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レッスン

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第二章

「経営側でも認めてきたな」
「幽霊が出る教室ってか」
「何?まだ正体はわからないが?」
「幽霊と一緒にダンスが出来るか」
「また面白い煽り文句だな」
 それになっているというのだ。
「開き直ったな、いい具合に」
「これで生徒に来てもらうつもりか」
「経営の方も商売だからな」
「かえって宣伝に使いだしたか」
「面白いことをするよ」
 皆こうも言い出した。
「じゃあちょっと教室に入ってみるか」
「そうだな、俺もな」
「俺も行くか」
 こうしてだった、ロスにいる者達で興味を持った者がだ
 次次に教室に来た、そのうえで入学した。
 ダンスをしてみてだ、何人かが言った。
「何か感じるな」
「ああ、そうだな」
「ここやっぱりいるな」
「間違いないな」
「隣で誰か踊ってるんだよ」 
 感じたものを具体的に話す者もいた。
「何かな」
「そうだな、ここ本当に出るんだな」
「みたいだな、いるのは間違いないな」
「そうだな」
 彼等はこのことをネットでも書いた、そしてだった。
 このレッスン教室のことはさらに有名になった、何かがいる場所として。
 既に生徒は一杯になっていて入学希望者は順番待ちといった状況だった、これはオーナー側としてはいいことだった。
 だが、だ。オーナーはここでこうコーチに話した。二人で昼食の為にハンバーガーハウスに行ってそこでぶ厚いハンバーガーを二人で食べながら話した。
 コーラを飲んでからだ、オーナーは向かい側に座るコーチに言った。
「どうやら本当にいるな」
「俺も結構感じます」
 コーチも答える、三段のハンバーガーを食べながら。
「踊っていても教えていても」
「君もそうか」
「あそこは絶対にいますよ」
 こうオーナーに言う。
「何がいるかはわからないですが」
「何だろうな、一体」
「俺思うんですがね」
 コーチはここで眉を顰めさせて話した。
「若しもそのいるのがとんでもないのだったら」
「まずいか」
「まずいですよ、悪魔とかだと」
 キリスト教徒らしくまずはこの存在を出した。
「マニトーとかでも」
「ああ、ネイティブの間で言われている妖怪だったか悪霊だったか」
「邪悪な精霊みたいですね」
「精霊か、まあとにかくだよな」
「そんなのだったらまずいですよ」
 こうオーナーに言うのだった、眉を顰めさせて。
「それこそ」
「そうだな、悪魔とかだったら本当にな」
「誰かがとり殺されたりしたら」
「魂を奪われてな」
「今は教室の宣伝になっていますけれど」
「今度は糾弾の材料になるな」
「いますからね、悪魔は」
 コーチは悪魔の存在を信じている、そしてオーナーもだ。
「それだったら」
「おいおい、じゃあどうする?」
「エクソシスト呼びませんか?」
 コーチはオーナーに具体的な解決案を出した。 
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