ヘタリア大帝国
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TURN79 天才の復活その七
「それはいいです」
「じゃあデートはこのまましていいんだな」
「田中さんの主観はともかく」
何はともあれだというのだ。
「外に出ることはいいことです」
「わかった、じゃあこのままデートに行くな」
「ただ。決め手にはならないですね」
「そうだろうね」
女二人はこう言う。
「そのことはご了承下さい」
「決め手ねえ、やっぱりドクツだろうね」
南雲は腕を組みながら考える顔で述べた。
「あの国の人達次第だよ」
「そうです、あの人を立ち直らせられるのはあの人達です」
「それしかないね。ドクツの総統を立ち直らせるのはドクツjの人達だよ」
「どうなるかです」
「じゃあ俺はただのサポートかよ」
田中はスルメをかみながら難しい顔になっていた、
「何か気に入らねえな」
「田中さんは田中さんでやられるべきことをやっています」
「だから気にしなくていいよ」
二人はその田中を言葉でフォローした、だがフォローだけ言うのではなかった。
「ただ。恋愛はもっと勉強した方がいいです」
「幾ら何でもわかっていなさ過ぎよ」
二人はこう言うのだった、そのレーティアがだった。
田中とのデートを終えて焦点の定まらない目で自分の部屋に戻ろうとした時にだった。
その前にドイツが来た、そして彼と共に。
ベートーベンもいた、二人はまずはドクツの敬礼をした。
「ジークハイル!」
「ハイルアドルフ!」
「君達か」
レーティアは空虚な顔で彼等に応えた。
「何の用だ」
「少し来て欲しい場所があるが」
「宜しいでしょうか」
「先生も無事日本に亡命出来た」
レーティアは自身のかつての師であるベートーベンを見ながら話した。
「その祝いか」
「それは来られればわかります」
ベートーベンはあえて多くを語らずにこう返した。
「宴の場に」
「それは一体何処だ?」
「こちらだ」
ドイツは自分達が今いる場所の左手を指し示した。
「こちらのパーティー会場に来て欲しい」
「いや、私は」
虚ろな心のまま断ろうとした、だがだった。
ドイツも引かないい、レーティアにあくまで言う。
「是非来てくれ、ここは」
「お願いします」
ベートーベンも言う、二人共どうしてもという感じだった。
「俺達と一緒に」
「そうして下さい」
「何があるかわからないが」
だがそれでもだった、レーティアは彼等に懸命なものを見た。
懸命な相手には応えるのがレーティア=アドルフだ、それでだった。
二人に対してまだ虚ろな顔だがこう答えたのだった。
「では行こう」
「よし、それではだ」
「共に参りましょう」
二人はレーティアの返事を聞き安堵した顔になった、そのうえでだった。
三人でパーティー会場に入った、レーティアが部屋に入るとその瞬間にだった。
万雷の声が彼女を包んだ、その声はというと。
「ジークハイル!」
「ハイルアドルフ!」
太平洋に亡命してきているドクツの将兵達が一斉に敬礼する、そのうえでレーティアに対して言うのだった。
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