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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第五章 StrikerS編
  第百二十六話  『出張任務(2) 海鳴市到着』

 
前書き
出張任務、第二話です。
2話目でやっと海鳴市に到着しました。 

 


Side シホ・E・S・高町



そして転送ポートでアリサの別荘に到着した。

「はい! 到着です!」

リインが元気にそう言葉を発する。

「はぁー…」
「ここが…」
「なのはさん達の故郷…」
「そうだよ」
「ミッドとほとんど変わらないでしょう」
「空は青いし、太陽も一つだし…」
「山と水と自然のにおいもそっくりです」
「キュクル~!」
「湖、綺麗です」
「やっぱり地球はいいところだね。ラン姉さん」
「そうだね、レン」

フォワード陣はそれぞれここを満喫しているようだね。

「というかここは具体的にどこでしょう?」

ティアナがそう聞いてくる。
そこにアリサがえっへんと胸を張って、

「ここはあたしの別荘の敷地内よ!
いつも大勢で地球にやってくる時はここを通ってくるのよ!」
「「「「「「へー…」」」」」」
「今回は大人数だって言うから鮫島に連絡して許可してもらったのよ。
…っと、言ってるそばからやってきたわね?」

そこには黒いベンツの車がやってきた。
そこから鮫島さんが降りてきて、

「お帰りなさいませ、アリサお嬢様、アサシン殿。
それに皆さんもよく来られました」
「うん、ただいま。鮫島」
「壮健であるか、鮫島よ」
「はい。日々、鍛錬を怠っておりませんよ」
「呵呵呵。ならば今宵は勝負と洒落込むとしようか」
「望むところですよ」

アサシンと鮫島さんは元気そうに勝負事を始めようと張り切っている。
昔から鮫島さんはアサシンに負け越しているからね。
まぁ、アサシンが負けるわけがないのだけれど。

「…この世界にも車ってあったんですね」
「いや、ティアナ。私達の世界の文化をどれだけ低く見積もっていたの…?」
「あ、すみません…」

思わずの発言だったので一応ツッコミをしておいた。



◆◇―――――――――◇◆



Side 月村すずか



私とはやてちゃん達でなのはちゃん達とは別の転送ポート。
…つまりうちの敷地に直接繋がっている場所に転送してくると待っていてくれたのかファリンが転送ポートの前で待ち構えていてくれた。

「すずかお嬢様、お帰りなさいませ。それにはやてちゃんにみなさん。お久しぶりです!」
「ファリン、ただいま」
「お久しぶりです、ファリンさん」
「ご無沙汰しています」
「「お久しぶりです」」

ファリンとみんなで一緒に話をしていると猫さん達がたくさん寄ってきた。

「あ、猫ちゃん達も久しぶりなー」
「にゃぁ~」

それではやてちゃん達に擦り寄っていく猫ちゃん達。
でも、ふと思った。

「シホちゃんがいたら絶対惨事になっていたね…」
「あー、うん。そやね。
シホちゃん、すずかちゃんの家に来る時はいつも来襲に警戒していたからね。
猫好きなのにもったいないなぁ…」

そうなのである。
シホちゃんはイリヤさんの猫アレルギーが移ってしまいすぐに涙と鼻水が出ちゃうんだよね。
だからうちに来る時は猫ちゃん達が来ない室内でいつもお話をしていたっけ。
と、そこに、

「すずかお姉ちゃーん!」

黒髪の女の子、雫ちゃんが家の中から出て私に走り込んできた。
そして私の足元に抱きつくと、

「おかえり! すずかお姉ちゃんにライダーのお姉ちゃん!」
「うん、雫ちゃん!」
「ただいまです、シズク」
「あのね、あのね! すずかお姉ちゃん、何日かお休みもらったんだよね!?」
「うん、そうだよ」
「それじゃ私と一緒に遊ぼ!」
「いいよー。いっぱい遊ぼうね」

私が雫ちゃんをグルグル回して遊んでいる向こう側でははやてちゃんがファリンとなにかを話していた。
それでよく聞いてみると、

「恭也さんと忍さんとノエルさんはまた海外ですか?」
「はい。三人で今は仕事でドイツの方に行っています。ですから雫お嬢様の面倒は私に一任されているんです! 責任重大です!」
「そですかー。頑張ってください」
「はい!」

