FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
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序章 出会い
第9話 まさかの恋敵!?
前書き
ヤッホーーー!紺碧の海でーーーーーす!
今回は小さな恋のお話です。
初のユモス目線で書きたいと思います。
それでは、第9話・・・スタート!
マグノリアの空は今、真っ黒な雲で覆われていて、今にもどしゃぶりの雨が降り出しそうな天気。
私はギルドのテーブルに頬杖をついて、
ユ「はぁ・・・」
小さなため息をついていた。
ル「どうしたのユモ?ため息ばかりね。」
隣に座っていたルーシィが私の顔を覗き込む。ギルドに入って3日目。この頃私はいつもこう。私は辺りをきょろきょろ見回し、「変ね話なんだけど・・・」と、前置きを言ってからルーシィの耳に口元を寄せると、小声で話し始めた。
ユ「実は・・・ギルドに入ってから、誰かに見られてるような気がして・・・」
ル「誰かに見られてる?」
ユ「う、うん・・・」
今もそう。誰かの視線を感じる。しかもかなり強烈で、何か恨みがこもっているような・・・そんな痛い視線。いったい誰なんだろう?
ル「あ~、その視線の正体、私分かっちゃったかも。」
ユ「えぇっ!本当ォ!?」
驚いた拍子に、私は勢いよく椅子から立ち上がり、ルーシィに詰め寄る。誰誰誰誰誰!?
ル「たぶん、ジュビアね。」
ユ「ジュビア?」
初めて聞く名前。いったいどんな人なんだろう?
ル「ジュビア・ロクサーって言って、元々幽鬼の支配者の、エレメント4の1人だったのよ。」
幽鬼の支配者って言えば、妖精の尻尾とすごく敵対関係のギルドで、以前ギルド同士で争いが起こった事で有名になってたのを覚えている。エレメント4は、幽鬼の支配者のS級魔道士である、大火の兎兎丸、大地のソル、大海のジュビア、大空のアリアの事だ。
ル「幽鬼の支配者が解散したから、ジュビアは妖精の尻尾に加入したっていうきっかけもあるんだけど、もう1つ、あるきっかけで、妖精の尻尾に入ったのよ。」
ユ「もう1つのきっかけ?」
ル「何だと思う?」
ユ「う~~~ん・・・?」
・・・全く分からない。どんなきっかけなんだろう?すっごく気になる!結局、私が思いついたきっかけは、「妖精の尻尾の魔道士の誰かに恋をした!」・・・まぁ、絶対無いと思うけど。
ユ「早く教えてよぉ~。」
私はルーシィの肩を摑んで揺さぶり急かす。すると、ルーシィはさっきの私みたいに私の耳に口元を寄せて、
ル「それはね、ジュビアがグレイに恋をしたからよ。」
一瞬、私の思考が止まった。
ユ「えぇーーーーーっ!?」
驚きのあまり、私はその場に飛び上がる。ギルドにいた人の視線が私に集まる。ていうか、まさかの予想的中!しかも、グレイに恋をしたぁ~!?
その時、ドクンッと私の心臓の鼓動が大きくなたのが聞こえた。不思議に思ったけど、それよりも不思議に思った事があった。
ユ「でも、どうしてそれが私に関係してるの?」
ジュビアっていう人がグレイの事を好きになる事に、加入したばかりの私が関係してる訳無いのに・・・何で?すると、ルーシィはウィンクをすると、
ル「ジュビアの“恋敵”だ・か・ら♪」
ユ「・・・・はい?」
しばらく、ルーシィの言ってる意味が理解不能だった。そして、やっと理解できた時は、
ユ「えぇーーーーーーっ!?」
またその場で飛び上がっていた。再びギルドにいた人の視線が私に集まる。
ル「ジュビアはグレイと仲良くしてる女の子を見ると、自分の恋敵だと思い込んじゃうのよ。私も何回も勘違いされたわ。」
ルーシィも、ジュビアっていう人の恋敵なの?そんな事を思っていると、背後からカツ、カツとブーツの踵の音が聞こえた。
?「ルーシィさんの言うとおりです。」
ユ「ひょわぁっ!」
ル「ジュ、ジュビア!?」
驚いて後ろを振り返ると、外側にくるんとカールした青色の髪の毛に色白の肌、青っぽいコートに茶色いブーツを履いた、当の本人であるジュビアがいた。やっぱり噂をすれば影が差すんだね。ジュビアは私に指を突きつけて、
ジュ「ジュビアの恋敵ィ~!」
と言い放った。・・・って、違うんだけどっ!
