【完結】剣製の魔法少女戦記
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第五章 StrikerS編
第百十八話 『機動六課の始動』
前書き
機動六課が動き出しました。
Side シホ・E・S・高町
それからまた数日が経過しついに機動六課発足の日がやってきた。
ランとレンもちゃんと来れていたのでよかった。
なのはとフェイトとフィアットと四人で部隊長室まで向かう。
「これで当分の間がお姉様と一緒の隊で働けますから楽しみです!」
「そうね。フィア」
「でもフィアちゃんも無限書庫の手伝いもあるからなかなか訓練には出られそうにないけどね」
「そうだね。兼任業は時間がとられちゃうからね」
そんな話をしながら部隊長室に到着し中に入るためコールを押す。
「はい、どうぞ」
中からはやての声が聞こえてきたので私達は中へと入る。
「「「「失礼します」」」」
「あ、お着替え終了やな」
「四人とも素敵です」
そう、私達は陸士部隊の制服を着ているのだ。
「五人で同じ制服姿は中学校の時以来やね。なんや懐かしい…」
「私は中学はいっていませんでしたけどねー」
「まぁまぁ、そう拗ねないの。フィア」
「まぁなのはちゃん、シホちゃん、フィアちゃんは飛んだり跳ねたりしやすい教導隊制服を着る機会の方が多くなると思うけどな」
「まぁ事務仕事や公式の場所ではこっちってことで」
「さて、それでは…」
「うん…」
「そうですね」
「ええ」
それで私達は背筋を伸ばし敬礼をして、
「本日只今より高町なのは一等空尉」
「フェイト・T・ハラオウン執務官」
「シホ・E・S・高町一等空尉」
「フィアット・スクライア三等空尉」
「四名とも機動六課へ出向となります」
「「「どうぞよろしくお願いします」」」
なのはの言葉に続き一斉に挨拶を交わす私達。
「はい。よろしくお願いします」
はやても敬礼をして返してくれた。
それで笑い合う私達。
と、そこにブザーが鳴り一人の男性が部屋へと入ってきた。
この人はかなり背が伸びたけど見覚えがある。
グリフィス・ロウラン准陸尉だ。
「お久しぶりです。高町一等空尉、テスタロッサ・ハラオウン執務官、シュバインオーグ・高町一等空尉、スクライア三等空尉」
「久しぶりね。でもやっぱり男性だから成長が早いわね。私達をあっという間に追い抜いているわ」
「うんうん!」
「そうだね。前は私たちより小さかったのに…」
「はいです!」
そう、私の今の身長は165cmと男性の時に比べればやっぱり低いが、私と比べてもグリフィスはかなり高い。
成長するものね。
「その節はお世話になりました」
「グリフィスもここの部隊員なの?」
「はい!」
「私の副官で交代部隊の責任者や」
「運営関係も色々と手伝ってくれてるです」
「お母さん…レティ提督はお元気?」
フェイトがそう聞く。
「はい。おかげさまで…あ、報告してもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「フォワード六名を始め機動六課部隊員とスタッフ、全員揃いました。今はロビーに集合、待機させています」
「そっか。早かったな。ほんなら四人ともまずは部隊のみんなにご挨拶や」
「うん!」
それで私達はロビーへと向かい、はやてがスタッフのみんなの前に立ち、
「機動六課課長、そしてこの本部隊舎の総部隊長・八神はやてです」
それによって拍手が起きる。
見れば一緒に並んでいるサーヴァント連中も拍手をしていた。
「平和と法の守護者。時空管理局の部隊として事件に立ち向かい人々を守っていくことが私達の使命でありなすべきことです。
実績と実力にあふれた指揮官陣、若く可能性にあふれたフォワード陣、それぞれ優れた専門技術の持ち主のメカニックやバックヤードスタッフ…。
全員が一丸となって事件に立ち向かっていけると信じています。ま、長い挨拶は嫌われるんで以上ここまで。機動六課課長及び部隊長八神はやてでした」
◆◇―――――――――◇◆
Side ラン・ブルックランズ
部隊長の言葉は心に響いてきたわ。
私もああいう人になりたいからこれから頑張っていこう。
その後、フォワードの仲間達と話し合いをして名前と経験のスキル、部隊分けとコールサインなどを確認などをして、それからなのはさんとシホさんのみんなで一緒に歩いている時だった。
「そういえばお互いの自己紹介はもうすんだ?」
なのはさんがそう言うのでティアナさんが代表で言ってくれた。
うーん…ティアナさんがこのフォワードのリーダーかな?