そっか。お姉ちゃんと恭也お兄ちゃんはまた海外か…。
私が家にいない分、雫ちゃんには寂しい思いをさせちゃってるね。
でも、大丈夫だよ雫ちゃん。
将来は従姉妹が出来る予定だから!(※ 爆弾発言)
楽しみにしていてね!
私は心の中でそう呟いているのだった。



◆◇―――――――――◇◆



Side 高町なのは



ん…?
どうしたんだろう、シホちゃん。急に身震いをしているけど。
まぁ大丈夫だよね。
それより、と私はみんなの前に振り向き、

「それじゃ改めて今回の任務について説明するね」
「「「「「「はい!」」」」」」

フォワードのみんなは元気に返事を返してくれる。
うん、いい反応だ。
それで私はモニターを開き、

「捜索地域はここ。海鳴市全域。反応があったのはここと、ここと、ここ…」

私がモニターで説明していくと全員がそれぞれ真剣にモニターに食い入って覗き込んでいる。
するとティアナが気づいたのか、

「移動していますね…?」
「そう。誰かが持って移動しているのか、独立して動いているのかわからないけどね」
「対象ロストロギアの危険性は今のところ確認されていない」
「仮にレリックだったとしてもこの世界にリンカーコアの方の魔力保有者は滅多にいないから暴走の危険は薄いと思うんだけど…」
「でも、ここで魔術師がもしかしたら活動しているかもしれない」

シホちゃんが魔術師の話題を出す。
そう。それがこの世界の不安要素の一つ。
魔導師ならまだ比較的安全だけど魔術師だと魔導師以上にどんな事を引き起こすのかわかったものじゃない。

「でも、それも別段安全だとは思うけどね」
「どうして分かるんですか…?」
「うーんとね…簡単に言うとこの海鳴の町はすでに私の支配圏内に入っているから」
「支配、圏内…?」
「どういう事ですか…?」

六人とも思案顔になっている。
私も初めてこの町に結界を張ると聞いたときは分からなかったからその気持ちは分かるよ。

「うん。私が管理局に所属する前に士郎やサーヴァント達と相談してキャスターにも協力してもらって、この町の霊脈が一番流れている月村家を中心にこの町全域に結界を張ったの。
その効果は魔術師や魔導師がこの町に侵入してきて悪事を働くことがあったらすぐに反応して私に知らしてくれるというもの。
侵入してきただけでもすぐに魔力を感知して知らしてくれるから便利なのよ」
「すごいですね…。でも、それじゃどうしてロストロギアが…?」

ランがいいところに気づいた。
そこがシホちゃんの今回のうっかりポイントだね。

「そこが今回の結界の落ち度かしらね?
まさかロストロギア単体でこの町に発生するとは想定はしていなかったのよ。
だから今回発見が遅れてしまったの」
「なるほど…」
「ま、結界云々はここまでにしておきましょう」
「そうだね。
それで話は戻ってくると、それでも相手はやっぱりロストロギア…何が起こるか分からないし、場所も市街地…油断せずにしっかりと捜索していこう」
「スターズとライトニングの副隊長たちは後で合流してもらうんで…」
「私達は先行して出発しちゃおう!」
「「「「「「はい!」」」」」」

それから動き出す私達。
まず、

「それじゃ中距離探査は、リイン、お願いね?」
「おまかせです!」
「クロスミラージュにも簡易型の探索魔法をセットしてあるから、そっちとこっちの二人ずつで少し離れて探して歩こう?」
「はい!」
「後は、市内の各所にサーチャーやセンサーを設置。作業としてはこんなかんじかな?」
「「はい!」」

みんなで話していると、

「隊長、すまない、遅くなった」

シグナムさん達が到着したようだ。

「大丈夫よ、シグナム。今始めているところだから」
「そうか」
「ロングアーチも準備万端や」
『あたしもこれから探索と設置をしながらスターズに合流する』
『私もヴィータと一緒に設置を担当します。それからお姉様達と合流しますね』