ル「じゃ、じゃあ私はお邪魔みたいなので・・・さ、さよならぁ~!」
ユ「えっ!ちょ、ちょっとルー」
ルーシィを追いかけようとしたら、目の前に大きな目を更に大きく見開かせたジュビアの顔が私の顔を覗き込んできた。
ジュ「逃げても無駄ですよ。」
ユ「は・・はい・・・」
こ、怖い・・・
ジュビアはさっきまでルーシィが座っていたところに背筋を伸ばして座ると、
ジュ「それで、グレイ様とはどんな関係なんですか?」
猪突猛進に聞いてきた。気のせいか、ジュビアの握り締められた拳が少し冷静さを失っているように小刻みに震えている。ていうか、「関係」って言われても・・・そんな親密な関係でも無いし、私はまだギルドに加入したばかりだし。
ただ、私がグレイに対して今思っている事は、
ユ「恩人・・・かな?」
気を失っているところを助けてくれたからね。これは本当に感謝感謝です。ジュビアは目を少し細め、怪しそうに私の顔を覗き込むと、
ジュ「本当に、それだけですか?」
私はゆっくりと黙って頷く。これは正真正銘の事実。まだギルドに入ったばかりだし、話したり戦ったりしたくらいだからね。ジュビアはしばらく私の顔を見つめてから、スクッと立ち上がると、少し顔を赤らめて、また私に指を突きつけつけると、
ジュ「グレイ様は、あなたにも、ルーシィにも他の方にも、ぜぇーーーーーったいに!渡しませんからねっ!」
ユ「う、うん・・・」
ジュビアの迫力に、私は頷くしか出来なかった。ジュビアの目が燃えている・・・グレイの事が「ものすごく好き」という気持ちが伝わってくる。グレイって、すごいモテモテなんだなぁ~。
その時、ドクンッとまた心臓の鼓動が大きくなったのが聞こえた。な、何なの・・・いったい・・・・?気がついたらジュビアはいなくなっていた。
ユ「はぁ・・・」
私は一度ため息をつくと、椅子に座り直し、遠くでナツとリョウと喧嘩をしているグレイを見る。
ナ「んだとカチコチパンツ野郎。バカアホリョウ。」
リョ「いちいちうるっせんだよ、燃えカス野郎。変態氷。」
グ「もういっぺん言ってみろ、ポジティブ野郎。クソ炎。」
何が理由で喧嘩をしているか分からないや・・・喧嘩をしている3人の近くのテーブルに座っているルーシィ達が、
ル「全く、相変わらず低レベルなんだから。」
マ「皆頑張れ~、ファイトォ!」
ウェ「マヤさん、そこは応援する場面じゃないと・・・」
ハ「ナツ~、頑張れ~!」
シャ「アンタも応援しないのっ!」
呆れたり、応援したり、否定したり・・・そんな喧嘩をしている3人の前に、黒いオーラを剥き出しにしたエルザが、
エ「お前達ィ!いい加減にしろォォオッ!」
ナ&リョ&グ「あいーーーーーっ!」
ハ「オイラの真似しないでよ~。」
一瞬で止めちゃった。ルーシィが言ったとおり、エルザは怒るとさっきのジュビアの1000倍怖いな・・・グレイ達は喧嘩をしていて、他の人達はお酒が入ったコップを片手に喧嘩の見物。まぁ、カナは酒樽を両手に抱えてだけど・・・とにかく、妖精の尻尾の魔道士達は、皆笑っている。ほんとっ、賑やかで楽しいギルドだなぁ~♪ここに来る事が出来たのもグレイのお陰・・・か。
その時、ドクンッとまた心臓の鼓動が大きくなったのが聞こえた。ていうか、どんどん音が大きくなっているように聞こえるのは、私の気のせい・・・かな?
ウェ「ユモさ~ん!」
ル「こっちにおいでよ~!」
マ「早く早く~!」
ウェンディとルーシィとマヤに呼ばれた。
ユ「今行く~!」
私は椅子から立ち上がり、ルーシィ達がいるテーブルの方へ。そこではまたグレイとナツとリョウの3人が喧嘩をしていて、エルザが黒いオーラをさっきよりも剥きだしにしていた。
エ「いい加減にしろォォォォオッ!!」
ナ&グ&リョ「はいーーーーーっ!」
3人は思いっきりエルザに吹っ飛ばされた。私とルーシィとウェンディとマヤは吹っ飛ばされた3人に駆け寄る。
ユ「グ、グレイ、大丈夫?」
グ「あ、あぁ、何とかな・・・ったく、相変わらずエルザは手加減無しだな。」
私がグレイに手を貸そうとすると、背後からものすごい強烈な視線と黒いオーラと殺気を感じた。身の危険を逸早く感知した私は、グレイから1歩遠ざかった。
グ「?どうした?」
ユ「あ、いや・・む、虫がいたからびっくりしただけだよ。アハハハ・・・」
グ「?」
何とか冗談で誤魔化した。顔、引き攣ってなかったかな?私、昔から嘘をつくのが下手なんだよね。
私はまだ、自分に小さな恋の花が咲こうとしているのに気づかなかった。
後書き
第9話終了!イエイッ!
書いてて思ったんですが、ほんっと、グレイとユモって鈍感ですね。グレイとユモの関係も気になりますが、ナツとマヤ、ルーシィとリョウのペアも忘れたらいけないよ!次回も新たなメンバー登場です!なんと超イケメンですよ!お見逃しなく!
それじゃあ、バイバ~イ♪
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