ヘタリア大帝国
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TURN74 合流する者達その十二
「ナポレオンに責任の全てを押しつけてオフランスを救ったあの二人みたいなのが」
「それがヒムラー新総統となりますが」
秋山はまた彼の名前を出した。
「ですがそれでも」
「あの、ヒムラー総統ですか」
日本はこのことに驚きを見せる。
「それもまた」
「信じられませんね」
「確かにレーティア=アドルフ総統はもうドクツにはおられません」
他ならぬ日本に来た、それではとてもだった。
「しかしそれでもですか」
「はい、後継者に任じられていたとのことで」
「そうなのですか」
「とにかく状況が一変しました」
秋山はこう東郷達に言った。
「欧州の四国で新連合陣営が結成され我々太平洋が枢軸になり」
「顔触れが本当に一変したんだぜ」
韓国も唖然となっている。
「もう訳がわからないんだぜ」
「しかもエイリスは植民地であった各国の独立を否定しました」
これまでとは違いだというのだ。
「同じ連合国だったガメリカ共和国と中帝国が殖民地の独立を承認していましたが」
「両国が枢軸になったからな」
「はい、それでは彼等に追従することもないということで」
「沈黙から発言に変わったな」
東郷はエイリスの方針転換をこう表現した。
「そういうことだな」
「そうです。ソビエトはこのことについて一切発言をしていません」
これまで殖民地に反対していたこの国もだというのだ。
「黙認の様です」
「政治的取引だな」
「そう思って間違いないかと」
「カテーリン書記長はかなり教条的だと思っていたがな」
「政治的な状況を考慮してのことかと」
「そもそも枢軸である我が国とも中立条約を結んでいるしな」
「どうやらこの中立条約も破棄される模様です」
秋山は東郷にこのことも話した。
「ソビエトは太平洋諸国の資産主義、君主制に反対する声明を出しました」
「宣戦布告だな」
「事実上の」
それだというのだ。
「中立条約の破棄はあの国の戦力が再編成されてからかと」
「暫く先になるが、だな」
「日本帝国にも攻め込んできます」
つまり枢軸との戦争になるというのだ。
「そうなります」
「そうだな」
「エイリスも戦力をかなり消耗しており再編成の時期が必要ですが」
「やがてはだな」
「連合国は太平洋、インド洋に攻めてきます」
このことは確実だった。
「ドクツ軍も加えて」
「少し聞いただけではわかりませんね」
日本もこう言う程だった。
「とにかくドクツは降伏せずにですね」
「そうです、連合に入り」
「エイリスとソビエトは暫くしたら枢軸に攻め込んできますか」
「しかもアステカ帝国との戦いが間近です」
中南米のこの謎の国ともだというのだ。
「今は彼等が宣戦布告した時に備えています」
「わかった、ではガメリカに向かう」
東郷は戦略のことはすぐに決断を下した。
「ソビエト、エイリスとの開戦は先だ、だがインド洋には防衛の為の戦力を置き」
「そしてですね」
「中帝国方面に置いていた艦隊をソビエトとの国境に配置する」
そうして備えにするというのだ。
「念の為にそうしておこう」
「そのうえで主力をですね」
「アステカに向ける、明石大佐からの報告は届いているな」
「三日前日本に戻って来られています」
アステカ帝国に潜入していたが戻って来たというのだ。
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