ヴィータちゃんとフィアちゃんも仕事が早いね。

「そんなら機動六課出張任務、ロストロギア探索、任務開始や!」
「「「「「了解!」」」」」

そしてフェイトちゃん達ライトニング分隊と別れて今はスターズ、セイバーズのみんなとリインとで一緒に歩いているところ。
リインに久しぶりの海鳴の景色はどう?と聞くと、

「懐かしいですぅ! なのはさんは?」
「私は懐かしいっていうより、『あれ? 仕事中なのに帰ってきちゃった…』みたいな感じかな?」
「私もそんな感じね。アルトリア達はどう?」
「私もナノハと概ね感想は変わりありません」
「余達も息抜きは必要だからな」
「急いでも事態は変わりませんからね」

シホちゃん、アルトリアさん、ネロさん、オリヴィエさんが順にそう話す。
そこに事態を見守っていたアリサちゃんが、

「ふーん…やっぱり隊長さんにもなるとなのははしっかりするのね。
昔はあんなに暴発していたのに…」
「日々成長しておるな。呵呵呵」
「あ、アリサちゃん、アサシンさん、それは言わないで…」

昔のことを話されると恥ずかしくなるから言わないで、アリサちゃん!

「…つうか、本当にミッドの田舎の方とそんな大差ないわね? 街並みも人の服装も…」
「うーん、あたしは好きかな。この感じ」
「まぁね。なんかのんびりしてる」
「あ! ティア、あれアイス屋さんかな!?」
「うん、そうかも…ってやめなさいよ? 任務中に買い食いなんて! 恥ずかしい…」
「うん…」

うんうん、二人は概ね楽しんでいるようだ。だから今回は見逃してあげよう。
そこにヴィータちゃんが念話で話しかけてきて、

《おう、なのは隊長。あたしとフィアット副隊長はロングアーチからの直接指示で動いているからな。上空からのセンサー散布だ》
《了解。お願いね、ヴィータ副隊長、フィアット副隊長》
《了解だ。いくぞフィアット》
《わかりました!》
《リインも手伝わなくて平気です…?》
《平気だ。リインはなのはとシホ達を手伝ってやんな。お前の探査魔法は優秀だからな》
《はいです♪ ヴィータちゃん》
《じゃ、また後で》
《おう》

それでヴィータちゃんとの念話を終了させる私なのだった。
そこにアリサちゃんが話しかけてきて、

「なのは、シホ。
晩御飯はあたしとすずか、アリシアにファリンさんとライダーさん、鮫島で準備させてもらうわ。
コテージで待っているから」
「うん! ありがとう、アリサちゃん」
「ありがとね、アリサ」
「うん。それじゃあたしはすずかとアリシアと合流するからここで別れるわ」
「わかったわ」

それでアリサちゃんと別れる私達。
それから少し捜索が続き、そこに、

『ロングアーチからスターズ、ライトニング、セイバーズに通達します』

ん? シャマルさんからの通信だ。なにか新情報かな?

『さっき、教会本部から新情報が来ました。
問題のロストロギアの所有者が判明。
運搬中に紛失したそうで事件性はそんなにないそうです』
『本体の性質も逃走のみで攻撃性は無し。
ただし大変に高価なものなのでできれば無傷で捕らえてほしいとのこと。
まぁ、気ぃ抜かずにしっかりとやろう』
「「「「「了解!」」」」」

よかった…。
レリックじゃなかったんだね。
少し安心したかな。
それでみんなを見回してみると特にフォワードのみんなは落ち着いた表情をしていた。

「少し、肩の力は抜けたかな…?」
「はいです…」
「ほっとしました」
「大きな事件にならなくてよかったですね」
「だね。ラン姉さん」
「…というか、そろそろ日も落ちてきましたし晩御飯の時間ですね」

リインがそう言う。
確かにそうかもしれないね。
それで私は別行動しているライトニングのフェイトちゃんに通信で連絡を取ってみる。

「ライトニング、そちらはどう?」
『こちらライトニング。こっちもひと段落ついたから待機所にもどるよ。
ロングアーチ、なにか買って帰ろうか?』
『こちらロングアーチ。
ありがたいことに夕食はすずかちゃんやアリサちゃん、アリシアちゃん、その他民間協力者が用意してくれるそうや』
『了解…。それじゃスターズ、セイバーズのみんなを車で拾って帰るね』
「ありがとう、フェイト隊長」
「助かるわ。フェイト隊長」