年齢も一番上だし。
私は指揮官向けじゃないからね。
レンも気弱だし。
私はシホさんの受け持つ部隊『セイバーズ』でコールサインはセイバーズ3、そしてレンはセイバーズ4。
こういうところは初めてだから緊張する!
「それじゃ訓練に入りたいんだけどいいかな?」
「「「「「「はい!」」」」」」
六人全員で元気よく返事をした。
それから全員で訓練姿に着替えてなのはさんの下に向かう。
シホさんはまだ本格的に訓練には入らず見物らしい。
なのはさんのところにやってくるとなのはさんとシホさんはすでに教導隊の制服に着替えていた。
隣にいるのはシャーリーさんだった。
なんで一緒にいるんだろう…?
「今返したデバイスにはデータ記録用のチップが入っているからちょとだけ大切に扱ってね?」
「あ、それと今のうちに知っている人もいるけど紹介しておこうか。ファイター、セイバー、アルトリア、出てきて」
「「「はい(おう)」」」
するとアルトリアさんがシホさんのデバイスから出てきて、ファイターさんという人とネロさんが突然この場に現れた。
それにティアナさんとスバルさんは驚いていた。
私達は霊体化を解除して実体化したというのを知っているから驚かないけど。
「今後個人のスキルを上げていくことになったらこの場にはいないけどランサーという人もあなた達の教導を手伝ってくれるわ。
だから今のうちに覚えておいてね?」
「「「「「「はい…!」」」」」」
「よろしくお願いします」
「お願いしますね」
「よろしく頼むぞ」
アルトリアさん達が挨拶をしてくる。
私も剣の修行でしぼられたからなぁ…。
ダブルセイバーに。
「それとメカニックのシャーリーから一言」
「ええー…メカニックデザイナー兼機動六課通信主任のシャリオ・フィニーノ一等陸士です。
みんなはシャーリーって呼ぶのでよかったらそう呼んでね。
みんなのデバイスを改良したり調整したりもするので時々訓練を見せてもらったりします。
デバイスの相談とかあったら遠慮なく言ってね」
『はい!』
うん。私のデバイス西洋剣タイプの『バルムンク』とレンのデバイス、盾と反撃タイプの『アウルヴァンディル』は魔術式も組まれている特殊なデバイスだからいっぱい相談するかもしれない。
「じゃ、さっそく訓練に入ろうか?」
「は、はい…」
「でも、ここでですか…?」
「うん。シャーリー?」
「はーい!」
シャーリーさんが返事をして色々とモニターを展開した。
「機動六課自慢の訓練スペース。なのはさんやシホさん完全監修の陸戦用空間シュミレーター…ステージセット!」
するとなにもなかった場所から突然ビル群が現れてきた。
すごい…! こんな技術があったんだ。
◆◇―――――――――◇◆
「ヴィータ、ここにいたか」
「シグナム…」
ヴィータはなのはの訓練が行われる光景を見ているとシグナムが後ろからやってきた。
「新人達は早速やっているようだな」
「ああ…」
「お前は参加しないのか…?」
「まだ六人ともヨチヨチ歩きのヒヨっ子だ。あたしが教導を手伝うのはまだ先だな」
「そうか」
「それに自分の訓練もしたいしさ。同じ分隊だからな…あたしは空でなのはを守ってやらないといけねー」
「頼むぞ?」
「ああ…」
もうあんな思いはしたくない。
あたしが絶対なのはを守る。
そう、思っているがこの先ヴィータは、いや全員はまだ甘かったと思う時がそのうちやってくる。
ヴィータ、そしてシホはその時正気でいられるかわからない…。
まだ、先の話ではあるが…。
「そういえば、シャマルは…?」
「自分の城だ」
シャマルは医療室で機材を確認しながら、
「いい設備。これなら検査も処置もかなりしっかりできるわね」
シャマルの言葉に一緒に手伝っていたルキノとアルトが、
「本局医療施設の払い下げ品ですが実用にはまだまだ十分ですよ!」
「みんなの治療や検査。よろしくお願いしますね? シャマル先生」
「はーい!」
◆◇―――――――――◇◆
Side レン・ブルックランズ
『私達の仕事は捜索指定ロストロギアの保守管理。その目的のために私達が戦う事になる相手は…これ!』
なのはさんの指示でターゲットが出現する。
それは話によると自立行動型の魔導機械で近づくと攻撃してくるという。
名前はガジェットドローンというらしい…。
しかも10体もいる…。
怖い、という思いもあるけどシホさんの役に立つんだ! という思いで弱い心を奮起させる。
エリオ君だってやる気出しているんだ。
同じ男でしかも年上の僕が弱気じゃダメだよね!
