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マブラヴ オルタネイティヴ 紅き飛竜の騎士

作者:ピエール
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第十一話 若き騎士と赤き忍

 
前書き
今回から物語の演出上『推奨BGM』を入れようと思います。 賛成の方は①を、反対の方は②を感想ページにコメントしてください。 リクエストがあれば検証したあと採用します。 

 
1994年 帝都 日本帝国軍 帝国技術廠第壱開発局 訓練用グランド 時刻 21:00


推奨BGM「屍に埋もれた平和を探して」


俺は斬りかかってきた月詠少尉に対し、模擬刀を構え鍔迫り合いに持ち込んだ。 彼女の細腕では考えられない力に押し負けそうになったが、なんとか踏ん張った。 そして、思いきり振り払うとお互い距離を取った。 

師匠と修行していなければ最初の一撃で此方がやられていた。 俺は師匠に内心感謝しつつ気を取り直し模擬刀を構え体勢を整えた。 


「・・・今のをよく防いだな。ならばこれはどうだ!!」


先程の攻撃とは違い、一瞬姿が消えたかと思ったら真横から鋭い斬撃が飛んできた。 俺はとっさに体を動かしギリギリで防いだ。 反撃するべく模擬刀を横に振るが、其処には彼女は居なく模擬刀が空を斬った。


「・・・何処を見ている?私は此処だぞ・・・」


声がする方を振り向くと今にも模擬刀を振りかざさんとする彼女が居た。 その攻撃も何とか防ぐが彼女を見失い此方の攻撃が不発に終わった。 それから何度か攻撃は来るがギリギリで防いでいった。


「(・・・まるで忍者みたいな戦いだな)」


決して正面から仕掛けず、此方に姿を見せずに死角からの攻撃で相手を確実に仕留める。 まさに忍者そのものだ。 だが、同時に解った事もある。 それは、決して正面には現れない事だ。 ならばわざと死角を作り、カウンターで相手を倒すしかない。 やや分の悪い賭けではあるが俺にはこれしか思いつかなかった。

今、彼女は俺の前にいる。 仕掛けるのは今だ。


「でえぇぇぇぇぇぇやあぁぁぁぁぁぁ!!!!」


俺は思いきり摸擬刀を振りかざすが、あっさりと彼女に避けられる。 彼女は一瞬で俺の背後に回ると、摸擬刀を首筋目掛けて振りかざしてきた。 

思惑道理彼女は死角から攻撃してきた。 俺は体を右に反転させ、遠心力を利用し下から上へ摸擬刀を振り上げた。 彼女は驚愕の表情をするが、手から摸擬刀は離れ、弧を描くように地面に落ちていく。 

だが、此処で思わぬ事態が起きた。 勢いが突きすぎて体のバランスを失った。 俺は左半身から彼女を押し倒すように倒れこんだ。


「どあぁぁぁぁぁぁ!!!!」 

「きゃあ!!」


一瞬可愛らしい声が聞こえたが恐らく彼女の声だろう。 俺は立ち上がろうとした時だった。

モニュリ。 左手がなにやら柔らかい感触をしたものを二、三回程掴んだ。 まさかと思い前を見るとそれは彼女、月詠少尉の胸だった。 丁度手のひらに収まる程の大きさをした胸だった。 当の本人である彼女は顔を某赤い彗星専用MSの如く真っ赤にしていた。


「(意外と少尉って着痩せするタイプ・・・じゃなくて!! やっちまった・・・勝利じゃなくて胸掴んじまった!!!)」


俺はあまりの事態に気が動転していた。 急いで立ち上がると彼女に謝罪すべく頭を必死に回転させた。

彼女はゆっくり立ち上がると俺を親の敵を見るような目で此方を睨み付けてきた。


「・・・・なにか言い残すことはあるか?」


いきなりの死刑宣告に俺はかなりびびった。 


「ここここれはつまりT○ L○V○る的展開と言いまして・・・・・」


気が動転しまくった俺は謝罪するどころか変な事を口走ってしまった。 

ブチリッ!!!  

