見えなくても女だからな、恋愛対象はもちろん男だ。
かといって男と付き合ったら、衆道と言われる可能性が濃厚だから難しい

何処かに女性みたいな男はいないだろうか。

「俺は知らない、何かの間違いではないのか」

「分かってんだよ、少し痛めつけないとだめ らしいな」

「調子に乗っていられるのも今のうちだっ…」

「甘いな」

先ほどが二人がかりで此方に殴りかかってきたので、素早く手刀で昏倒させる。

俺が歩けば1日でこういった事が幾度となく起きる。

だから引きこもりたくなるのだ

強くなりたい一身で日々鍛練ばかりしていた のがいけないのか、
身長が高い方が格好いいと思い、伸ばす努力 をしていたのがいけないのか
今の姿は俺が良かれと思いやっていた事が全て裏目に出てしまったその果てか、だが俺は男になりたいなどと言っていない。
まぁ正直な所あまり俺は男と変わらないがな。

ぐすっ、涙が出てきた

その日俺は学んだ、身長と筋肉が俺を男に見せたのだと

―――

その年の秋のこと

俺は女だという事を完全に捨て、自分は完璧な男になる道を選んだ。

そう俺はフィオナ騎士団に入団したのだ

ちなみに相変わらず周りは誰も俺が女だと気づかない

ぐすっ…

少し落ち込んだ…だれか気づかいのか。

もうやけになってやる。

戦う時には常に先陣になり、退くときはしん がりを務める

主の為に剣をふるい

主の為に槍をふるった

主の為に戦いで敵を倒す姿はまさに一騎当千の猛者

主の為その手の男達を魅了するその姿は百戦錬磨の色男

気がつけば、俺は最強の誉れも高き『輝く貌』のディルムッド・オディナと呼ばれるようになった。

それだけではなく

その優れた容姿でエリン中の乙女達の憧れを一身に受け、その優れた容姿でエリン中の男色家を夢中にさせた。

しかし騎士団の男達の嫉妬の対象にもなった。

男色家の方の事は苦笑され励まされた

女としては生きれないだろうが幸せだった 、貴族の男に夜這いに来られた時はさすがに困ったがな

俺は高潔な騎士

偉大なる英雄を首領に仰ぎ、

その一命に剣と槍と命を託す。

これこそが騎士たる誉

いつか我が身は女として生涯を終えるのではなく、騎士として戦場で誇り高く果てるのだろうとその時俺は思っていたのだがその運命が変わった。

――――

フィンの結婚式でのこと

今日主の花嫁となるグラニア姫に会った。

そこで姫は木に登っていたのでどうも彼女はお転婆らしい、侍女が困っているからな。
俺はその姫が高過ぎる所まで登って降りれないでいる所を助けた。

「ありがとうございます」

「いえ、これからは気をつけて下さい」

初めて顔を見たが、とても美しい姫だった

やはり俺とは違うな…。

それとなんだか見られていた様な

フィンから聞いた話だと新たな妻はエリン一の美貌を持った姫でグラニアと言うらしい

男とは違って綺麗だったな

「やけに俺の事を見つめていた気がする。」

「お前自意識過剰だな」

同僚の男に小突かれた……気のせいか。

俺もあれぐらい、可愛らしい女性であればよかったのに

―――

「あの方がディルムッド・オディナ」

ディルムッドが立ち去った方を眺める

「噂通りのお綺麗なかたでしたね」

顔を真っ赤にした、侍女が目をキラキラさせながら話す。

「えぇ……。」

あの方もしかして…
私の予想が当たっているのなら、私の秘密を話せるかもしれない

小さな声が聞こえてくる。

……あの声は?

聞こえてきた言葉を聞き、その瞬間私はある決意した。

「姫様?」

―――

その夜フィンとグラニア姫との婚約の宴にて

杯を掲げ酒を飲んだのはいいが、少しして皆寝てしまった。酒に強い酒豪な者達がだ。
寝っていないのは
俺とグラニア姫とフィンの息子のアーシンだけ
恐らく、誰か酒に強力な眠り薬を入れられたのであろう。

「いったい誰が…」

今の自分は絶対眉間に皺が寄っているはず
誰かが主君であるフィンの祝宴を邪魔したからだ。
敵襲かもしれないので、アーシンに姫のことを頼み自室にある双槍を取りに行く。

