| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ネタ帳(旧:没ネタ集)

作者:nyonnyon
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

2

 
前書き
今回は『ゼロの使い魔』です。 

 
「あんた! 何やってんの!? 私の使い魔でしょ!? 何主人に勝手に決闘なんてしてんのよ!? バカなの!?」

 私を召還したルイズという少女が喚いている。 何が問題なのだろうか? 彼が昨日彼女と思われる年下の少女とあっていたので他の女性が近づいて彼女にあらぬ誤解を抱かせないか心配して声をかけたのに急に決闘を吹っかけてきたのである。 うん、私は悪くないな。 一夫多妻制が認められている国なのなら怒る問題ではないし、はっきりといえば理由がわからない。

「ほら、君のご主人様も言っているよ平民君。 平民である君が貴族である僕にかなう筈はないんだからさっさとあきらめてくれないかな? それともこんなに大勢の前でぼこぼこにされる趣味を持った変態なのかね君は」
「何を言っている?? 魔法力の低い君が私に勝てる道理がどこにあるというんだね」
「バカ!! 何言ってんの!? ギーシュこいつが何をやったか知らないけど許してあげて」
「はて、私は何も悪いことはしていないがね」

 そういうとギーシュは何か切れたような空気を纏いこう宣言した。

「どいておきたまえ【ゼロ】のルイズ君、君の使い魔は可憐な少女を二人も泣かせたのだ。 許されることではないよ」
「……!! ちょっとあんた何したの!!?」
「何のことやら、さっぱりだな。 そこのギーシュ君という彼が昨日彼女と思われる確か……ケティとかいう緑のマントの女子生徒とあっていてな、今日は別のモンモランシーだったかな? という女性が彼に近づいていたものだからそのモンモランシー嬢に「彼女に誤解を受けるので彼には近づかないほうがいいのでは?」と声をかけたらこうなっただけだ。 正直彼が何を言っているか私には皆目見当がつかないのだよ。 ルイズ嬢よ、彼に何とか言ってやれんもんかね?」
「……それは、ギーシュの自業自得じゃないの」
「うるさいよ! 可憐な少女二人を泣かせた罪をしっかりと償ってもらおう!!」

 うむ、よくわからんがとりあえず殺ってしまえば問題ないか……。
 ん? 字が違う? 何のことかな? 決闘なのだろう? 多少死んでも文句はいえんだろう。 この私、魔王(・・)『ガルディオス』に決闘を申し込んできたのだからな。 彼が勇者ならば何らかの力で生き残るだろう……。


◇◆◇◆◇


 私、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは焦っていた。
 せっかく召還した使い魔がクラスメイトのギーシュ・ド・グラモンと決闘すると聞いたからだ。 平民は絶対に貴族に勝つことはできない。 こんなこと常識も常識であるからだ。
 かなり激昂しているギーシュはもう何を言っても聞かないだろう。 かく言う私もギーシュの取り巻きの連中に輪の淵まで連れて行かれてしまった。
 こうなってしまっては私にできることはこれから公開私刑されるであろう私の使い魔を見ることだけ。

「ふん、君は何もできずに僕にボロボロにされるのさ! 可憐な少女を泣かせた罪をしかっり反省してくれたまえよ」
「ふむ、ルイズ嬢が言っていたがそれは君の自業自得だろう?」
「黙りたまえ!!! いでよ『ワルキューレ』達よ!!!」

 そういったギーシュのバラの花弁が散り、地面から青銅でできた『ワルキューレ』の形をとったゴーレムが12体も作りだされた。
 これがギーシュの二つ名【青銅】の理由の一つ。 彼はドットメイジだが、土属性に関しては名門のグラモン家出身だからこの年にしてもう二つ名がついている。 私にもついているが私のはバカにするためにつけられた二つ名なのでまったく嬉しくない。

「どうだい平民君? 始めてみる魔法だろう? 今なら骨の二、三本で許してあげないこともないがね」

 骨ぐらいなら保健室で治してもらえるので早く謝りなさい。 という私の思いをぶち壊すかのようにガルディオスは笑い声をあげた。

「ぷっ……!! ぶはっはっはっはっ!!!! 初めて見る魔法であるな確かに!!! なんだそのずんぐりむっくりな【戦死者を選定する女(ワルキューレ)】は!! 私を笑い殺す気かっ!!? だとしたら恐ろしい魔法だ!! 十二体いるのがまた何とも言えんな!!! どれがブリュンヒルデなのだ!? 全部一緒に見えてしまうな!!? ヒルドは? ミストは? スケッギォルドとエルルーンの違いすら判らんぞ!!!? はははは!!!!」
「……は?」

 うちの使い魔は何を言っているのだろうか? 十分脅威と言っていいはずの魔法を目にしているはずなのにあの大笑い。 バカなのだろうか?

「……!!! 行きたまえ『ワルキューレ』達よ!!!」

 一斉に動き出すワルキューレ達。 バカ!! 笑ってないで逃げなさいよ!!

「はははは!!!! はぁ……、久々に笑わせてもらったぞ、くくっ。 さて、無謀にも私に決闘を申し込んだのでどれほどの使い手かと思いきやあの程度のゴーレムで強者ぶるただのバカであることが判明した。 あ〜ルイズ嬢? ちょっと懲らしめても問題ないかな?」
「なんでもいいから前を向きなさい!!! もうそこまで迫ってきてるわよ!!」

 そう宣言するのとあいつが動き出すのは同時だった。

 一瞬でワルキューレの一体に近づくと頭を鷲掴みにし軽々と持ち上げた。 そして近づいてきていた他のワルキューレを蹴り飛ばした。

「さて、面白い余興を見せてもらったお礼にこちらも少し本当のゴーレム作成をお見せしよう。 こんな出来損ないではない本当のゴーレムをしかっり記憶しておきなさい」
「……!! 何を言っている!! いけワルキューレ達!!」
「では行くぞ? ……

 『クリエイト・ゴーレム』!!」

 ガルディオスがそう叫ぶと同時に鷲掴みにしていたゴーレムに変化が起き始めた。

 まばゆい光を数秒放ち、その光が消えたころにはそこにゴーレムの姿はなく……、




 頭に神鳥の羽飾りを施した兜をつけ、白銀の鎧に身を包み、美しい肌は白く、長い銀の髪をなびかせながら深い紫の双眸でギーシュを睨み付ける……、




 美しき一柱の女神がいた。 
 

 
後書き
短いですがこんなもんで 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