『第一回模擬戦訓練。ミッション目的。逃走するターゲット10体を破壊または捕獲、15分以内…それではミッションスタート!』
そして魔導機械はスタートと同時に逃走を開始する。
それから一番移動力のあるスバルさんがいち早く攻撃を仕掛けるがどれもこれも素早いスピードで避けられてしまう。
エリオ君も槍を振るうがそれも避けられてしまう…。
「レン! 仕掛けるよ!」
「うん、ラン姉さん!」
それでまずラン姉さんが剣を構えて仕掛けるが悪い感じに翻弄されて避けられてしまう。
「いくよ! サークルザンバー!」
二重構造の盾を展開して隙間から円状の魔力刃を出現させ僕も斬りかかる。
何度も攻撃を受けるがその度盾で防いで攻撃を仕掛ける。
それで掠ったがそれはなにかの防御で防がれてしまった。
なんだろう、今の…?
そこにティアナさんの叱咤の声が聞こえてきて同時に魔力弾が撃ち込まれてくる。
でも、それは僕の先ほどの攻撃と同じようになにかのバリアで防がれる。
「バリア…!?」
「いえ、フィールド系!」
「魔力がかき消された!?」
『そう、ガジェットドローンにはちょっと厄介な性質があるよ。
攻撃魔力をかき消すアンチマギリンクフィールド、AMF。普通の射撃は通用しないし…』
なのはさんの言葉が聞こえてくる。
それでスバルさんが先行して移動系魔法『ウィングロード』で突っ走るが、それは発生したフィールドでかき消されて消滅した。
『それにAMFを全開にされると飛翔や足場作り…移動系の魔法の発動は困難になる』
そんな…。
で、でもそれなら…!
前にシホさんは説明してくれた。
魔術は今の科学力では解明されていない未知の力だという。だから…!
「ラン姉さん! 魔術式の起動を!」
「そうだね、レン!」
「なにをするの? ブルックランズ姉弟?」
「私とレンの魔術式なら対抗されていないはず! だから…!」
それで僕とラン姉さんでロードカートリッジをした後、
「魔力刃…物質強化、氷結開始…!」
「3…2…1…!」
「「“斬氷閃”!!」」
姉さんの剣と僕の盾から発生する魔力刃から発せられた攻撃によって二体撃破する。
僕と姉さんの魔力変換資質『氷結』と魔術の強化を融合させて放ったのだ。
これなら…!
「うしっ!」
「やった!」
『うん…魔術はまだ管理局の技術で解明されていない未知の力だからガジェットには搭載されていないんだよ。気づくのが早かったね、レン』
「はい!」
『でも、それだと甘えが出ちゃうからいざっていう時にしか魔術式は発動しないほうがいいよ? みんなの修行になんないから…』
「わ、わかりました!」
注意されてしまった…。
そうだよね。魔導師社会では魔術はある意味反則の力だし…。
シャーリーさんの話では擬似的に再現しているけど本物とあまり変わらないという。
残り八体しっかりと撃破しなくちゃ…!
『対抗する方法はいくつかあるよ? どうすればいいか素早く考えて素早く動いて!』
そうなのはさんが言ってくる。
よし…! 次も頑張るよ!
それからエリオ君が繋がっているビルの上に立ちカートリッジロードをしてビルを崩してガジェットを足止めして上に上がってきたのをスバルさんが叩く。
でも魔力が消されて威力が落ちているみたいでもう一度今度は直接デバイスを叩き込んで爆発させた。
次にキャロちゃんがフリードで火炎を放ち足止めをした後、召喚魔法で鎖を召喚してガジェットを三体捕らえる。
お次はティアナさんが魔力弾を膜でさらにくるんで多重弾幕射撃を放った。
それによってフィールドを突き抜けて爆散させた。
あんなのもあるんだ。
学ばせてもらいました。
なら僕も足止めをしなくちゃ!