砦の中は閑散としていたので誰とも会わずに自室へ着いた、中へ入り愛剣と愛槍を取る。そうして急ぎ部屋から出た。

そして再び宴の広場へ戻ろうと、体の向きを変えたその時

「ディルムッド」

凛として美しい声が聞こえた。

グラニア姫だ、アーシンはどうしたんだ

不敬にならないように礼をし顔を上げる。

うつ向いていた俺はその時彼女の顔を見た

その瞬間理解した。彼女は俺に魅了されている事を
そしてこれから何が起こるのかを外れていて欲しかった、しかしそれは無情にも当たってしまった。

「我が愛と引き換えに、貴男は聖誓を負うの です。愛しき人よ、どうかこの忌まわしい婚 姻を破棄させて。私をつれてお逃げください ……地の果ての、その彼方まで」

と涙ながら訴えかけられた。

その乙女の眼差しは一途な恋に燃えていた。

「花嫁の責務を放棄してはなりません」

俺は諌め断ったが…

「皆の起き出す前に、自分を連れ出して逃げ なければ破滅が訪れます」

と彼女は拒絶に怒り俺に聖誓をかけた。

拒めなかった。いくら自分が女であろうとも

敬愛し揺るがぬ忠義をが誓っているフィンは 老年男性だ。
しかし比べてグラニア姫はまだ年若く美しい女性
そんな婚姻では確かにグラニア姫は嫌だろう
俺も女として生きていたら俺も嫌だ。
それに彼女は捨て身の決断をしているのだ
王女としての誇り親族との縁、約束されている将来の栄華
その全てに背を向けてグラニア姫は、俺との恋路?を選んでいるのだ。
その勇気に畏敬を懐いたなので俺も答えよう。
ただし言わなければいけない事がある、とても大事な事だ。

それは男だったら、まさに死活問題な事

「…俺は不能だが、それでもいいのか。」

それはつまり男と女の関係について
自分は見た目は男だか体は女、
昔妖精に女としての成長を止められたが、数年前生理だけはきて胸も多少でてきたが他は変わらなかった。
なのでどう頑張ってもそういうことにはならない、 寧ろなれない。

「構いません。貴方がいれば」

その言葉を聞いた俺は迷わず彼女の手をとっ た。
この選択が我が身を燃やす煉獄の炎になる事 は分かっている
忠義と愛(たぶん)どちらが大切かこれから一 生自分は悩むであろう
しかし後悔はしていない、この先の事は一切なにも分からないが自分で選んだ事なのだから。

後彼女の為にも、自分が女だと伝えないでいよう、伝わってしまったら女同士の同性主義者だ

そして一人の英雄と姫は手を携え、ともに未 来の栄華から背を向けた。

―――

あの後俺達は急いで最低限の食料と金銭を持 ち、馬で砦を後にした。

それから直ぐの事

ディルムッドとグラニアが駆け落ちした事を 知った

ディルムッドの親友であり主で、グラニアの婚約者であった君主フィン・マックールは
当然のように嫉妬と激憤に駆られ、
駆け落ちした彼ら二人の追撃に配下の総勢を 動員し、野を駆ける野獣のように狩り立てた

そんな中こんな書き置きが残されていた。

「息子おろか孫までいる方との婚姻など私は嫌です。 私は運命の人出会いをしてしまったので、あの方と愛の逃避行します(ハート)絶対に捜さないで下さい。グラニア」

だが配下の騎士達はディルムッドとの友情からかあまり乗り気ではなかった。
騎士達も婚約の事も歳の差を考えたら、 いくら父が決めた婚約者だからといっても逃げ出したくなるだろうと思うと皆思っていたからだ。
しかも美少女、しかも一緒に逃げ出した男は

(実際は女だが)

フィオナ騎士団随一の美貌と武勇をもつ、デ ィルムッド・オディナ、「輝く貌」という異名をもつ彼は魔性の泣き黒子をもちエリン中の乙女達の憧れであり、エリン中の男色家の憧れでもあり。

結婚して欲しい騎士ナンバー1

抱いて欲しい騎士ナンバー1

などの本人にとっては不名誉な称号が付いている男で騎士団中の男の嫉妬心が一身に集まる男でも、ナンバー1な男である。

つまりグラニア姫は権力があり、しぶくワイルドなおじ(い)さんより(かなり失礼だけど)、若々しく見目麗しい有望株な若者(超美形)の方がいいのだろう
男の俺達でも惚れてしまいそうになるのに、女性では言うまでもない。

それにこれ程の男なかなかいないし、彼は独身だ。
グラニア姫もそんな彼に惚れてしまい、駆け落ちして欲しいと頼んだのだろう。
しかしディルムッドにとっては災難に違いないな。
しかし彼は押しに弱く、女性の頼みは断れない性格だ。
きっと泣き脅しでもされてしまい、断れずにずるずる行ってしまったと皆を代表して俺は思う。(当たり!!

