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『言霊使いと幻想郷』

作者:零戦
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第二十二話

 
前書き
満腹神社様の春雪異変を元に書いています。 

 





「八雲先生ぇ。今日も外は雪だね」

「そうだなぁ」

 既に月日は睦月(一月)と如月(二月)を過ぎて(バレンタイン? 残念だな、幻想郷にはバレンタインは無いのだよ)弥生(三月)の季節のはずなんだが……毎日が雪だ。

 人里も毎回屋根の雪掻きに追われている。一回、除雪機を出して除雪をしたが一週間で元に戻った。

 おのれレティめぇ……。

「仕方ない。今日は授業は止めて外で雪合戦するか」

「やっほういッ!!」

「外で雪ダルマ作るッ!!」

「雪玉に石を入れていいですか?」

「それは駄目だ」

 俺の言葉に子ども達が活気出す。そんなに雪合戦したかったのか。

「ようし、準備が出来た者から外に行くぞ」

『オォォッ!!』

 そして俺が教室の扉を引いた。

「……何処に行く気だ?」

 扉の前に上白沢がいました。俺オワタ。

「雪合戦は昨日も一昨日もしているだろうがァッ!!」

「ちょ、ま……アーーーッ!!!」

 上白沢に鈍器(頭)で殴られた。結局雪合戦は無しになり授業をしている。

「それにしても雪が続くな。去年はそんな事なかったのに……」

「霊夢はどうしたのかー?」

 子ども達と一緒に授業を受けているルーミアが俺に聞いてきた。

 ちなみにチルノと大ちゃん(大妖精)も授業を受けていたりする。

「霊夢はいつも通りのんびりしてるよ」

「博麗の巫女ですよね……」

「霊夢なんてあたいに掛かればちょちょいのちょいだよッ!!」

「チルノはまずさるのからチルノに名前を書けるようにしないとな」

 どうやったらチルノからさるのになるんだよ……。

「まぁ今年の春は少し遅いのかもしれんよ。外の世界にいた時もそういった事例はあったしな」

 三月上旬でも寒いんだよ……。

「さぁ、授業を続けるぞ。今日はチルノがさるのからチルノになるまで帰さないぞ」

「……それは無理な話しですね」

「無理なのかー」

 そこ、諦めるなよ……。結局、チルノの字はさるのから変化する事はなかった。

 そして弥生が過ぎて月は卯月(四月)になったが未だに雪は降っており、春ではなく冬だった。

「冬ですよ~」

「春告精がんな事言うなよ……」

 神社の炬燵に春告精のリリーホワイトがいた。

「だって春じゃないんだもん……」

「確かに卯月なのに冬だよな……」

 霊夢は霊夢で蜜柑を食べている。ちなみに魅魔は俺の隣で寝ている。おい、腹を出すな。

「よぅ霊夢ッ!! そこで氷の妖精を捕まえてきたぜ」

「ぁ~いらっしゃい魔理沙。ほんと妖精って何処にでも湧くんだから」

 霧雨が勢いよく障子を開けてきた。てか何故チルノ?

「取りあえず寒いから早く閉めてくれる?」

「……いい加減にしろよ霊夢ッ!! 春だってのに一面雪景色。冬の妖精やら妖怪やらわんさか……いい加減に認めろよ、これは異変だってなッ!!」

「はぁなせーッ!!」

 チルノ五月蝿い。

「今年は春が遅れてるのよ」

「いいや、何処に犯人の妖怪がいる。異変解決、妖怪退治は巫女の仕事だろッ!?」

「……ズズゥ(お茶を飲む音)」

「~~あぁ分かったよッ!! 霊夢が動かないなら私がこんな異変を片付けてやるよッ!! 後で出てきてごめんなさいとか言うなよッ!!」

「ぬはッ!?」

 おいおい、チルノを放り投げるなよ。

「行くぜ霊夢の兄ちゃん」

「え? 俺も行くのか?」

「当たり前だろ」

「ちょ、ま……せめて支度をさせてくれッ!!」

 そして何故か霧雨と一緒に行く事になった俺である。

「バカバカバカバカバカおわァッ!?」

 霧雨が箒で上昇中にチルノが罵倒していたが、雪で滑って頭から地面に突っ込むのであった。

「………」

 霊夢は上昇していく俺達を見ながらゆっくりと障子を閉めるのであった。

「啖呵きって飛び出してきたのはいいが……全く見当するサッパリだぜ」

「おいおい……」

 霧雨の言葉に俺は溜め息を吐いた。勢いだけかよ、魅魔は何を教えたんだよ。

 ちなみに俺は霧雨の後ろで箒に跨がってる。2ケツじゃないからな。

「お、情報提供者発見だぜ」

「……ってレティか。てかあれは……」

 明らかに弾幕準備中だよな。

「やる気満々だな。此処は正面突破だぜッ!!」

「いや待て。俺に良い考えがある。レティッ!!」

 俺はレティに叫んだ。

「何よ誠君?」

「リリーから聞いたぞ。今年の冬に餅を食い過ぎて三キロ太ったらしいなッ!!」

「~~~ッ!?」

「霊夢の兄ちゃん、茶化してどうすんだ」

「霧雨が正面突破と言ったろ? 相手がカッカしやすくなったからぴちゅらせる確率は高いぞ」

「……兄ちゃん、そのうち殺されるぞ」

「無理矢理付き合わせた霧雨が言う資格は無いぞ」

「~~あんたって人はーーーッ!!!」

「あれマジで怒ってるぞ兄ちゃんッ!!」

「……ちょっと失敗したな」

「失敗し過ぎだぜッ!!」

 その後、レティの弾幕は何とか霧雨が撃ち倒した。

「レティ……済まん」

「ほんとそれだぜ」

パシャ。

 ん?

「お、ブンヤの……」

「文か」

「どうもですお二人さん。異変解決ですか?」

「まぁ一応な」

「有力な情報があるんですがどうですか?」

 文はそう言った。







 
 

 
後書き
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