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別にこうしたくてこうなった訳ではない。

作者:都のアメ
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1部
1章
  17歳の誕生日

 
前書き
初めてなんで、温かい目で見ていただけると幸いです。
さて、平凡な主人公は17歳の誕生日を迎えたようですよ?
 

 
「おはようございます9月10日水曜日朝7時を迎えました」
今日、俺は17回目の誕生日を迎えた。いつもと同じニュース番組を見ながら、いつもと同じ食事をとる。なんら変わらない朝である。「チャラリラリン、チャラリラリン」しかしこの日は珍しく、こんな時間にも関わらず、携帯が鳴った。
「ったく、こんな朝早くに電話してくるのはどこの、バカだ?」
と言いつつ、しぶしぶ携帯の液晶を見ると、
「母」
前言撤回します!
「はいもしもし」
「あら、どちら様?」
このように、俺の母さんは少し頭のネジが緩んでいる。
「自分から電話しといてそれは無いだろ」
「あら、ごめんなさい誰かがなりすましてるんじゃないかと思ったの」
「あのね母さんいくらなんでもそれはドラマの見過ぎじゃないんですか?」
「それもそうね」
「で?俺の朝のゴールデンタイムを邪魔してまで何の用?」
「あっ、そうそう、京くんお誕生日おめでと〜」
「そういう事か…」
「何?あんまり嬉しそうじゃないけど」
「いや、別に」
まぁ、誕生日って言ってもなんら変わらないしね。てかそれ以前に………
「彼女にでもふられたの?」
「ブーーーッ!」
思わず口に含んだコーヒーを吹いてしまった。なぜだ?なぜ知っている?
「あらあら、まさかの図星?まぁいいわ、真琴はいる?」
なぜだ?一度も教えた事は無いのに、ましては、教える気なんてさらさら無いのに……
「もしも〜し、真琴はいるの?」
そうだった、会話の途中だったんだ。
「ま、まだ、2階からおりてきてないよ」
「あっそう、なら本人にかけるわじゃあ、くれぐれも犯罪に気を付けてねそれから、栄養管理も、あと夜更かしもしちゃだめよそれから………」
「ポチッ、ツー ツー ツー」
さてと、ゴールデンタイムの続きだ。ちなみに、さっきのしつこい人は、俺の母さんで、海外へ行って、仕事で忙しい父さんをサポートしている。父さんは、前から海外へ単身赴任していたが、母さんは俺と真琴が高校へ入ったと同時に、父さんのところに行った。そうなると、はからずともこの家には、俺と双子の妹の真琴しかいなくなる訳だ。おっと、ご紹介遅れました。俺は、県立崎別高校二年の雪村 (きょう)。自称ツッコミ上手。しかし、何でか知らないが、クラスのみんなからは、天然だと言われる。勉強はテスト3日前から始めるのが常識。スポーツは、どちらかといえばできる方だと思うけど、部活には入っていない。趣味は家庭菜園。父が日本にいる時、手伝っているうちに、すっかりはまってしまった。ちなみに、さっきのふられたという話だが……
「ガチャ」
不意に、リビングのドアが開けられた。
「お兄ちゃんおはよう」
「おう、おはよう」
入って来たのは、俺の双子の妹、雪村 真琴。俺と同じ県立崎別高校の二年であり、俺とちがい、成績は非常に優秀だが、スポーツに関しては、全くダメな家型な子である。もちろん部活には入っていない。また、同い年にも関わらず、俺の事を「お兄ちゃん」と呼んでくるカワイ…いやいやいやまぁ普通の妹である。
「席について朝ご飯食べなよ」
なかなか席につこうとしない真琴に声をかけ、コーヒーをすすった。とたん、
「お兄ちゃん!ふられたの?」
「ブーーーッ!」
母さんめ、真琴なんかにしゃべりやがったな。本日二回目のコーヒー吹きをやらかしながら、母を呪いつつ、なんて返答すればいいか考えた結果。
「ん?なんだそれ?お前、寝起きでまだ目が覚めてないんじゃないか?」
いや〜、短時間で考えたにしては我ながら良い回答だな。
「……………」
「……………」
しばしの静寂ののち、
「御愁傷様です…」
「やかましいわ!」
「相手は誰?美鈴?それとも由利香?」
「………」
「ねぇねぇ教えてよ〜」
「………」
いつもならここで、「そろそろ学校に行かなきゃ遅刻するぞ!」なーんて言って話をそらすことも可能なのだが、なにせ、今日は開校記念日なのでこの手は使えない。「クソッ、学校よなぜ今日なんだ‼」
と言いつつも、分かっているさ、こんな話題は年頃の妹にとっては、大好物なんだからな。しかも、同い年だったらなおさらだ。
「ねぇ、本当に誰なの〜」
「………」
「早く、教えて〜」
「顔、洗ってきなさい……」
ったく、しつこいのは母親譲りか……。 
 

 
後書き
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