私とシホちゃんでフェイトちゃんに感謝の言葉を贈っておく。

「うーん…でも手ぶらで帰るのもあれかな?」
「それじゃここから近いことだし寄ってかない? なのは」
「そうだね、シホちゃん」

それで私はお母さんに連絡をとって見ることにした。
携帯を取り出して、

「あ、お母さん? なのはです」
「「えっ!?」」

なにかスバル達が驚きを見せていたけど私は構わず電話をする。



◆◇―――――――――◇◆



Side ラン・ブルックランズ



なにかなのはさんのお母さん、つまり桃子さんについて念話で話し始め出すスバルさんとティアさん。
なので私も会話に混ざることにした。

《お二人共念話でなんの会話をしているんですか?》
《あ、ラン。なのはさんのお母さんについてちょっとね》
《桃子さんのことですか》
《ランは知っているの…?》
《はい。シホさんに何度か連れてきてもらったことがありますから会ったことがあります》
《どんな感じの人なの…?》
《とても優しい人ですよ? それになんといっても若いですよ!》
《《そう(なんだ)…》》

それからなのはさんはお話が済んだのか、

「さて、ちょっと寄り道をしていこうか」
「はいです♪」
「あの、今、お店って…」

あ、そういえばまだ知らないんだったね。
なのはさんが二人にわかりやすく、

「そうだよ。うち、喫茶店なの」
「喫茶翠屋。おしゃれで美味しいお店ですよ」
「そうね。未だに私は桃子お母さんに料理の腕では負けているから…」
「「えぇー!?」」

それで驚くスバルさんとティアさん。
そして翠屋に到着するとなのはさんが先行して中に入っていって、

「お母さん、ただいまー!」
「ただいまです。桃子お母さん」
「なのは! シホちゃん! お帰りなさい!」

桃子さんがなのはさんとシホさんを暖かく出迎えてくれている中で、

《なのはさんとシホさんのお母さん、わっかい!》
《ホントだ…》
《だから言ったとおりだったでしょう?》
《うんうん、桃子さんはとっても若いよね》

レンも念話に加わってきたのでみんなで念話を始め出す私達。

「桃子さん、お久しぶりです!」
「わぁ。リインちゃん! 久しぶりー!」
「モモコ、お久しぶりです」
「また飲みに来てやったぞ、桃子よ」
「お世話になります。桃子さん」
「アルトリアさんとネロさんとオリヴィエさんもよく来たわね。歓迎するわよ」

リインさんやアルトリアさん達もも久しぶりなのか笑顔で喋っている。
そこにぞくぞくと家族の人達がやってきた。

「おー。なのはにシホちゃん。
アルトリアさんにネロさんにオリヴィエさんもよく帰ってきたな」
「おかえりー。なのはにシホちゃん、それにアルトリアさん達も」
「お父さんにお姉ちゃん」
「ただいまです。士郎お父さん、美由希姉さん」

お父さんとお姉さんの登場になのはさんとシホさんも嬉しそうに顔を笑顔で弾ませている。

《お父さんも若いわね…。というかお父さんの方は士郎さんと同じ名前なのね》
《びっくりだね…》
《使い分けが難しいですよね。
シホさんは士郎さんの事は呼び捨てで、お父さんの方は士郎お父さんと呼んでいますから》
《でも、やっぱり家族っていいものだね》
《そうだね、レン》

するとなのはさんがこちらに向いてきて、

「あ、お父さん。紹介するね。この子達、私とシホちゃん達の生徒だよ」
「ああ、そうか。こんにちは、いらっしゃい」
「は、はい」
「こんにちは」
「それと、ランちゃんにレンくんもよく来たね」
「はい」
「ご無沙汰しています」

