不思議なスライム
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スラ子考える
「キュー。」
逃げ場のない宝箱の中で、スラ子は必死に考えた。
「キュー。」
戦う?
はやまるな、0.1%の勝ち目もない。
「キュー。」
死んだふり?
やめとけ、演技できんだろ。
「キュー。」
敷き詰めた草を集めて、その中に隠れる?
・・・・・。
全然隠れてねぇ!
「キュー!」
宝を渡して命乞い?
もしかして、やわらかな枝か。
「キューキュー。」
いやいや、スラ子よ。
苦渋の決断したって顔されても。
宝としては微妙だぞ。
一方、ガルドとシェリーは・・・。
「で、小人はどうするんだ?連れて行くのか?」
「連れて行かないわよ。それやったら誘拐だもん。」
「だな。住処にしていただけで、宝ってわけじゃないし。」
おおおっ!?
よかったな、スラ子。
助かりそうだぞ。
「大体リーダーに見つかったら、小人がお嫁に行けない身体にされるわ。」
「あー、否定できんな。」
な、な、なんだと!
ガルド達のリーダーは変態なのか?
スラ子に、いやーんな事をするというのか!?
羨まし・・・じゃなくて危険だ。
見逃してもらえて、本当によかった。
「じゃあ行くか。装備がびしょ濡れで気持ち悪い。」
「うん、風邪引きたくないし。」
「それは大丈夫だ。直に身体を温めてやる。ベッドでな。」
「ば、馬鹿!」
ニヤリと笑うガルドに、頬を赤く染めるシェリー。
2人は恋人同士だったのか。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・ふっ。
イチャイチャしやがって!
爆発しろ!
「レーンの村は、こっちの方角だったな。」
「あっ、待って。」
「どうした?」
シェリーは宝箱を指差した。
「せっかく出会ったし、小人と友達になりたい。」
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