DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第30話:病は気から……ってワケではなさそう
(ミントス)
ブライSIDE
まったく……
姫様の家臣でありながらクリフトのヤツにも困ったもんじゃ!
まさか旅の途中で病に倒れるとは!?
しかたないと言えばそれまでじゃが、この旅に掛ける気合いが足りんから寝込む事になるんじゃ!
じゃが姫様の前でこのような事を口に出したら、さぞかし激怒するじゃろうなぁ……
最近は特にイチャイチャしておるから……
家臣の分際で調子に乗りおって!!
「う、う~ん……」
ワシは目の前でベッドに横たわるクリフトを見下ろし、ヤツの頬を抓り上げる。
病の所為なのかワシの所為なのか……ともかく苦しそうにクリフトは唸り声を上げた。
(コンコン)
するとワシ等の部屋をノックする者が……
誰じゃろうか? ルームサービスは頼んでおらんのじゃが?
(ガチャ)
ワシは用心の為、少しだけ戸を開け廊下の様子を確認する。
「あ、いきなりの来訪申し訳ございません。少しお伺いしたい事がありまして……お話をよろしいでしょうか?」
戸の外には、綺麗な金髪で整った容姿の青年が礼儀正しい態度で立っていた。
そして彼の両サイドには2人の少女が……1人は青い髪に白い肌の美しい少女。
もう一人は栗色の髪をした幼い美少女……兄妹には見えないが、どんな関係なのだろうか?
「一体何用かな? 此処には病で寝込んでいる者が居るので、静かにしていただきたいのじゃが?」
「それは申し訳ございません。ただ1点だけ確認させて下さい。貴方達の連れにリュカと名乗る者は居りませんか? (バサッ)こんな顔なんですが……」
青年は崩す事無く礼儀正しい態度で尋ねてくると、先ほど描いたと思われる似顔絵を一枚、ワシの前に見せ尋ねてくる。
何とリュカの事を!
あのトラブルメーカー男の事を!!
「な、何じゃおヌシ等……リュカの知己の者か!?」
「ご、ご存じなのですねリュカさんの事を!?」
病人が寝ている事も忘れて大声を出してしまうワシ……じゃが、それに釣られる様にして青年も大声で問うてくる。
「ご存じも何も、ヤツの所為でこっちは迷惑のし通しじゃわい!」
「やはりそうですか! まぁ判っていた事ですけどね……彼に関わって迷惑を被らない人間は、嫁と愛人だけ……まぁ後は変態的な娘連中だけでスカラね(笑)」
「笑い事じゃないわい!」
ワシの苦労を知らない青年は、先ほどまでの礼儀正しさを吹き飛ばし、楽しそうに納得しおった!
なので思わず怒鳴ってしまったのじゃが、同時に両サイドの娘も青年に肘鉄を喰らわせおった。もしかするとこの二人はリュカの娘か?
「ま、まあまあ……で、リュカさんはどちらに居りますか?」
「ん? あぁ……ヤツなら今は……」
そうリュカのヤツは今頃姫様とソレッタ王国に向かっている。
ブライSIDE END
(ミントス)
ウルフSIDE
ブライさんの話によると……
仲間のクリフトさんが重い病で倒れてしまい、この町の医者等に話を聞いたら、かなり稀な病気らしくお手上げ状態との事。
愕然とショックに項垂れるアリーナ姫……しかし、ヒルタンさんが南にあるソレッタ王国に、どんな病にも効果がある『パテギアの根っこ』というアイテムがあると教えてくれたそうだ。
すると行動派のお姫様が大切な家臣を助ける為に、自らその『パテギアの根っこ』を採りにソレッタ王国へと赴いたそうな……
それに付いていったのが我らがトラブルメーカーのリュカさんらしい……
「えぇ、お姫様と二人きりで旅に出ちゃったの!? 短時間とは言えリュカさんと行動を共にしてて、あの男の生態を把握してないんですか!?」
大切な姫君を、そんな危険な状況に置くとは……家臣としては最低の行為だ!
「解っておるわい、あの男の手癖の悪さは! じゃがヤツが『え~、病人と一緒なんて嫌だなぁ……染ったりするんじゃないのコレ? 老い先短い爺さんが担当するべきだろ! 僕はアリーナと一緒にパンチラのもっこりを取りに行ってくるよ!』と言って……」
「「「あぁ……」」」
あの人らしい物言いだ。
あの人が言いそうな事……俺とリューノとリューラの3人は、大きく頷き納得する。。
「それにしても『パテギアの根っこ』だって言ってるのに……絶対ワザとだぜ!」
「その点はワシも突っ込んだのじゃが……」
戻ってきた台詞は………『『そんなんどっちでも良いよ!』』
「よく分かるのぉ……」
「えぇ……あの人の事なら大概(大笑)」
ブライさんは大きく溜息を吐く……俺は腹を抱えて爆笑!
「それに……ヤツはどういう訳か姫様に手を出そうとしなかった。じゃから渋々ではあるのだが、姫様一人を旅立たせる訳にもいかぬし同行を認めたんじゃ」
「ほ~う……失礼ながら姫様は貧乳かな?」
「まったくもって失礼じゃが完全にその通りじゃ! そちらの青い髪のお嬢さんの方が大きいくらいじゃからな!」
うん、そうなんだよ!
リューノは最近大きく成長してるんだよ! とっても良い感じに……俺のマッサージが効いたかな?
「まぁあの人が手を出さない女性は、血縁・他人の女・貧乳ですからね。世界に女性が姫様一人にならない限り、絶対に手を出したりはしないでしょう」
「本当にそうじゃと良いのだが……」
やはり信用されてないなぁリュカさんは(笑)
まぁそんな事よりも……
此処にいない人を待つのは時間の無駄だし、大人数で病人の部屋に押し寄せてしまってる事だし、俺達もソレッタ王国に向かう事にしよう。
「ではブライさん。俺達もソレッタ王国に向かい、先行している二人と協力してパテギアの根っこを取ってきますよ。リュカさんが居て安心なのは戦力面ですからね……」
「そうか、では申し訳ないのじゃが……何方かクリフトの看病をお願いできないじゃろうか? ワシも姫様が心配(特に貞操)で一緒にソレッタ王国へ行きたいのじゃが……」
えぇ~……リュカさんじゃないけど、病人の看病は嫌だなぁ。
染ったりしない?
ウルフSIDE END
後書き
ヤツの影が近付いてくる。
トラブル抱えたヤツの影が……
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