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グラールの神機使い

作者:GOLD
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1-4

「……え?」

 その瞬間、シズルとエミリアは信じられない物を目にした。

 アサッシンの鎌は空を切り、リュウジは既にその背後に回っていたのだ。

 速い。異様なまでに。

 そして剣をアサッシンに向けると、さらに予想もしない行動に出た。

「遅ぇ!」

 喰った。

 武器から、黒い獣の口のような物が飛び出し、グラス・アサッシンに喰らいついたのだ。

 牙で引きちぎられた肉、溢れる血、そして美味そうにそれを喰う得体の知れない何か。

「う、わ……!」

 あまりの光景に、エミリアは腰を抜かしてしまったようだ。シズル自身、エミリアを心配する手が震えている……

「おい、そのガキを連れてとっとと隠れてろ!」

 すると、見かねたリュウジの声がシズルの意識を取り戻させた。

「で、でも……」

「聞こえねぇか!? それでよく戦おうとしたもんだな! とっとと隠れろ、これは命令だ!」

 あまりの気迫に、シズルは息を呑む。

 そして思った。あれはひょっとしたら、僕の想像するような人間ではないのかもしれない、と。

 ぐったりしたエミリアを抱きかかえ、建物の陰に隠れる。それでもシズルは、リュウジの戦いを見続けていた。

 見とれていたというのが正しいかもしれない。彼の戦いから、目をそらすことができなかった。

 よく見ると、グラス・アサッシンを捕喰したせいか、リュウジの体に赤茶色のオーラが立ち上っていた。

 異質な光景といえばそうだ。あの男と武器が繋がっているという事を、シズルは知っている。

 つまる所、あの男がグラス・アサッシンを喰った事になるのだから。

「ちっ、剣は効きにくいか? めんどくせぇ……」

 リュウジがまた武器を振る。すると、また予想だにしない事が起きた。

 武器が変形し、巨大な銃になったのだ。

「レーザーカノン!?」

 いつの間にか起き上がったエミリアが声を上げる。

 が、あれはレーザーカノンではない。サイズも、構えも違いすぎる。

 そしてシズルは、また驚かされる事となった。

「そこだ!」

 リュウジの持つ武器の銃口から放たれたのは、アサッシンが使う粘液攻撃だったのだ。

「1日にこんな何度も驚かされる事になるとはな……」

 酸性の強い液体が、アサッシンの皮膚を溶かし焼く。

 しかもリュウジは、そんな攻撃を三発も放ったのだ。それも、同じ一点を狙って。

「よし……」

 焼けただれた一点は、硬い甲殻が解かされ、中の肉が丸出しになっていた。

「まさか、アレを狙って……!?」 
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