そんな音が聞こえた。 恐らく彼女の堪忍袋の緒が切れた音だろう。 目の彼女は体から何やら赤い炎のようなものを身に纏い、右手は太陽のように光り輝いていた。 そして、一瞬で間合いをつめると俺の顔目掛けて拳を叩き付けた。


「この・・・・痴れ者がああぁぁぁぁ!!!!」


彼女の拳はまさに伝説の魔球の如く輝いて俺に迫ってきた。 


「フォォォォォティィィィィフォォォォォ!!!!!」


俺は天高く舞い上がりそして。


「ソォォォォニィィィィィィックウゥゥゥゥゥ!!!!!!」


音速の速さで地面に落下した。 地面に叩きつけられ俺は意識を失った。




私はこの男の実力を測るべく斬りかかった。 修行したとは動きがまだぎこちない感じであった。

まず、正面からの攻撃の対応は思ったより早かった。 続いて死角からの攻撃を試した。 

正面と比べ若干遅れたが辛うじて防いだようだ。 何回か死角から攻撃して気づいたことがあった。 少しずつではあるが私の攻撃について来つつあるのだ。


「(ほう・・・思ったよりやるものだ・・・)」


私は幼き頃から従姉妹の真那と武芸に励んできた身だ。 一ヶ月足らずでここまでやる目の前のこの男、篠崎竜也に驚いた。 

だが、さらに驚いたのはこの男の取った次の行動だ。 私にわざと隙を作り攻撃を防いだと同時に模擬刀を弾いたのだ。


「(なん・・・・だと・・・・)」


だが、次の瞬間思いもしない事が起こった。 私の模擬刀を弾いたまでは良かったが、勢いがつき過ぎたのかそのまま此方に倒れこんだ。


「きゃあ!!」


私は押し倒されると同時に目の前の男に胸を掴まれた。 


「(なななな!!!!)」


篠崎竜也は即座に立ち上がり私から少し距離を取った。 あまりの事態に私自身も驚いたが、私はこの男にけじめをつけさせるべくゆっくりと立ち上がりこう言った。


「・・・・なにか言い残すことはあるか?」

「ここここれはつまりT○ L○V○る的展開と言いまして・・・・・」


どうやらこの男には一発殴らればいけないようだ。 私は一瞬で間合いをつめると目の前の男の顔目掛けて拳を叩き付けた。


「この・・・・痴れ者がああぁぁぁぁ!!!!」


篠崎竜也は何か叫びつつも天高く舞い上がり地面に落下した。 どうやら気を失ったのか動く様子はない。 私はその男を肩に腕を回し担ぐと近くにあったベンチに連れていき、私の膝を枕代わりにしこの男が目を覚ますまで横に寝かせた。 



俺が目を覚ますと其処には美しい星空が写った。 首筋がやや痛むものの顔を動かしてみた。 頭に柔らかい感触気づき顔を左に向けると最初に会った時の表情をした月詠少尉がいた。


「気が付いたようだな篠崎竜也」

「月詠・・・少尉?なんで俺こんな・・・・」

「私がここまで運んだのだ。」

「ええっと、ありがとうございます」

「まあいい。それよりも体は大丈夫か?」


そう言われゆっくり顔を動かすと、俺は月詠少尉を膝枕されているのに気が付いた。 月詠少尉のような美人に膝枕してもらえるとは思ってもなく少し驚いた。


「最後はいささか不本意な終わり方だったが、見事な一撃だったぞ篠崎竜也」


女神にように微笑む笑顔をした彼女に俺はすっかり見惚れていた。


こうして俺と彼女の最初の戦いは幕を閉じた。 だが、これから先、彼女と更に深く関わっていくとは思いもしなかった。 
 

 
後書き
いかがでしょうか? アンケートと感想をお待ちしてます<(_ _)> 
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