昔からたまに一緒にいるけど、「ディルムッドには運がない」それって本当なんだな。

―――

話は変わり当然のように、二人の恋路困難を極めた。

(女性である俺の心は複雑だが)

フィンには親指を口にくわえると、世の中全ての事が分かってしまう力があり、そのせいで二人は同じ場所には2日といれず下手したら数時間でばれ囲まれていた時もあった。

しかしその様な事幾度も乗り越え、今ではそんな事も少なくなってきた。なぜなら俺の養父である妖精王オェングスの助けで、フィンの目を誤魔化しているからである。

現在、俺達は町外れに住む老夫婦に今はもう使っていない小屋を貸してもらい、野宿続きで疲れた体を休めていた。

それにここ2、3日は追っ手が来ることがなく、比較的ゆっくりと休んでいた。

「このまま何事もなく幸せに暮らしたい」

そんなささやかな幸せな願いが叶ったらと、二人は思っていたがその願いは無残にも崩れた。

馬の蹄の音がする。おそらく10頭近くいるはず

「グラニア追っ手がきたぞ」

俺は一時の住みかとしていた小屋から、彼女の手を引き馬に乗せた。

もう何度居場所がばれたかは分からない

数えるのも億劫になる程の騎士達が今までに追撃してきたからだ

フィンと盟約を結んだ騎士だけと対峙してきたが、たくさんの者を切り裂いた

(元仲間達と会った時は急いで遠くへ馬を走らせた)

だがどうしても追っ手である、俺と旧知の騎士達と対峙し戦う事もあった、その場合全て峰打ちにする

それが出来たのも彼らが手心を加えてくれていたおかげであり、不謹慎だが素直に嬉しいと思うと同時に少し複雑な気持ちになってしまう。
このような形になって戦う事、それが残念でしかたがない

行く宛もなく、いつ終わるかどうか分からないただ安息の地を探す旅に、長い間身を投じていた二人は体に蓄積された疲労と心理的苦痛でぼろぼろだった。

だからだろうか

「グラニア、本当に俺と駆け落ちなどして後悔していないのか」

たまに不安になってしまう

「後悔などしていません、何度言いったら分かってくれるのですか」

彼女が無理していないかと

「だがお前の美しい顔が、疲労の色を濃くしているのを見るのは辛い」

「ねぇ、ディルムッド私…」

突然後ろから彼女の温もりを感じた

「私あなたと共にいれるだけで幸せなの」

「しかし」

「こちらに向いてくれる?」

俺は彼女の言う事に従い体を向ける、彼女はうつむいており、表情は見えない

「どうかしたのかっ」

声をかけると同時にいきなり俺の首に手を回し接吻された。
突然の事だったので思わず思考が停止
…女同士で接吻!?、しかも長いし舌まで入れている。
初めては男の人がいいとずっと思っていたが
やはり無理だったか。
あぁ父よ俺のファーストキスの相手は女性でした……ぁ……。

「ディルムッド、私ずっと秘密にしていたことがあるの」

「な、なんだ」

先ほどのキスのせいでつい動揺してしまう。

「私男なの」

嘘だろ

「ふふ、ずっと秘密にしてたのだけど貴方にだけ教えてあげる」

グラニアは不適に微笑み俺の首に手を回し、抱きつくような形で俺を下敷きにしベッドへ倒れこんできた。
衝撃的な発言に驚いた私はいとも簡単に倒れてしまい、グラニアが俺の上に馬乗りになる
つまりはグラニアが俺を押し倒しているような…。

――――

本当に可愛い

唖然とした様な表情をする彼女は、普段の冷静で真面目な様子とかけはなれている

「ディルムッド、私は昔体が弱かったからずっと女性の格好をしていたんだ。10代後半にさしかかった時、体ももう十分丈夫になったからもう男に戻ろうとしていたのだけど、そんな時貴方の主君に見初められてしまって、気がつけば結婚になってしまい今に至る」