士郎さんが挨拶をしてくるので私達も挨拶を返しておくのだった。

「ケーキはいま箱詰めしているから」
「フェイトちゃんと待ち合わせなんだけど、いても平気…?」
「もっちろん」
「うん!」
「ありがとうございます」
「ああ、コーヒーと紅茶も用意してあるから持ってきなさい」
「ありがとうございます!」
「お茶でも飲んで休憩していってね」
「はい。えっと…スバル・ナカジマです!」
「ティアナ・ランスターです」

スバルさんとティアさんは自己紹介をしていた。
うん。最初が肝心だよね。

「スバルちゃんにティアナちゃんね」
「二人共、コーヒーとか紅茶はいけるかい…?」
「あ、はい」
「どっちも好きです!」
「リインちゃんはアーモンドココアよね」
「はいです♪」

どうやらリインさんもここの常連だったようだ。
そりゃそうだよね。
昔はこちらで暮らしていたんだから好みも知られていても不思議じゃないからね。

「スバル、ティアナ。おいで」
「桃子お母さんの淹れる紅茶はおいしいから飲んでおくことをオススメするわよ」
「お仕事が大変そうだから、元気が出るミルクティね」
「はい」
「ありがとうございます」
「ランちゃんとレン君はどうする? 今日はミルクティは飲んでいく? それともコーヒーにしておく?」
「いえ、同じミルクティで構いません」
「うん。一緒でお願いします」
「わかったわ」

それで準備をし始める桃子さん。
そこに士郎さんが話しかけてきて、

「それにしても、四人共。
なのはとシホちゃんは先生としてどうかな?
お父さんは向こうの仕事のことはどうも分からなくてな…」
「あ、その、すごくいい先生達です!」
「局でもお二人は有名で、若い子達の憧れです」
「「「へー…」」」
「うー…ティアナ、少し恥ずかしいから」

なのはさんにしては珍しく恥ずがしがっているようである。
とても機動六課では見れない光景だな。
そしてシホさんも、

「そ、その…自分の出来ることを一生懸命しているだけですから…」

………驚いた。
シホさんがこんなに素直に顔を赤くして恥ずかしがっているのも滅多に見れないかもしれない。
ティアさんが念話で、

《ちょっ!? シホさんのこんな姿、初めて見たんだけど…!
同性愛者じゃないけど、ちょっとクラッときたわ!》
《うん。そうだね、ティア! シホさんってキレイとカワイイを両立しているから今回は可愛さが表に出てきているね!》
《やっぱりシホさんは魅力的な女性だっていうことだね、ラン姉さん》
《そうだね、レン》

それからなのはさん達はお兄さん達の話で盛り上がっているようであった。
どうもお兄さんはドイツという場所に行っているみたいで、雫ちゃんという子供を家に残しているという。
「寂しがっていない…?」とシホさんが聞くが、よくすずかさんが帰ってきているしファリンさんもいるから心配はなさそうであるとのこと。
それからなのはさんとシホさんも普通にお父さん達と会話している光景を見て、

《なんか、なのはさんとシホさんが普通の女の子に見える…》
《そうね…》
《実家ですから素の自分を出せるんだと思いますよ?》
《うん、そうだね。家ではシホさんはいつもあんな感じですよ?》
《へー…》
《そうなんだ…》

それからフェイトさん達が到着するまで翠屋でひと時の時間を楽しむのだった。



◆◇―――――――――◇◆



Side レン・ブルックランズ



それからフェイトさんの運転する車に人数がギュウギュウ詰めで違反スレスレでなんとか補導されずに無事にコテージまで到着することができました。
捕まったらどうしよう…とヒヤヒヤものでした。
そこのところを聞いてみるとシホさんがさらっと、

「もし捕まったら暗示をかけて無かったことにしておくわ」

とか、さらっと物騒な発言をしていたのはれっきとした仕事をしている僕達的にはいいのかな?とも思いましたが、まぁそうならなくてよかったです。
そして全員でコテージの近くのところまで行くといい匂いがしてきた。

