俺と現実とファンタジー
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part16 堕天使 そして 切欠
前書き
コカビエルとの邂逅です
そして……
「もう、良いのかの……?」
「……ああよ……」
荷物は全て持ったし……思い残すことは何も……いや、一つあるけどな……
……まあ、くさってても仕方ねぇし、思い立った日が吉日って言うしな。
……俺の場合は少し違うが……。
……うし、準備は出来た……この街を去る準備がな……
■
この街を去ろうと決断したのは今日だが、実は数日前からそうしようかと思っていた。
理由はこの街にいる理由がないというものもある、だが一番の理由は……
……あれから、リアスとか言う奴の仲間や茶髪(金髪オッドアイは最近見かけてない)、
ソーナとか言う奴の仲間などが襲いかかってきたからだ……
誤解だと言っても聞かねぇし、下手に反論、反撃したら更に誤解が深まるし、
何故かは知らないが悪質な事件が起こると俺のせいにされていたりする……
……エクスカリバーだの、聖剣だの知らねぇってのに……”コカビエル”……だったか?
そいつとつながっているとも言われた……どうせ繋がっていなくても悪巧みしているだろうとも……
最近のことで一番きつかったのは、魔法少女みたいな女との戦闘だ。
特訓を続けていたおかげか時たまにだが、出力を感知出来る時がある。
運悪くその日は出力の強い日で、相手を攻撃したら相手が消える、だけど逃がしてはくれない……
……そんな状態になり、四苦八苦した。シャグリーンが駆けつけて閃光弾(お手製)を投げてくれなければ、もっと長引いていたかもしれない上、最悪相手を殺してしまっていたかもしれねぇ……
その魔法少女はものすごく怒っていたが、俺だって文句の一つは言いたかった……
『勝手に話を進めるな!』 『誤解だ!』 と……聞いちゃくれねぇだろうけどな……
こんなことがあれば誰だって街を出たくなる。
シャグリーンは、
「もう少し……証拠と力があれば……茶髪を制裁できるというのに……歯がゆいっ……!」
と、毎日言っていたから誤解を解く”何か”を掴んだのは確かだろうが、
このまま街に居続ければ、俺は最悪、能力を使って逃げられるし、奴らの情報網に引っかからないからいい。
だが、シャグリーンは情報網に引っかかるし、戦えない。テレポートにも限界がある。
不意をつかれ、捕まってしまう可能性がある。
……そう思った俺は、この街をでる決心をした。
元々興味本位で付いてきただけなのに、俺のせいでこれ以上ひどい目に合わせるのは申し訳ないとも思い謝罪をし、なぜついてきてくれているか、と聞いた。
すると、
「何を言うとるか、たわけ。悲劇のヒーローを気取る気か?
確かに、わしは最初は興味本位じゃった……
……じゃが、あんな理不尽な目にあっている者を、蔑むほどわしは薄情ではない!
……わしは、神界では使用人はいても、友人がいなかった。じゃから、面白いことを毎日探しておったのじゃ。
お主はとても面白いし、わしは友人だと思っている。
それに数週間共にすごした仲じゃ、今更見捨てるわけにも行くまいて……
ついて行く理由がそれでは不満か? 翔太」
……俺は馬鹿だ……一番そばにいてくれた奴を信じていなかったのか……
俺はその言葉にこう答えた。
「不満じゃねぇわな。
むしろ最高の相棒だっての!」
この時、俺は久しぶりに心から笑えた気がした……
■
「……翔太よ、最後に何か見ていくものはあるか?」
「なんでっていうかもしれねぇけど……駒王学園だわな……」
シャグリーンはめちゃくちゃ驚いた顔をした……まあ、当たり前だわな。
「あえて聞こう……何故じゃ?」
「確かに悪い思い出ばっかだけどよ、それでも俺が学校に通った数日間は
結構楽しかったんだっての。
友達もできたし、いい奴らばっかりだし、何よりでかくて新しい校舎!
俺にとっちゃアレは新鮮だった」
「……そうか……」
「んじゃ、行ってくるぜ」
■
俺は少し遠くから駒王学園を眺めていた……
最悪な思い出もあるが、今は
良い思い出を思い出していた……
元浜、松田……変態だけどいい奴らだった。
桐生……右も左もわからない俺に学校を案内してくれた。
他の奴らも、全員面白い奴らばかりだった。
「……あばよ……なんつってな……」
少し気取ったセリフをいい、背を向ける。
……その時だった。
「あ! お前は!」
「よりによって……結界を張っているこんな時に……」
「一瞬結界が途切れたと思ったらこういうことだったんですね」
なっ!? あいつらは確か”ソーナ”とか言う奴の仲間だったか……!?
こういう時だけは不幸は引っ込んでいて欲しかったってのに!
俺は奴らとは逆方向に走る!
奴らは何か言っていたが、無視して走り続けた……
たのむ! 今回は……今回だけは本当に……不幸、来ないでくれっ!
「む? ……ふん、結界が一瞬途切れたから何かと思えば……人間か」
来るなっつったろうがぁ!? ……ええいしょうがない!
俺は鉄甲類を付け、戦闘態勢を取る!
……ん? なんか色とりどりな髪を持つ人々がこっちに……? あれは……っ!?
「なっ!? お前! また来やがったのかよ!」
それは俺の台詞だっての! どっちかっつぅと来てたのお前らだろうが!
……よく見ると茶髪も含めて全員ボロボロだな……目の焦点が合ってない奴もいる……
「追ってきたか、魔王の妹よ。
だが、もうお前らは後回しだ……今はこの人間に少々興味がわいた。」
さっき、何かと思えば人間か、つってたろ!? 興味ないんじゃねぇのかよ!?
……ジロジロみんなっての!
「つまらん、唯の人間か……興味が無くなった、消えろ」
暴君かお前!?
って……なんだ!? 光の槍かアレ!? 馬鹿でけぇ!
その光の槍をこちらも見ずに投げやがった。
一瞬、茶髪やリアスとか言う奴の顔が目に入った。
……茶髪たちは自業自得だ、みたいな顔をし、おっさんに顔を戻した……戻しやがった……
……その瞬間俺の中で何かがキレた……
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