レインボークラウン
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第四十話
第四十話 九条雅美
塾の六年生のクラスには九条雅美がいた、かつてクラウンは歌で対決した彼女だ。
彼女は自分のクラスメイトになる六年生の女の子二人に笑顔で言っていた。
「じゃあこれから宜しくね」
「ええ、こちらこそね」
「宜しくね」
六年の同級生の娘達も雅美に笑顔で応える。
「何かあんた凄い魔術が使えるのよね」
「歌と合わせて」
「うん、お茶やお花はまだしたことがないけれど」
それでもだというのだ。
「音楽の方はしたことがあるから」
「魔法と音楽を合わせて使うのよね」
「そうしてるのよね」
「そうなの、けれどお茶やお花は本当にしたことがないから」
このことには自信がないというのだ、雅美はそちらについてはかなり心配な顔でこう塾のクラスメイト達に言うのだ。
「怖いわ」
「大丈夫よ、先生達とても優しいから」
「何度でも丁寧に教えてくれるわよ」
「何度失敗しても怒られることはないから」
「安心してね」
「そうなのね」
雅美は二人の話を聞いてとりあえずは納得した。
「じゃあ実際に安心してね」
「一緒に頑張ろうね」
「最初は正座が辛いけれど」
これは茶道でも華道でも同じだ、日本の文化はこのことが最初にして最大の難関になる、だが間違ってもポットに入れたり胡座をかいたりする茶道はない。
「それでもね」
「それを超えたらかなり楽になるから」
「そうなの、それじゃあ」
雅美は二人の話を聞いて今度は安心した、それで言うことは。
「頑張るわね、そっちも」
「うん、茶道も頑張ろう」
「華道もね」
「それと後輩の娘達だけれど」
雅美は今度は彼女達のことを考えた。
「どんな娘達から」
「ええ、皆いい娘よ」
「礼儀正しいしね」
「先輩にもちゃんとしてくれるわよ」
「だからそのことも安心してね」
「ええ、それじゃあね」
雅美はこのことについても安心した。
「安心してね」
「この塾は何も心配することないから」
「凄くいい塾だから」
二人は雅美にさらに言っていく。
「三人で楽しくやろう」
「ずっとね」
「うん」
雅美はこれからのことに安心と期待を確信していた、それは適えられるが驚きがあるとは思っていなかった。
第四十話 完
2013・5・26
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