ヘタリア大帝国
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TURN72 レーティア救出その三
微妙な顔になって二人にこう述べたのだった。
「何処に行ったかはわからないわね」
「あれっ、そうなの」
「中南米ではないこともですか」
「場所はわからないわ。太平洋でもインド洋でもないことは確かだけれど」
「中南米の可能性もあるのね」
「太平洋とインド洋以外の宙域はぼけていて見えないわ」
それでわからないというのだ。、
「残念だけれどね。ただ」
「今の太平洋経済圏以外の場所に赴かれてますね」
「そのことはわかったわ」
わかったのはこのことだけだった、彼等が行った場所は。
場所はそこまでだった、しかし。
クリスは水晶玉を見続けていた、そして二人に言うことは。
「私達にとって最高の宝を幾つも持ち帰ってくるわ」
「じゃあ生きて帰って来るのね」
「長官も祖国さんも」
「エルミーちゃんもね」
同時に姿を消している彼女もだというのだ。
「あっ、大佐は普通に中南米に行っているわね」
「明石大佐は不死身ですから」
小澤も彼のことはそう見ていた。
「お一人で宇宙空間に出ても大丈夫ですから」
「超人よね、あの人」
「ソビエトのビッグ=ゾルゲにも匹敵します」
そこまで凄いとララーにも話す。
「コピペになる位です」
「あの人は間違いなく中南米にいるのね」
「水晶玉にはそう出ているわ」
クリスは実際にそうだとララーに話す。
「あの人はね」
「そういうことね」
「ええ、それにしても私達にとって最高の宝」
クリスは今も水晶玉を見ながら話す。
「それは何かしらね」
「とりあえず楽しみにさせてもらいます」
「そういうことね」
「あの方々が帰られるならそれで充分です」
小澤はその声を微かにだが笑みにさせていた。
「何か韓国さんもお姿が見えませんが」
「また起源の主張大会の準備でもしてるんじゃないの?」
ララーは韓国についてはこう考えていた。
「というかあの人の趣味って無茶苦茶よね」
「起源の主張をしないと死ぬ人なので」
小澤はこうララーに返した。
「普通に接して下さい」
「あれ気にしなくていいの」
「あの人の趣味なので」
勝手にやっているからいいというのだ。
「一種の愛情表現と思って頂ければ」
「そういうことなのね」
「そういえばこっちの祖国さんにも言うことはあるけれど」
クリスは水晶玉をしまってから二人に述べた。
「大体日本さんのことで起源を言うわね」
「あと中国さんにね」
ララーは彼の名前も出した。
「言うわよね」
「圧倒的に日本さんが多いわね」
「何分山下さんや宇垣さん。平良さんが優しいので」
日本帝国の軍部は全体的に韓国に優しいが陸軍と海軍の硬派な顔触れが特に韓国に優しいのである。
「どうも日本帝国の文化に妙な憧れを抱かれた様です」
「あれ止まるの?」
「多分止まりません」
残念ながらそうだというのだ。
「温かい目で見守りましょう」
「それしかないのね」
「そういうことでお願いします」
韓国についてはこれで済んだ、何はともあれ今太平洋には東郷も日本も不在だった。
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