ソードアート・オンライン ~時を越えたデスゲーム~
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第十二話
前書き
なんて酷い話を考えたんだ私←←←
二人の瞳に映るものはなく、ただひたすら闇をさまよっていた。
「私たち・・・・何か、したのかな」
「してねぇよ」
「何が・・・いけなかったのかな」
「何も悪くねえよっ・・・」
「酷い・・・・よぉ・・・・」
「っ・・・・」
あの言葉は、15歳程の二人には辛く酷いものだった。
あのあと、クラインとエギルがこの部屋まで来てくれた。
でも二人はクラインたちとまともな話をせず、追い返すような形になってしまった。
心配してくれていたのはわかっている。
でも今は、話したくなかった。
彼らの瞳の奥を、覗き込みたくなかったから。
本当の心を知りたくなかったから。
「痛いよ・・・・ぅ」
カズネが、痛々しい声で、静かに泣き始める。
「泣くなよっ・・・俺ら・・・なんも・・・わる、く・・・っ」
アキトも、つられてポトリと涙を流す。
とめようとしても止まらなくて。
この世界では感情を隠すことはおろか、余計に大きく表現されてしまうから。
とても涙を見せないなんて事は出来なくて・・・。
「うあ・・・・うわああああああっ」
「っ・・・・うぅ・・・・」
二人が泣いているなんて、罵ったプレイヤーたちは知らないだろう。
二人の戦力がかけるだけで、攻略にどれほど害を及ぼすのか。
プレイヤーたちは後悔するのだろう。
光を失った二人の瞳を見たら。
「・・・・・」
「・・・・・」
いつの間にか、二人は疲れて眠っていて。
泣いた跡が痛々しく残っていた。
∮∮∮
夢を見ていた。
とても懐かしい、両親と姉のいるところ。
「ね、お父さん、お母さん、ユイねぇ」
和音と明人はぽつりぽつりと話し出す。
ボス戦のこと、罵られたこと。
きっと和人たちなら慰めてくれると思って。
「俺ら・・・どうすればいい・・・?」
か細く寂しそうにいう明人に、母はふわりと微笑んだ。
「明人、和音。和人君もね、そんな風に戦ってきたの。
二人が和人くんと同じ、「ビーター」という名を背負ったように、その戦いも背負わなくちゃいけない」
「俺も傷ついたぞ結構。でもな、二人共」
明日奈と和人の姿が、段々と薄れて遠くなっていく。
『信じてくれる仲間がいる・・・・』
そこで、二人は目を覚ます。
同じ夢を見ていたことに驚きながらも、両親の言葉を思い出す。
「「信じてくれる仲間・・・」」
思い出せば、たくさん居る。
自分たちを信じてくれる、仲間が。
二人は瞳に強い輝きを取り戻す。
そして、次の攻略に向けて歩き出した。
後書き
悲痛なので一話で終わらせました
強制終了。。
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