「いい匂いがします」
「はやて達が晩御飯の用意をしているのかな?」
「あ、なのはちゃん達、来たんだね」

そこにすずかさんがやってきた。

「あ、すずか。もしかしてもう料理とか作り始めちゃってる…?」
「うん。シホちゃんも参加したかっただろうけど、今回ははやてちゃんとアリシアちゃんに任せて大丈夫だよ」
「そう。私も作りたかったけど今回は我慢をしておきますか」
「それよりシホちゃん、一緒にご飯食べようね」
「そうね、すずか」
「あー! すずか、お姉様を独り占めはずるいですよ~!」
「フィアットちゃん、安心して。
シホちゃんは私とフィアットちゃんとアルトリアさんとネロさんのみんなのシホちゃんなんだから♪」
「そうですよね!」
「あ、あはは…恥ずかしいわね。フォワードのみんなも見ているからここは穏便に…」
「シホの嬢ちゃんもすっかりハーレムを形成しているねぇ~。
士郎は一人を選んだのにこっちはすごい人数だぜ」
「ランサー、からかわないで…」

ランサーさんがそう言ってシホさんをからかっている。
それにしても…なんか、今日はいつにも増してすずかさんとフィアット副隊長がシホさんとの距離が近いなぁ…。
そこにティアさん達から念話が聞こえてきて、

《…あのさ、レン。前から思っていたんだけど、シホさんってすずかさんとフィアット副隊長とどういった関係なの…?
なんか友達にしては行き過ぎているのをチラチラと感じるんだけど…》
《うんうん。ランも何か知っているなら教えてよ》
《えっと…そうですね。少し恥ずかしい話題になりますけどいいですか?》
《ええ、聞いてあげるわよ》
《ズバリ言いますとすずかさんとフィアットさんはシホさんの事が好きで、シホさんも二人の気持ちにはちゃんと応えているんですよ》

ラン姉さんがその事をティアさん達に教えると一気に聞いていた四人は顔を真っ赤にする。

《え…でも三人とも女性ですよね?》
《エリオ君。もうあの三人は女性という括りは気にしていないんだよ?
前に聞いた話だけどね、三人は結婚できる年齢になったら同性でしかも多重結婚ができる部族がいる世界で結婚する約束をしているんだよ》
《ええぇーーー!? それ、ホントなの!? レン!》
《は、はい。スバルさん…》
《でも、それって本当に幸せになれるのかしら…?
女性同士だから子供は作れないだろうし…》
《あ、それももう解決していますよ?》
《ど、どういうことですか、ランさん?》
《キャロ、シホさんはある意味世に知られれば革命的な魔術を使えるんだよ?》
《えっと…どんな?》

キャロちゃんが顔の赤みが増してきた。見れば他の三人も同様である。

《シホさんは錬金術で男性のアレを擬似的に作り出せることができるんだそうですよ。ちゃんと子供も作れる優れものを…》
《マジで!?》
《すごいわね…》
《はい…》
《うん…》
《そ、それじゃ例えばもしかしたらそれ使えばあたしとティアも子供を作れたり…?》
《バッ!? バッカじゃないの!? スバル! あたしはそんなことしないわよ!!?》
《はーい…》
《でも、事実上は可能だとシホさんは言っていましたけど…。
でも、欠陥があって生まれてくる子供は女の子限定だとか…》
《それだけでもすごいわよ…》

そこにシホさん達が不思議そうな表情でこちらを伺っているのを見て咄嗟に「この話は今回はここまで!」という事で念話は終了された。
するとそこにもう一台車がやってきた。
誰だろうと思っているとそこから美由希さんにエイミィさん、そしてアルフさんが登場してきた。

「はぁい!」
「みんな、お仕事してるかー?」
「お姉ちゃんズ、参上!」
「エイミィさん…」
「アルフ!」
「それに、美由希さん…?」
「さっき別れたばっかりなのに…」

そうだよね。多分話を聞きつけて駆けつけたんだと思うな。
美由希さん、こういうの好きだし。
そして案の定、美由希さんはエイミィさんが僕達と合流するというのでついてきたという。
エイミィさんもエリオ君とキャロちゃんに「元気だった?」と聞いている。
アルフさんも「背、少し伸びたか?」と聞いているししっかりもののお姉さん(?)だね。
後でフェイトさんに聞いた話だと実際問題、アルフさんは年を数えると僕達より年齢は下だという…。
そこにフェイトさんとアリシアさんが走ってきて、