「姉さん! いくよ! 捕らえる!」
「オッケイ!」
二人でビルの上に立ち掌に魔力を溜めて、
「二人なら…できる!」
「うん…! 二人の魔力を合成!」
「「グレイシャフォール!!」」
空からいくつもの氷の結晶を降らせて地面を凍らせながらも残りのガジェットを氷漬けにして捕らえる。
これは魔術じゃないから反則判定はもらわない。
でも、この魔法は一人じゃ魔力が足りないのが欠点なんだよね。
そしてそれからまた訓練は続行されていった。
◆◇―――――――――◇◆
Side 八神はやて
色々な上司の皆さんにフェイトちゃんと一緒にレリックについてプレゼンをしてきたけど疲れたわ。
…そして夜になり私は隊舎に戻ってきて食堂にシグナム達が集まっているのを目にする。
そこにはもうあまり人もいないので食堂の手が空いたのか士郎とキャスターも一緒にいた。
「あ、はやて!」
「ヴィータ。みんなでお食事か?」
「はい。色々と打ち合わせがてら」
「はやて、ご飯食べた…?」
「お昼抜きやったからもうお腹ペコペコや…」
「ならばすぐにでも作るとしようか。いくぞ、キャスター」
「わかりました。全員分のおいしい料理をご提供しますよ。ご期待くださいまし♪」
「ありがとな」
それで士郎達は調理をしにいった。
ここでも士郎達の料理が食えるんはいいことや。
「でも、志貴とアルクェイドはいないんはやっぱり残念や。それにアインスもな」
「アインスはツルギを育てないといけないからしかたがありません。
それにあの二人はそのうち出向してくるでしょう。今は志貴は武装隊で活躍中ですから」
「アルクェイドさんは呼べば来ると思います。暇を持て余していますから…」
「あいつはいつもどこでお金を稼いでくるのか不明だよな…実質ニートなのに」
ヴィータも辛辣やな。
志貴は管理局で単独任務が多いと聞くからな。
それに志貴の要請でたまにアルクェイドも手伝っているというしな。
ま、今はそのうち出向してくるのを待つとしよう。
それから全員で食事をとっていた。
「中央の方はどうでしたか?」
「まぁ、新設部隊とはいえ後ろ盾は相当しっかりしているからな。そんなに問題ないよ」
「後見人だけでもリンディ提督にレティ提督にクロノ君…じゃなくてクロノ・ハラオウン提督」
「そして最大の後ろ盾…聖王教会と教会騎士団の騎士カリム。ま、文句の出ようはありませんね」
「現場の方はどないや?」
「なのはとシホとフォワード隊は挨拶後朝から夜までずっとハードトレーニング…新人達は今頃グロッキーだな。ランとレンはその後に魔術の訓練もあるしかなりきついと思う」
なのはちゃんの訓練はきついかんなぁ。
シホちゃんの魔術訓練も地味にきついし。
昔体験したから分かる。
ま、私は起動とかそこら辺くらいしか学ばなかったが。
アルクェイドを維持できる魔力の使い方と対魔力を学べれば私はそれだけで大丈夫や。
驕りかもしれないけど魔導の力があるしな。
「ま、全員やる気と負けん気はあるみたいだしなんとかついて行くと思うよ」
それからバックヤード陣やグリフィス君の事も聞いた。
特に問題はないみたいや。
まだ立ち上げて間もない部隊やけどしっかりとみんなで頑張っていこうな。
みんなとそう約束した。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・S・高町
私が部屋で色々と準備しているとそこにブザーが鳴り誰かが入ってくるみたい。
それで、「いいわよ」と言っていうと中にランとレンが入ってきた。
「いらっしゃい、二人共」
「は、はい…」
「初訓練はどうだった?」
「き、きつかったです…」
「そう。でもこれは毎日行っていくことになるから泣き言は吐いていられないわよ?」
「「が、頑張ります!」」
「うん…それじゃ私・士郎・キャスターの魔術工房に行こうか。そこで魔術の訓練をするから」
「「はい!」」
私達はそれで魔術工房の部屋に行って疲れているランとレンにはきついかもしれないけど魔術の訓練を施した。
そして時間は過ぎて、お風呂に入れた後、二人はそのままベッドで寝てしまったようだ。
昔の私みたいね。
それで朝はよく桜に起こされていたっけ?
そこにアルトリアとネロがやってきて、
「二人はどうですか? シホ」
「はかどっているか、奏者よ?」
「いい感じね。魔術も覚えは早いからこれならすぐに一流になれるでしょうね」
「そうですか。でしたら二人の進路はここを出たら魔術事件対策課ですか?」
「そうね。立派な魔術師として活躍してくれるのを信じているわ」
二人の成長した姿を予想して将来に想いを馳せる。
後書き
レンの盾のデバイスですがとあるSRWOGの機体を参考にさせてもらいました。
何かわかるかな…?
ランの武器も今はシグナムとほぼ同じですがそのうち『悪を断つ剣』さんのような大型の剣になります。
重要な回以外は大抵はSideはシホ、ラン、レンの三人が主に語っていきます。
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