仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第八十二話 茶室での会議その三
「予想していたがな」
「だからシベリアに送ってもね」
「それでもかよ」
「今時強制労働とかないから」
ソビエト伝統のそれはないというのだ。
「普通に働いてもらってるよ」
「けれど食べ物はあまりないよね」
海東はその『普通に働いてもらっている』とはどういったことかも予想しながら聞いた。
「薄いボルシチとかだよね」
「パンやジャガイモ、お肉もあるよ」
それに加えてだった。
「お酒も忘れていないし」
「ウォッカ?」
「まあその辺りのアルコールを加工してね」
「それあからさまに危なそうだね」
海東も話を聞いて引いた、無論門矢以外の他の面々もだ。
「死なない?失明とか」
「とりあえず今のところは大丈夫だよ」
あくまで今のところは、である。
「安心していいよ」
「凄く不安あるな」
四千年の歴史で色々あった中国ですら額に汗をかいて引いている。
「うちも捕虜の戦闘員は結構ハードに働かているあるが」
「アルコールは気をつけないとな」
アメリカは禁酒法の時代を思い出して語る。
「さもないと大変なことになるぞ」
「だから今のところは大丈夫だよ」
ロシアだけがこう言う。
「皆餓えることも凍死することもないから」
「一応手荒なことはしないようにな」
ドイツはそのロシアに難しい顔で告げた。
「戦闘員も人間だからな」
「戦闘員も強化されている」
ここで言ったのは門矢だった。
「だがそれでも人間だ」
「人間なのは確かなんだね」
「その通りだ」
イタリアにも話す。
「人間であることは間違いない」
「そして怪人もだよね」
「向こうは気付いていないがな。心が人間ならな」
怪人もまた人間だというのだ、そして例えに出すのは。
「モグラ獣人の様にだ」
「モグラ獣人ってゲドンの」
「そうだ、あの獣人がそうだ」
姿形の問題ではない、心が人間ならばというのだ。
「人間だった」
「逆に言えば、ですね」
ようやく茶が出来た、日本は仲間達にその茶を一つずつ差し出しながらそのうえでこう言ったのである。
「姿形が人間であっても心が人間でなくなれば」
「カラマーゾフの兄弟の父親みたいなのかな」
ロシアは彼の国の小説の登場人物を出した。
「ああいう感じかな」
「あの親父は確かに酷いな」
フランスもその登場人物を聞いて難しい顔になる。
「どうやったらあそこまでなれるんだ」
「私の国でもドラマになりましたが」
日本も言う。
「あれはないですね」
「僕も実際あそこまで酷い性格はそうはないと思うよ」
ロシア自身もこう言う。
「けれどそれでもね」
「それですね」
「ああした感じかな、 人間じゃないっていうのは」
「そうだな、あの親父はだ」
門矢もその作品のことを知っていて言う。
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