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ヘタリア大帝国

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TURN79 天才の復活その三

「もう時間ですが」
「五分超えたな」
「遅いですね、スペインさんは」
「いや、こんなもんだろ」
 フランスはその時間についてもあっさりと言った。
「あいつだったらな」
「スペインさんといいますと」
「シェスタがあるだろ」
「そういえばそうした時間ですね」
 見れば今は二時だ、昼真っ盛りだ。
 その時間を見てシャルロットも納得して祖国に返す。
「では今は私達も」
「ゆっくりすればいいさ、コーヒー飲むか?」
「はい」
「後お菓子もあるからな」 
 フランスはコーヒーだけでなくクレープやケーキを出してシャルロットに勧める。
「どんどん食って時間潰してくれよ」
「有り難うございます」
「本もあるからな」
 今度はそれも出してきた。
「それにゲームもな」
「携帯のゲームですね」
「まあこうしたのをやるかな」
「私達もですね」
「ああ、寝ればいいさ」
 シェスタをすればいいというのだ。
「俺は食ってるけれどな」
「ううん、俺眠くなってきたよ」
 イタリアは早速欠伸をしだした。見るからに寒そうである。
「それじゃあね」
「祖国殿、ここは待つべきかと思いますが」 
 生真面目なユーリはこうイタリアに言う。
「シェスタよりも」
「けれどスペイン兄ちゃんもシェスタしてるからさ」
「祖国殿よりもですか」
「うん、してもいいと思うけれどどうかな」
「仕方ありませんね」 
 ユーリは眼鏡の奥に困った様な笑みを浮かべて自身の祖国に応えた。
「では私は起きていますので」
「ユーリはシェスタしないの?」
「はい、しません」
 それは決してだというのだ。
「ここで起きていますので」
「ううん、じゃあ俺だけなんだ寝るの」
「俺も起きるからな」
 フランスは寂しそうな顔になったイタリアに優しい笑顔で告げた。
「スペインが来たら起こしてやるからな」
「何か悪いね」
「いいさ。俺だってその間楽しむからな」
 フランスの前にはコーヒーと彼の自慢の菓子達がある、それを前にしてそのうえでこうイタリアに答えたのだ。
「御前は御前でシェスタを楽しめばいいさ」
「祖国さん本当にイタリアさんに優しいですね」
「これでも兄ちゃんだからな」
 だから余計にだというのだ。
「弟の面倒は見ないとな」
「これがイギリスさんだと」
「絶対に起こさねえ」
 フランスはイギリスについては憮然とした顔で答えた。
「何があってもな」
「やっぱりそうですか」
「というか寝てる間に顔に落書きしてやるよ」
「イギリスさんにはそうなんですね」
「太平洋にはあいつでもどうにもなりそうにない奴もいるがな」
「誰ですか、それは」
「韓国だよ」
 まさにその彼だというのだ。
「あいつはな」
「祖国さんでもイギリスさんでもですか」
「手に負えねえ。世界は広いな」
 フランスは韓国については遠い目も見せて語った。
「日本はよくあんなのと一緒にいられたな」
「日本さんだからでしょうか」
「あいつもあいつで特別だからな。とにかくな」
「はい、何はともあれ今はですね」
「待てばいいさ」
 シェスタなりお茶なりしてだというのだ。 
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