「アルフー!」
「アルフ、来たんだね!」
「フェイト、アリシア!」

アルフさんは二人の名前を呼び、そしてフェイトさんに飛びついていた。
こうしてみるとやっぱり子供に見えてしまうからどう接していいか分からないんだよね…。
それからアルフさんのハラオウン家での過ごし方など他にも色々と話し合っていて楽しそうだね。
そしてカレルとリエラってエイミィさんの子供かな…?
それから少ししてコテージの方に向かっていくとなんとそこには鉄板焼きをしている八神部隊長の姿があった。
それで驚く僕達。
八神部隊長に手伝いますと言ったけど軽くあしらわれてしまったので仕方がなく僕達フォワード陣は食器出しと配膳作業をするのだった。
そこでシャマル先生は実は料理が苦手だということがわかったけど、まぁ些細なことだね。
そして食事と飲み物も全員に行き渡り八神部隊長が代表して、

「では皆さん。任務中にもかかわらずなんだか休暇みたいになっていますが」
「ちょうどサーチャーの反応と、広域探査の結果待ちとなっていますので少しの間休憩できますし…」
「でかい事件にも発展するわけでもないから」
「だから、六課メンバーはお食事で鋭気を養って引き続き任務を頑張りましょう」
「「「「「「はい!」」」」」」
「現地の皆さんはどうぞごゆっくり」
「はやてー。あたしとすずか、アリシアは休暇で来ているだけだからねー?」
「わかっとるよ、アリサちゃん。で、せっかくの機会なんで協力者の皆さんと六課メンバー、初対面組の各自自己紹介など…」

八神部隊長の発言でまずはアリサさんが立ち上がり、

「えー…ではあたしはアリサ・バニングス。
魔術事件対策課の前線指揮官をしている一等陸尉です。
なのはとフェイト、はやてにシホ、フィアット、すずか、アリシアとは十年前からの友達です。
今も仲良しです。
そのうち機動六課と魔術事件対策課は合同で作戦をする機会もあるかもしれませんのでよろしく!」

そう言ってまずアリサさんは喋り終わり座る。
次はすずかさんだ。

「私は月村すずかです。
私も魔術事件対策課のデバイス技術班で魔術式デバイス作成を手がけている三等陸尉です。
アリサちゃんと同じくなのはちゃん達とは友達で、シホちゃんとは…その、女性同士で変だと思われますけど恋仲です」
「すずかー!? 今話すことじゃないわよね!?」
「宣言はしておくものだよ? シホちゃん」
「さいですかぁー…」
「すずか! それなら私もお姉様とは恋仲ですよ!」
「そうだよね、フィアットちゃん」
「フィアも乗らないで…恥ずかしくなってくるから…」

シホさんは顔を真っ赤にして言っていたが諦めてすぐに座り直した。
そして次はアリシアさんが立ち上がった。

「私はフェイトの姉のアリシア・T・ハラオウン二等陸尉でーす!
魔術事件対策課で前線部隊のガードウィングを勤めていまーす。よろしくねー!」

フェイトさんとほとんど同じ顔なのにこちらはフェイトさんと比べて活発というイメージが多分にあるね。
そして次はアルフさん。

「あたしはミッド出身でフェイトの使い魔のアルフでーす!」

と、そんな感じでお次はエイミィさん、美由希さん、ファリンさん、鮫島さんと自己紹介をしていって特に美由希さんになのはさんとシホさんの事をよろしくと頼まれてしまった。
そして次は僕達フォワード陣の紹介となって全員が紹介し終わると食事が開始された。
それから飲み物が足りなくなったので冷やしてあるという場所まで僕達フォワード陣で取りに行くことになって、そこでちょっと危ないやりとりがあったけど概ね大丈夫だった。
なんかスバルさんとティアさんが二人で大事そうな話をしているけどラン姉さんに余計な詮索はやめときなさいと言われて気にはなったけど二人を残して戻ることにしたのだった。


 
 

 
後書き
原作のドラマCDの部分も残っていますが無印から積み重ねられてきた設定などで多分に追加セリフが多いこと多いこと…。
アルフの詳しい紹介、美由希、エイミィ、ファリン、鮫島の紹介は文字数の関係と、そして原作とそんなに大差ないので省かせていただきました。

 
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