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久遠の神話

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第四十六話 また一人その三

「人参に玉葱、それに葱を炒めてな」
「えっ、そこまでしてですか」
「インスタントラーメン、袋麺に野菜は欠かせないだろ」
「凝りますね」
「というか食べることはそのまま健康管理なんだよ」
 中田は強い声で言い切った。もう上城とのゲームを再開して激しい攻防を繰り広げながらの言葉である。
「だからな」
「野菜はたっぷりとですか」
「そうだよ。それで他の袋麺だとな」
「何がいいですか?」
「好きやねんだよな」
 関西名物のその麺である。
「それもいいよな」
「あれですか」
「あれもよくないか?関西人に合い過ぎてるな」
「ですね。僕もあれ好きです」
「東京の方は知らないけれどな」
 関西人ならではの話になっていく。インスタントラーメンにしても地域色がありそれがここでも出ているのだ。
「それでもな」
「好きやねんはいいですよね」
「本当にな。後は」
「うまかっちゃんは」
 上城はこのラーメンの名前を出した。
「あれはどうですか?」
「うまかっちゃんか」
「はい、あれは」
「俺九州系はな」
「食べたことないですか?」
「いや、好きだよ」
 とはいっても今一つはっきりしない、中田にしては珍しい感じの返事だった。
「それでもな」
「好きなんですよね」
「ああ、好きだよ」
 このことは否定しなかった。中田にしても。
「それでもな」
「それでもですか」
「あまり食べないんだよな」
「どうしてなんですか?」
「好きなものが同時に一緒に出るだろ」
 中田は上城に例えから話した。
「君好きなの何だ?」
「ラーメンの他にですね」
「ああ、二つ出してくれるか?」
「お刺身に唐揚げに」
「どっちかって言われたらどっちにする?」
「お刺身ですね」
 その方が好きだというのだ。
「そう言われると」
「だろ?俺もなんだよ」
「九州のラーメンと大阪のラーメンが一緒にあれば」
「大阪だよ」
 そちらだというのだ。
「そちらを選ぶからさ」
「九州のラーメンは」
「あまり食べないんだよ。ただな」
「ただ?」
「自分でよく長崎チャンポンは作るな」
 この麺類は自分でわざわざ作るというのだ。
「それはな」
「それはどうしてですか?」
「美味いしな」
 それにだった。長崎チャンポンに関して言えることは。
「しかも身体にもいいからな」
「お野菜をかなり入れるからですね」
「野菜だけじゃなくて肉も入るよな」
「豚肉ですね」
「それに豚骨スープにも栄養があるからな」
 それがどういった栄養かというと。
「豚骨からカルシウムが出るからな」
「それもあって、ですか」
「スープってのは栄養の塊なんだよ」 
 これはラーメンのスープにだけ言えることではない。スープならどれもがそうだ、じっくりと煮て栄養が出るからだ。 
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