「そうなのかで、あのこの体制は……」

「だってディルムッド君は女性だろう、だから私が貴方に女性としての幸せを与えてあげる。今までの分もだから私に夢中になって、どろどろに甘やかしてあげるから。」

羞恥で顔を真っ赤に染め、私に押し倒されているディルムッドは今までこの様な事をされたことがないのか、ピクリとも動けず体が固まっている。

本当にそんな所が女性にしか見えない。

あの時、彼女が勘違いして私を木から受け止めた時一目で分かった。彼女も性別を偽っているのだと
まぁ無理もない、あの長身に男らしい体つきだ分かる人も少ないだろう

だが私には分かる、抱き止めてくれてくれた時に見えた睫毛の長さや、強い衝撃で感じてしまった胸の存在で、筋肉の方も女性にしてはかなりついてはいるが、男性に比べればしなやかについているので体は柔らかい
もしかすると私の方が男なので硬いかもしれない。

私とは反対に男として育てられた可愛らしいディルムッド……。
私に対して男らしく接しようとする様子を見て私は男なのにと涙が出てくる。
男と結婚するのが嫌で無理やり彼女を婚約の宴から連れて来てしまった。
彼女は男として騎士をして、武功も名声もあったのに
最初は逃げるのは諦めようと思った、これも私の運命なのだとだけれど……

「かわいらしい女性に生まれたかった。」

その言葉を聞いてしまったからやはり決行しようと思った。

それはさておきディルムッドは今まで女性扱いされた事が一切ないのだろう、今の様子を見ればすぐ分かる。だから私が貴方を女性にしてあげるだから貴方も私を男にして

私は彼女の肩近くまでの髪を一房とり、口づけをした。

「愛してる」

――――

口調が男らしくなっているグラニアを唖然として見ていた俺は

「ふ、不束者だが宜しく頼む」

反射的に言ってしまったどうしようか、そもそもグラニアが男、俺より可愛いのに男、俺より小さいのに男

「ふふ、一生幸せにするよ」

「グ、グラニア本気なのか」

それよりもこんなにも積極的だったのか、おしとやかで儚そうな外見のグラニアが……、それとなんだか下半身の衣服を外そうとしている気がするのだが

「本当の名前はグラニールと言うんだ、貴方には此方で読んで欲しい。貴方の本当の名前は?」

「………ディナ」

幼少の頃に数回程しか呼ばれていない女の名前、俺よく覚えていたな。
それとグラニア、貴方何故私の両手首を持っている、何故片手が俺の脇腹を触っている。

俺が抵抗すれば簡単に解けてしまう拘束

………解かないのは

「愛してるよディナ」

貴方に恋をしてしまったからか、いまだに分からないが少なくてもグラニールの腕の中にいる時は、女でいれるそれは確実だ。

「俺いえ私も愛している、グラニール」

――――

その後私は濃密な時間を過ごし、フィンとは和解した。

「フィン様私実は男なのです」

「えっ…」

「そしてディルムッドをいただきました」

「えっ…」

「………はい事実です。」

唖然とするフィンに俺にとうとうかと同情心を向ける騎士団の仲間たち

何を言ったアーシン

「……ディルムッドとグラニアの結婚を認める。領地もやるから戻ってこい」

「……ありがとうございます主。」

そう言いフィンは目を虚ろにして一人馬で去っていった、余程グラニアが男であった事がショックだったのだろう

「「「「「「ディルムッド」」」」」」

ピカピカなグラニールと、かなりやつれている俺を見て
その同情した眼差しをするのは頼むから止めてくれ。

「ディルムッドどちらが下だ?」

1人の同僚が面白そうに聞いてくる。

「………見ての通りだ」

「私が頂きました」

そうしてディルムッドとグラニアは見事結婚し、エリン1美しい同性夫婦として有名になった。

実際には男女逆転夫婦だが……。

そんな二人には何故か子供が四人出来たらしい

「……グラニール私に子が出来てしまったらしい」

「本当に?そろそろだと思っていたんだ」

「えっ……」

ディルムッドとグラニア
世界一有名な同性夫婦の話であった

――――

それから1000年以上後の事

「告げる」

「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るベに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。

汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――」

「問おう、貴方が私を招きしマスターか」

燭台の炎によって揺れる影。

光の粒子が弾け散るなか、降り立ったのは麗しい騎士。

「私の名はディルムッド・オディナ
此度はランサーのクラスを得て、現界致しました」

次回歴史を変えてしまったディルムッド(女)が聖杯戦争の運命を変える。ハズ





 
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