俺はどうやら死んだようだ
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異世界への準備
異世界って?
バイト帰りにあの世行
「いやー今日のバイトは疲れたな・・・。あの店があんなに混むなんて、不吉なことが起こる前兆じゃないよな・・」
さすがにそれはないよなと自分で言っといて冷静にツッコミを入れる。自分に対してノリツッコミとは俺も随分つまらない男だな。自分で言うのはなんだがツッコミには自信を持っている。去年の学園祭では「ツッコミ百人切り」と言うよくわからないイベントで優勝した。まあそんな事は置いといて自己紹介と行こうか。
俺の名前は神崎流弥、自他ともに認める普通の高校二年生だ。ただみんなと違うのが部活をせずにバイトを俺はしている。俺は一人暮らしだからバイトしないと生きてけないんだよなー。え?親?両親二人して長期出張で海外ですわ。生活費は毎月10万円!・・・ここから食費、光熱費、家賃を引いて残った生活費は1万円!生活できるか!
とそんなことを考えながら歩いていると目の前をサッカーボールが転がって行った。そいてそのあとを追いかけていくチビッ子。
「俺にもあんな頃があったなー。日が暮れるまで友達とバスケやって、よく母さんに叱られたっけな」
茜色に染まりだした空を見上げながら幼少期を思い出す神崎流弥17歳。なんだか涙が零れそうだ。
プップー!!!!
字で見ると可愛いが聞いてみると耳を塞いでしまうほどの甲高い音。そうトラックから発せられるクラクション。何事かと思い音のするほうに目をやると案の定トラックが目の前に迫っていた。
あのチビッ子の目の前に。
今にも泣きだしそうな顔をしてサッカーボールを抱きしめているチビッ子を見た瞬間、俺は走り出していた。幸いチビッ子との距離は離れていない。トラックの速度を考えるとギリギリ間に合う。
「チビッ子!少し痛いけど我慢しろよ!」
俺はチビッ子を抱き上げ近くにあったゴミ捨て場に投げ飛ばす。夕方のゴミ集めがまだだったから燃えるゴミが山のように積んである。よし救出成功だ。そう思った瞬間
ドッ
表現できない衝突音と共に俺の身体を鈍い痛みが襲った。
そして目の前が闇に包まれた。
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